November 20, 2016

スマホ

時は過ぎ、もう冬になりつつある。
スキージャンプのワールドカップも、もうすぐ始まってしまう。
これだけ長いことブログを放置したことは初めてかも。
書くべきことがなかったわけじゃないが、何かを能動的に、外向きに行う気持ちや余裕というものがまるきり欠けていた。スキージャンプも始まれば見るんだろうけど、今季は昨季までのように発信することはできない気がする。

それは音楽やオーディオにおいても同じ。決まりきったディスクをちょこっとかけて、音がちゃんとしていることを確認して、安心して終わり。ちょっとダメでも、また良い時もあるだろうと、楽観的というよりは投げやりな気持ちでアンプのスイッチを切ってしまう。

そうこうしているうちに、スマホを持ってしまった。とうとう。はじめはiPad使っているんだからiPhoneにするぞと意気込んでいたのだが、本当にiPhoneでないとだめ?TIDALをオフラインメインで使うんだったら128Gにしておかないと後悔するかも?7ではヘッドフォン端子が無くなる?なんていうことをあれこれ考えているうちに、Appleの方向性に疑問を感じ始め、3倍の値段差に尻込みし、そして結局格安スマホにした。で、、持ってみて、その200ユーロしかしない手のひらサイズの機械のコンピューティング能力に愕然とした。この計算力が、3日間無充電で持つなんて・・・マスプロダクションの恐ろしさを感じずにはいられない。少なくとも、今までスマホを持っていなかった人間にとっては、この安いAndroidで必要十分だ。Appleの信念が、意固地と妥協の間で揺れ動くわけだ。

そして、もう一つの驚きがそのスマホの携帯オーディオプレーヤーとしての音だ。始めはスカスカの音でなんじゃこりゃと思った。が、TIDALで少し我慢して鳴らしていったら、「あれっ」と思うような音が出るようになった。ただアンプ部が貧弱なのは明らかで、AKG K601では音にならない。ならば・・・と感度の高い、インピーダンスの低い、速い低音がしっかり出るカナル型イヤホン・・・こういうスマホで使うことを想定している価格帯だが、だからといって安かろう悪かろうでは無いもの・・・を探した。すると、外出先で聞く分には全く問題がない、いや、時々音楽に入りすぎて危ないぐらいの音が出るようになって「しまった」。おぃおぃ、このスマホ、たぶんヘッドホンアンプ部には10ユーロもかかっていないはず。それに30ユーロぐらいのイヤホン・・・それでちゃんと聴ける音が出るなんて。

もちろん、この音は全くオーディオ的ではない。すごく静かなところで聞くと、空間はない・一番上の方は丸っこくて抜けない・一番下はすっぱり切れている、ローレベルは消えちゃってることがわかってしまう。が・・・街の中ではそれらは全く必要のない要素だ。ただ、ちゃんと音のスピードが揃っていて、音域バランスが整っていて、ファンダメンタル領域がしっかり出て、それでいて中高音が刺さらなければいい。「ただ」なんて言ったけど、なかなかそうはならないものだ。その上で、ほのかに「チャーミング」で「アナログ」な音がする。たとえて言うなら良いFM放送のような音。いくつかの点において、メインのシステムに勝つ場面があるのが困った・・・録音が悪い・古いがあまり関係ないのも良い。

これって、偶然だろうか?いや、違う。たぶん、マスプロのおかげだ。極限まで共通化されシンプル化された枯れた回路を使い、そのうえでデジタル的に音を追い込む「人的コスト」がかけられているのだ。何十万ユニット出るからこそかけられる開発コストだ。このスマホを100個だけ作るとしたら、いったい一ついくらになるんだろうか。高級オーディオの世界は、その100個だけ作るということをしているから、いまや天井知らずの価格状況になっているのだろう。そして、そういうものにはその価格を納得させるための、必要のない付加価値、見た目、能書き・・・がついてくる。そういうものを買うことが馬鹿らしく思えてくるのだ、このスマホで音楽を聴いていると・・・。


| | Comments (0) | TrackBack (0)

September 10, 2015

iPad Proは欲しい・・・・のかなぁ・・?

Appleの発表会でiPhoneの小さいのは現れなかった。
また、予想通りiPad Proが発表になった。
大きさ、i Pencil、速いプロセッサ。いいディスプレイ。ハードウェア的には完璧だ。デジタイザなしでも、反応性と精度が確保できるのであれば、それに越したことはない。9.7インチiPad Air2を使ってきて、中途半端に思っていたことがすべて満たされる。

しかし・・・・・なんなんだろう、これは期待していたものとは違う。
これって、Apple版Surfaceでは?と直感してしまう。もしそうなら、ペンは「ペンも使えますよ」的な位置づけになる。ペンが標準ではなく別売りなことも、キーボードの発売もそれを裏付けている・・・・。iOSでペンコンピューティングを本気でサポートするつもりはないと、言っているようなものだ。

というより、Appleも普通の企業になったのだなぁ、という感慨を受けてしまった。ラディカルに舵を切ったMicrosoftとの差は、以前ほどではなくなったのかな。

さて、、、UEIはどう出るのかな。enchantMOONはiPadに乗って月に到達するのか、それとも独自ハードにこだわるのか・・・。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 14, 2014

enchantMOON S-II

enchantMOONは電子メモとして、頭を整理するためのツールとして、地味にずっと使ってきた。
だが、ページ数が200を超えて全体を把握するのがかなり難しくなってきていた。そろそろ、なんとかせんと使えないレベルになると思い始めていた。かといって、ページを消すのは自分の長期記憶を消すような感覚であり、なかなか踏み切れなかった。

が・・・今度のメジャーアップデート、MOONPhase 2.9.0ですべて解消した。これなら、たぶん、1000ページぐらいはまったく問題ない。

少なくとも、これまでの状態で使ってきたユーザーからすれば、驚くべき進歩だ。体感で言えば、10倍、いや20倍ぐらい速い。感動を通り越して、腹立たしいぐらいだ。今まではなんだったんだ!しかも挙動が安定していて、コンシステントなのだ。

このレベルで最初に出ていたら、もっと凄いことになっていたのに!これだったら、私のようなものぐさでも、シールを貼る気になるし、プログラムする気になるし、ハイパーテキストのコンテンツを作る気になる。クラウドサービスのSkylabやエミュレーターGeminiも、初めからあるべきものだったのでは。これでちゃんと、書いたものを他人に見せることができる。

ソフトウェアレベルでは、あとは文字認識と検索機能が強化されたら、電子メモとしてはかなり完成の域に近づくと思う。他は瑣末なことだ。プログラミング・ツールとしての方向性では、ほっておいてもどんどん進歩するだろうし。

あとの部分はハードウェアのレベルの進化が必要だと思う。ネットに条件なしにつながるようになり、画面周辺部のデジタイザの歪みが解消され、画面がもう少し目に優しく、(物理的に)もう少し軽く、そして充電時間が短かくなれば・・・。第二世代のハードウェアが待ち遠しい。高くてもいいから、ゾクゾクするようなものにして欲しい。使い続けますから。

(とんでもない数のスパムコメントがついてしまったので、この記事へのコメントをブロックします・・・)

| | TrackBack (0)

October 25, 2013

周回遅れを維持

次のコンピューター環境をどうするか決めるに当たって、周囲のドイツ人たちに意見を聞いて回った。こういうとき、ドイツ人は意見をはっきり持っている(それが説得力があるかどうかは別だけど)のでわかりやすい。アップルユーザー(Mac Pro+iPhone)、Windowsユーザー(ドック型Windows8マシン+Windows Phone)、Ubuntuユーザー(Ubuntu+Nexus4)という典型的な3人が丁度仕事場にいたというのも、ありがたいことだった。

で、新しいサービスとクラウドとの常時接続がもたらすユーザー体験についてはだいたいわかった。でも、結局のところ、人々の選択はAppleやMicrosoftが好きか嫌いかで決まっているのであって、機能そのものはどれでも大差ない・・・ということも明らかとなった。そして今やMicrosoftもGoogleもAppleのようにサービスで囲い込む方向に走っているので、Windowsフリークの彼がサービスの統一による利便性を力説すればするほど、Appleは囲い込みによってユーサーに自由がなくなるから嫌だという見解との間に大いなる矛盾が生じるのだった。確かに、Appleはサービス・ソフトウェアにかかるコストをハードウェアの価格に転嫁するから、ハードウェアの価格が高くなるし、その選択に自由は無い。しかし、それがゆえにソフトとハードが一体となった、アップルの考える最高の組み合わせが実現されている。これは表裏一体のこと。それにWindows8だってハードウェアのデザインをかなり厳密に規定してしまっている。今度出た、各社の冬モデルが「どれも同じ」に見えることがそれを裏付けている。

ただ、それらの今冬の新製品たちを概観して感じたことが一つあった。AppleのA7チップやIntelのAtomZ3770の性能、そしてそれらを搭載した製品たちは、ドック型・コンパーチブル型のマシンが本当にパワフルでありながら軽く、大画面という時代がもうすぐそこまで来ているという印象を自分に与えた。

今はまだ、パワーがあってバッテリーがちゃんと持つマシンは1キロぐらいはある。でも、たぶんそれが新しいiPad Airレベルの1ポンドになるのはもうすぐそこだと思った。

こうなってくると、もしかしたらMicrosoftは先見の明があったということになるのかもしれないな、と思うのだった。そしてAppleの方がそれに追随するのではないか、という予感を覚える。今はモバイル用とデスクトップ用に分かれているOSが一つにまとまり、マシンのモード変化にしたがってインターフェースだけが変化するような感じ・・・・・。

今後はAppleがOSを統合するかどうか、そしてSurfaceのようなマシンを出すかどうかに注目していこうと思う。その時にどのような入力デバイスを出してくるのかが興味深い。次のユーザーエクスペリエンスのジャンプは入力デバイスが鍵を握ると思う。

ということで、私は周回遅れを維持することに決めた。できる限り少ない投資で既存の環境をアップグレードする。ロバストなThinkpad X200の程度の良いものを購入し、最新のSSDとWindows7を入れて運用することにした。今使っているX41にはUbuntuを入れて遊び、そして、iPad Airでアップルのフィロソフィーを体験する。今回のiPad Airはアップルがタブレットに必要なものは何かを良く考えた上で、他社の機能至上主義に追随しないという強烈なメッセージを込めて作った骨のある製品だと思った。たぶん売れるよ、これ。500gの壁も破ってくれたし、文句なしです。ネットサービスはどれがクロスプラットフォームにちゃんと対応しているかを見定めよう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

September 29, 2013

希求力のあるオーディオ機器

先日、LINNからEXAKT systemが発表された。
オーディオの進化を実感させる説得力を持っている。音楽を普通の部屋できちんと楽しむために、現在あるテクノロジーをどのように使えばよいかを正攻法に考え、実装したものだ。測定による自動補正に頼らないという決断も正しい。

ステレオサウンドに出ていた、デビアレとオーレンダーの製品。素晴らしい。なによりもその製品が何故そうでなければならないのかを語れるコンセプト、そしてその希求力が素晴らしい。

これらの製品は、デジタルファイルを含む多様なソースから、いい音を、ユーザーに煩わしさを感じさせずに提供するものだ。いよいよ、ハイエンドオーディオにおいても音楽ソースの主流がディスクからファイルに変わるのだな、と感じた。

でも、何故かわからないけど・・・・悔しい。
何故こういう製品が日本のメーカーから出ないのだろう。充分な技術があり、人材も資材も揃っているはずなのに。

マランツのNA-11S1、SA-11S3。デノンのDCD-SX1。今度出たソニーの一連のハイレゾ対応機器。「良くこの値段でこのクオリティのものを作れるな」と思う。関わった人たちの凄い努力が滲み出ている。でも、彼らに与えられた「枠」が小さすぎると思う。そして、それが一つ一つの機器のレベルで止まってしまっている。これらから出てくる音のクオリティや機能の問題じゃない。問題なのはその製品のクオリティを生かすコンセプト、そしてそれに見合う希求力・説得力があるかどうかだ。

そういう希求力・説得力は、そのメーカーの思想やブランドイメージと密接に繋がっている。日本のメーカーは、自らのブランド価値をどう思っているのだろう。アキュフェーズやエソテリックなどのいわゆるハイエンド専業メーカーのことではなく、もっと大きなメーカーのことだ。

SONYはいまだに全世界的に素晴らしいブランド価値を保っている。Marantzの欧米でのブランド価値は非常に高い。ONKYOやDENONはヨーロッパにおいて神話的な名声がある。しかし、その名声は近年、どんどん下がっていると感じる。

これらのメーカーの経営者たちは、今後の「ポスト・マスプロダクション」時代において、ブランド価値を保つことの重要性を本当に理解しているのだろうか?そのために必要なものはメーカーの思想を世に示す究極の製品なのではないか?

たとえば・・・・ソニーは「アコースティック・リファレンス」の思想に足るピュアオーディオ・エレクトロニクスとか、現在あるすべてのソースに対応するスーパーハイエンドAVセンターにフルデジタルアンプを積んだアクティブ・サラウンドシステム-SONYの名前を信じているインド・中東・中国の金持ちを満足させるクオリティと値段のフルシステムが必要なんじゃないか。1万ドルじゃなく10万ドルの世界だ。ゴールドモデルをオプションで提供することも重要。世界最高峰のデジタルアンプ技術をなぜ世に問わない?

デノン・マランツはB&Wとの協業でLINNを脅かすハイエンド・トータルソリューションが欲しい。このとき、もっとも重要なのは、音のコンセプトの統一とパッケージングだと思う。個々の機器レベルを超えた、ブランドの音の提示だ。デビアレのような一体型でもいい。MarantzのM-CR610を究極に高め、B&Wのシグネチュア・モデルに見合うものにできないか?

オンキョーはハイレゾの旗手として、オーレンダーに匹敵するものを作れるはず。コンピューター部門を手中にしている強みを存分に生かして、ハイエンドオーディオ機器に昇華したオーディオコンピューターを・・・既存のパソコンのモディファイのような中途半端なものではなく、すべてを一から作り上げたものを。OSから作っていい。そしてそれをピュアオーディオ機器とソフトウェアの連携で繋ぐのだ。

EXAKT systemなどを見て、そういう思いがふつふつと沸いてしまったのだった。日本人はチマチマと細部を詰めることは得意でそれは日本にしかできない長所。それを生かすコンセプトが欲しいと思う。それが希求力を生み、ブランド価値を創生する。

このことは、enchantMOONに対する思いとも交錯する。enchantMOON、使っていくとわかるんです、作り手の思いとコンセプトが。しかし、技術的な、もっと言えばリソースの制約でそれが100%は果たせないもどかしさがある。このくらいの突き抜けたコンセプトで例えばSONYや東芝が本気で作ったら、コンピューターのパラダイムを変えるような凄いものができるはずなんだ。何故、彼らにはできないんだろう?

ビジョンやコンセプトをしっかり持つことが日本人は苦手なのかもしれないが、それよりも、人と違うコンセプトを持った人を大きな心で受け入れ、支援する度量が日本の会社(いや、社会か)にもっとも欠けていることなのかもな・・・・。このままじゃ、日本全体が頑張っているのに報われない、小売スーパーのようになっていくんじゃないかなぁ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

September 21, 2013

どこで線を引くのか?が悩ましい、次のコンピューター環境

パソコンという言葉はもう死語なのかもしれないが、中学生の時から、ずーっと自分のコンピューターを持ち続けてきた。年数にしてもう27年!になるのか・・・。昔はかなりとんがったものを持ちたがったものだが、最近は仕事に使うものという割り切りから、いわゆる「枯れた」ものを使うようになった。今、この文章を打つのに使っているのはThinkpad X41-IBMロゴ最後のThinkpad、1.8インチHDDの鬼っ子である。今どき、WindowsXPとOffice2000を使っている奴なのだ。

しかし来年のXPサポート終了、またウェブコンテンツの変容、電子書籍、ストレージのクラウド化への対応などを考えたら、さすがにそろそろ「次」を考えなくてはならなくなった。Intelの第4世代CoreCPUは(ようやく)コンセプト的に刷新されたものだし、タブレットの凄い進化には目を見張る。

どう考えても今後はタブレット的操作によるウェブコンテンツへのアクセスは必須になる。しかし、一方で仕事には良いキーボードが必須だ。そして、電線からの開放の流れに乗ること。この3つの条件を一つのデバイスで100%満たすことができるかどうかをまず考えた。

自分はThinkpad使いだから、IFA2013でのThinkpad Yogaの発表を見て、これで行けるはずだと一度は思った。10時間以上の駆動時間、タッチ、高品質キーボード、トラックポイント・・・・。

でも、よく考えてみるとYogaタイプにすることによって重量は増し、駆動時間は短く、そして信頼性は間違いなく下がると思う。ほとんどのユースケース(つまり仕事面)において、普通のクラムシェル型Thinkpad XやTに劣るであろうことは明らかだ。

また、1キロ以上もあるものをパッドとして使うことは、結局は無いように思った。

なら脱着式(Thinkpad TwistHelixやSurface Proなど)、あるいはスレートタイプPCにThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボードを組み合わせるということも考えた。が・・・そうなると画面サイズは11インチクラスとなる。それで仕事になるのか?を考えたら微妙。ならセカンドディスプレイ・・・・どんどん、一つで済ませるという理想から離れていく。

そう考えていくと、13-14インチクラスのクラムシェル型ノートに大画面スマホ、というのが大多数の選択になるというのが当然に思えてくる。つまり、そこに線を引いて2つにするということだ。私であれば、Thinkpad T440sにGoogle Nexus 4というところだろう。

ただ、これだと電子書籍への対応、もしくは新聞や論文をブックリーダーやブラウザで読むという、私の本当にやりたいことが快適にできるようにはならない。そこは大画面タブレットの独壇場だ。スマホの必要性を感じないのだから、自分の場合はスマホをタブレットに置き換えることができる。

タブレットとなれば、やはりどう考えても今年中には出るであろう、新型第5世代iPadしかないだろう。そうするのであれば、出先ではiPadとenchantMOONを使い、母艦となるコンピューターの方はもう少しディスプレイが大きいものもしくはデスクトップで作業効率重視という方向性もありえる。線を引く場所を変えるということだ。

また、iPadを使うなら母艦をMacにするのがスジってものじゃないか、という気持ちもある。ソフトウェアへの投資が必要となるが、それ以外に仕事上の問題はほぼ無いのだし。あと、enchantMOONのコミュニティがMac寄りであるということもある。

うーーーん、一番、現状で現実的な選択はiPadにThinkpad T440pだと思うのだが、なんかしっくりこないんだよな・・・・・この組み合わせの違和感はなんなんだろう。iPadにこだわらずタブレットをGoogle Nexus 7にすればいいのかな・・いや結局一番欲しいのはiPadなんだから、それでは本末転倒か。

たぶん、この違和感はWindows8.1のどっちつかず感とリンクしている。もっと突っ込めばMicrosoft自身がどこに線を引くのがいいかわからなくなって迷走してSurfaceを出したりしているのに巻き込まれている感じだ。タブレットを取り込んで3-in-1を推しているが、大多数のユーザーのユースケースに合致していない。そう考えるとMacには頑なにタッチ機能を搭載せず、タブレットとコンピューターの住み分けの線を明確にしているAppleのコンセプトは明快で迷いがない。

では、Macにするなら13インチAirにするのか、Retinaにするのか、iMacにするのか・・・・13インチAirは魅力的だけど、ちょっとiPadとの住み分けが微妙な感じがする。刷新されるであろうMacBookProとiMacの出来を見てからでも遅くないか。優柔不断も極まれり。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 20, 2013

enchantMOONに求めたいこと (追記9月1日)

立秋を過ぎて、ドイツは秋らしい雰囲気が漂い始めた。ほっとする。

紆余曲折をへてようやくenchantMOONがはるばる届いた。ボーイング787で悪者になったからか、リチウムイオンバッテリーの入ったものを航空便で郵送するのに苦労した。ドイツへの郵送はDHLが対応してくれた。

待っている間にネット上ではアーリーアダプタたちによるかなりネガティブな反応でにぎわっていたので、覚悟して使い始めた。1週間ほど使った今の段階での率直な叫びを書き残そうと思う(MoonPhase v.2.3.1)。ちなみにこのエントリーはenchantMOONを使って考えた。そう、使えてるんです。確かに巷で言われているような問題は数多くあるが、紙に考えをまとめていくのと同じ「ような」感覚で使えている。もちろん、快適かどうかというのは別のレベルの問題として残るのだが、使えるか使えないか、でいえば使える、と言っていいと思った。

でも、この製品に満足していると言えば、それは嘘になる。この評価は、製品の完成度とか、使用感のこととか、そういう表面的なレベルのことではない。ある会社にとって初めてのハードウェアが完璧なものに仕上がるなんてことはありえないのだから、問題があるのは当然。それに、このModel MOON01はある意味、コンセプトモデルだと認識している。それがこなれたタブレットのような完成度を見せたら、それは奇跡だ。

コンセプトモデルに求めたいものは、まず作り手の意思だ。そして発展の可能性。これは将来、期待できるぞ、という希望だ。私が満足できないのは、それらが製品の振る舞いから実感として感じることができないということだ。私が考えるに、問題の根本はコンセプトの不徹底にあると思う。

shi3zさんは言った。我々は紙を再発明する、と。そしてNo UIの考え方を打ち出した。
そして、User level pylamidというものを示した。彼の考えていることは明快に伝わった。

紙にもUIはある。それはペン先で触れた部分がマークされ、目に見え、そこにとどまるということ。これが紙の偉大なるUI。私は、enchantMOONはそこに立脚するというふうに、shi3zさんのメッセージを理解した。紙の素晴らしいUIに立ち位置を置いて、その上にコンピューター的な利点を、UIのレイヤーを重ねることなく、積み重ねる。enchantMOONはプログラミングによってカスタマイズできる紙である、ということだ。

私はこのコンセプトに共感したから、enchantMOONに期待した。久しぶりにプログラミングをしてみようと、待っている間にJavascriptを齧り始めた。

しかし、今enchantMOONに触れての率直な印象は、User level pylamidで言えば「Age3の段階でAge16のことをやろうとしている」というものだ。

紙を再発明する、と言ったからにはまずAge3:Drawingが紙と同等にできることが実現されなくてはならないのではないか。

enchantMOONで書いていると、少なくとも私の個体ではだいたい4秒ごとにコンマ数秒の描画の引っかかりがある。これは起動直後のまっさらな状態でのこと。多くのページを開いたり、リンクをたくさん張ったりするとこの引っ掛かりが長くなる。悪い時は数秒なんてこともある。その場合でも、ほとんどの場合、ちゃんと入力は拾えているようだが。ひと言で言えば描画プロセスに明らかに感じられるレベルの割り込みがあるということだ。

描画の遅れそのものはあまり大きな問題じゃないんだけど、その遅れが「コンシステントでない」(いい日本語が浮かばないのですが・・・感覚的にいつも同じではないという意味)ことはものすごく問題だと思う。和紙に筆でものを書くと描画が遅れる感じがあるが、慣れればまったく問題ない。しかし、その遅れがコンシステントでないことは、紙では絶対にありえない。

また、視差の問題。画面の端のほうでの視差が大きい。これも、上の方では下に、下のほうでは上に、右の方では左に、左の方では右にずれるといった感じで、一定でないのだ。

はっきり言います。私の感覚では、現状のenchantMOONではDrawingが紙と同等にできることが実現されていない。私は、なによりもまず入力と描画が完璧にコンシステントであることが実現されなければ、Drawingが紙と同等にできるとは言えないと思う。コンシステントでないものには慣れることができない。それが人間の感覚なので、現状では使い込んでもあるところ以上には使用感が向上しない。

そして、Drawingが紙と同等にできることができていない状況では、上に積み重ねるもの(オーサリング・プログラミング)に意味があるかどうか、私は疑問に思う。基礎のグラグラしたピラミッドはありえないのではないだろうか。

この問題の理由には現ハードウェアのパワー不足はあるだろう。でも、私には、enchantMOONの振る舞いに、コンセプト上もっとも大事な部分をおざなりにして、ハードウェアの能力を超えた機能拡張をしすぎているという印象を持たざるを得なかった。

建設的に行こう。現状でソフトウェアレベルで可能と思われる要望は2つある。

一つ目は紙モード。すべてのファンクションを切って、すべてのリソースを入力と描画に使うモードの実装。エンチャントコマンドも文字認識・検索もシールもエフェクトも、必要ならページ切り替えやリンクすら切ってしまい、割り込みをゼロに限りなく近くする。つまり、黒い一枚の紙になって、とにかく紙のもつUIを完璧に実現する(よう努力する)。これこそがNo UIコンセプトに必須のベースであり、本来的にはOSのデフォルト状態はそうであるべきだったと思っている。そこをベースにして少しづつ機能を重ねていく、それがすべてユーザーレベルで選択(プログラミング)可能になるのが理想。

二つ目は視差補正。画面の縁の部分で視差補正を自動的に行う。補正のゼロ中心位置と補正レベルをユーザーが指定できるとなお良い。ものを書く時、人によってどのくらいの距離でどのあたりに紙を置くか、どのくらいペンを傾けるか(これによって出る位置が違うことに気づいた)には癖があるから、カスタマイズ能は私は必要だと思う。将来はカメラで使用者の顔認識を行って目の位置を測定し、傾きセンサーでペンの角度を測定し、それらのデータを元に計算で自動的に補正するのが理想だ。Kinectができるんだから、これは既存技術で実現可能だと思う。かなりの演算パワーが必要だが。もう一つの方向性はディスプレイの構造を根本的に変えて、物理的に表示の位置を表面に近づけるよう改善すること。いちばん表面にあるシートが光を透過するようなイメージ。これらの根本的改善にはハードウェア的改善が必須だが、初めに書いた簡易補正はファームウェアとOSレベルでも、ほとんどパワーを使わずに実装できそうに思う。

どちらもOS以下の部分での実装が必要なことで、ユーザーレベルのプログラミングでなんとかできるものではない。と、言いますか、現状ではこれ以上重くしたくないというのが正直なところで、プログラミングをしてシールを貼ろうという意欲が無くなっている。これって、shi3zさんの意図するものとはかけ離れた反応だろう。

感覚面で改善できそうな細かい点もいろいろあるんだけど・・・ペン先が白でも黒でもないオレンジとかなら、書いている位置が特定しやすくてよかったかなぁ、とか、消しゴムボタンを使った後に、ペン先のアクティベートをコンマ何秒か遅らせてくれると消し際にシミを残さないように気を使わなくてていいかな、とか・・・。

enchantMOONは他にない素晴らしい部分がある。この、凄く細いパステルで書いているような独特の書き味は現状でもかなり高いレベルにあり、個人的には好きだ。そして他メーカーに絶対にありえないのがNo UIコンセプト。とにかく、そのコンセプトの実現のため、紙の偉大さに真正面から取り組んで、紙を超えて欲しい、そこから逃げないで!とエールを送りたい。私には、紙の入力感のフレキシビリティ・コンシステンシーとリッチなプログラミング環境の両立には、I/Oにハードウェア的に独立した演算パワーと、厳密で細かな割り込み管理のできるゲーム機的なカーネルが必須なように思えてならない。そして、それが実現できる可能性を感じるのはenchantMOONだけだという想いはますます強くなった。それがわかったというところで、すでにこのコンセプトモデルModel MOON01は役割を果たせているのかもしれない。

(追記)このエントリーを公開した直後にMOONPhaseがv 2.4.1にバージョンアップした。シール機能の強化が主な内容で求めている方向性と違うなぁと思っていたら、アップデート後は描画への割り込みが多少軽減されているように感じる。重い時も上手くごまかすような感じ。ページ切り替えの待ち時間は若干長くなったようだが・・・・。左右端の視差や消しゴムの使用感も多少改善された印象がある(これは気のせいかもしれない)。この調子で少しづつでもいいので、使用感の改善が進んでいって欲しい。

(追記9.1)始まったIssue Trackerにおけるissue 34の議論で、視差の問題よりももっと深刻なデジタイザのズレの不均一性があることを認識した。私の個体では、上端はOKだがそこから1~3センチぐらいのところで均一に2ミリほど下にずれる。下端では平均のズレは少ないがそのズレが一定でないためにまっすぐ横に線を引いてもまっすぐにならない。左端はかなり良好だが、右端は下端と同じような状況だ。右端は書いていって詰まることが多いため、ここの歪みは非常に不快ではある。

端のほうに顕著に出るズレだったので視差の問題だと勘違いしていた。この問題は視差とはまったく別の事象であり、対策されるべきであると思う。問題はこれがロットやもっと悪い時は個体レベルでのハードウェア的差異によって生じているものであれば、対策が難しいということだ。当面は細かいものを書くときは上下を避けて、左の方に描くようにすればいいか。

なんだか書き味についてものすごくケチをつけているように見えてしまいそうなので、もう一度書きますが・・・・enchantMOONの書き味は他にはない独特の魅力があって、感触的にもとてもいいんです。だから、いろいろ書いちゃう。だからこそ、細かいズレが残念で気になってしまう。別の言い方をすれば、enchantMOONは細かいズレがちゃんと認識できるレベルにあるということなんです。これって、こういうデジタイザにおいてはかなり画期的なことじゃないかな。たった4万円のタブレットではありえないレベルだと言っていい。もちろん、プロ用で一体一体、マニュアルでキャリブレーションをかけてあるようなものと比較したら正確性では話にならないだろうけど、書き味ではたぶん少なくてもいい勝負していると思っている。もし、この問題が個体レベルの問題で、対策としてUEIがマニュアルキャリブレーションサービスを有償で始めてくれたら、間違いなくやってもらうと思う(本体より高いようなことがなければ、だけど・・・・)。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

May 11, 2013

enchantMOONのこと

ずっと前から、iPadが欲しいと思っていた。今やネットを通じた情報の受け取りは必須のこととなり、そのためのデバイスとしてiPadは今も最強の存在であろう。miniじゃなくてフルサイズのRetinaディスプレイの搭載されている方だ。電子書籍リーダーも含めて7インチ級のデバイスは、私には中途半端な大きさに思える。目は悪くなる一方だろうから、あの大きさだと小さな文字をチマチマと拡大しながら読むことになっていくだろう。それでは閲覧性なんて、あったものじゃない。さらに言えば4インチディスプレイのスマートフォンは、基本的にコミュニケーションそのもの、つまり「つながり」のためのものだと思っている。それは私には必要ない。この点においては、情報をきちんと閲覧するにはそれなりの画面サイズが必要だと言っていたスティーブ・ジョブズに賛同する。

しかし、実は今だに買えないでいる。やはり、まだ10インチクラスは重い、重すぎる。第3世代iPadが出た時買う寸前までいったのだが、iPad2から後退した重さ-Retinaの無理さ-を最終的に許容できなかった。iPadの使いすぎで腕が上がらなくなることを「ゴリラ腕」と言うそうだが、私にはそれが容易に想像できた。第5世代iPadがIGZO液晶で500g以下になることに期待しているのだが・・・カスタムハードとソフトウェアの融合によって、汎用デバイスではまねのできないiPadの減量を成し遂げられるかどうかで、Appleという会社の今後が見えると思っている。Android勢に迎合したスペック競争に踏み込んで本質を見失うかどうかを見ている。

買えないでいる理由に、iPadでできそうで、やりたくて、でも無理で・・・ということがもう一つあった。それは紙に書いたメモ・アイディアの蓄積を検索だ。私は、仕事も含めて何かを考える時に紙に何かを書く必要のある人間だ。それは、何かを作り出すとき、ぼんやりとした頭の中のイメージ・・・・言語化されていないもの・・・を図として描き出すことによって、他人にも理解できるテキストに変換するという作業なのである。言ってみれば、アイディアの図形化-中間言語へ落とし込みである。

この紙に書かれた中間言語、は私には理解できるし、閲覧性・保存性は非常に高い。だが、それを書き止めたものを後から「あの時、何を考えたんだっけ?」と思って探し、見つけるということに今だかつて成功していない。手書きの手帳はモレスキンを含めていろいろ試したが、結局、ものぐさで一貫性のない私には、検索性を持つ状態にメモを整理するということができないのだ。その辺の紙にパッと書いたものの束が散乱するという状況になってしまう。

また、仕事柄、大量のデータが示されたプレゼンテーションの情報をグラフなどを含めて書き留める必要があるのだが、それを後から検索することも、ほぼ成功していない。何ヶ月か経つと、誰が発表したことは覚えているが、いつどこでかは良くわからないという状況になる。こうなるともうお手上げである。

記憶力の低下とともに、この問題は仕事上においても、大きな問題となりつつある。

で・・・iPadが出て、7notesが出て、これなら図とテキストの混在したメモの蓄積と検索ができるかも・・・と思ったのだが、そうは問屋が卸さなかった。あの、シリコンシートの向こう側に書くようなスタイラスペンの感覚に、一瞬以上は耐えられなかった。一方、紙に書いたものを記録するペン型のデバイスはコンセプト的には良さそうなんだが、これも結局は中途半端な感じがして、コンピューターを使っているのにその強みが限定的にしか発揮できず、情報が整理されないまま溜めっぱなしになるという危険性がプンプンしていた・・・・。

結局、iPadを含めたタブレットは情報を受け取る、パッシヴな行為を助けるデバイスであって、情報の創造と発信といういわゆるアクティブな行為においては、コミュニケーションツール以上のものを提供するようにできていないのだという結論に至った。いや、初めからジョブズはそう言っていたし、そのコンセプトが揺るがないのなら、今後もこれが大きく変わることは無い。サムソンのGalaxy Note 10.1が出た時、おっ、と思ったが、そのスタイラスペンもコンセプト的にはコミュニケーション・ツールの一つでしかなく、既存のタブレットの枠を超えたものではなかった。

アクティヴとハッシヴの両方を行うということでは、WindowsやAndroid系OSを搭載したコンバーチブル型ノートやサーフェイスと言う手もある。しかし、これらはキーボードを入力デバイスとしてキープすることを目指した形であり、手書きメモの保存という目的にそぐわないことは明白だった。

うーむ、無理なことをしようとしているのか・・・・とあきらめ気分だった。しょうがない、他の人がやっているようにノートを持ち歩くしかない。Thinkpad Twistを買うかと思いながら何気なくPCウォッチを見ていたら・・・

同じようなことを考えている人たちが日本にいたのであった。
enchantMOON
何も考えず、注文してしまった。

本当に使えるかどうかは微妙な所だ。大きさもちょっと微妙に小さいと思うし、デモで見る限りペンの描画速度ももう一歩頑張って欲しい感じ。どれくらい感覚面でのパーソナライズを許容してくれるかが鍵だと思う。でも、このコンセプトそのものがうれしかった。そして、わくわくした。そのわくわく感は、昔、初めてパソコンを買った時の感覚を思い出させた。それだけでも、買う価値がある。いやもう既に、価格に見合ったものを私に与えてくれていると思っている。

最終的には、今のiPad程度の機能をenchantmoonが取り込むか(マルチコア化・高解像度化・シェル切り替えなどで)、他のタブレットが進化してenchantmoonぐらいのことが朝飯前にできるようになり、一つのデバイスですべてが完結するのが理想。その方向に向う流れが生まれたことを素直に喜び、応援したい。その流れに乗って漕ぎ出してみる日のことをわくわくしながら待っている。

| | TrackBack (0)