April 18, 2017

スキージャンプ、台とジャンパーの相性についての考察 妄想編 2つの理想のLH

台と選手の相性のことを考察していて、ふと、いつも練習で飛んでいる台の特性が選手の特性を決めてしまうのではないかと思った。ある台で練習して感覚を作っていけば、その台に合わせたタイプになっていくのは当然ではないか?ということは・・・いい台はいい選手を育てるということになる。

ところが、日本にあるふたつのLH、大倉山と白馬はデフォルトではβが37°以上もあり、いまとなっては古風なセッティングである。これらの台で練習している限り、世界のフラット化した台に対応するのに必要なスピード・パワーを体得するのは難しいのではないか。日本ジャンプの復権には、これらのLHの現代化が真っ先に必要なんじゃないかと考えるようになった。

ここからは完全に妄想である。
昨今の経済状況における実現可能性は無視して、もし、この二つの台を大改修するとすれば、どんな台にするのがいいだろう?それを考えてみた。

HS(m) h/n β/βL(°) α(°) Vo(m/s)
新・大倉山 140 0.582 33.6/31.3 11.0 ~26.6
新・白馬 134 0.572 33.3/30.8 11.0 ~26.3

フラット化の方向性はまちがいないが、せっかくなのでふたつの台の性格を微妙に変えるのがいいと思った。

白馬はコンパクトでフラットな、本質的なパワーとスピードがなければ距離が伸びないシビアな台とする。アプローチは現代的でrの大きな、カンテの平らな部分が短いタイプにし、MANA TOP SPEED人工シュプールを入れる。コンセプトは「世界のスタンダードを感じられる台」。練習に好適の、ジャンパーを育てる台にするのだ。

一方の大倉山のコンセプトは「スキージャンプ・ダイナミズム」。規模の拡大とともに高さを確保し、h/nを大きめとしてフライング的要素を入れる。一方でランディングバーンはフラット化し、できるかぎりrを大きくして飛びすぎに対する安全性を確保する。アプローチの形状は少しは現代化するが、地の利をなくさないよう、今の感覚と大きく変わらないようにするのがいいだろう。こうすることで、試合におけるジャンプのダイナミックさと大倉山の強い向かい風に対する耐性を両立し、かつ、多少日本選手の良さが生きるホームゲーム・セッティングとする。目指すのはプラニツァのような劇場型シャンツェ。エキサイティングかつ公平感のある試合(そして地元選手の活躍)こそが、ファンの拡大につながり、最終的に選手を育てることに繋がると信じるからだ。

そして・・・・アルマティ・ピョンチャン・白馬・札幌の順でアジア・トーナメントを開催する。この4台なら、本場ジャンプ週間の4台にも負けない。女子も併催とし、第3戦は白馬の代わりに蔵王で行う。大倉山では、混合団体を土曜にナイターでやってテレビ中継、日曜個人戦ファイナル。シビアな白馬・蔵王とダイナミックな大倉山でジャンプ競技の醍醐味を存分に味わえるという寸法である。

いい夢は少しぐらい見てもいい。

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April 16, 2017

スキージャンプ、台とジャンパーの相性についての考察 (6)ピョンチャンの台はどうなのか?

最後に、ピョンチャンの新しいラージヒルのパラメーターを読んで、オリンピックの行方を占ってみよう。

HS(m) h/n β/βL(°) α(°) Vo(m/s)
ピョンチャン 140 0.576 35.0/32.0 11.0 25.50

この台は新型の台としては異例なほど落下型の台であるといえる。h/nは標準的だが、βの35.0°は新しい台としては例外的に大きい値だ。結果としてVoはHS140の台としてはかなり低い25.50m/sである。つまり、フリーガータイプのジャンパー、そして葛西にとっては基本的に有利な台である。

ただ、ここは風、特に横風の強い台でもある。先にも述べたように、低速台は風が吹くと不安定な試合になることが多い。つまり、風次第、運次第の結果になる可能性も大きい。公平な試合になってくれることを望みたい。そうであれば、日本選手にはメダルのチャンスが大きい台だといえるだろう。

もう一つの懸念は、この台のCertificateは今季終了をもって失効しており、「認証を有効にするためには、審査レポートに記されている(問題)点を観察・改善されなければならない」と記されていることだ。つまり、このパラメーターはオリンピック本番では変わっているかもしれないのである。FISは風対策とともにβの減少(フラット化)を求めたのではないかと推察している。非常に感覚的なものでしかないが、現在のジャンプのトレンドにおいて、風に強い公平な試合のできる台はh/nがほどほどに大きく、βは小さめなように思うからだ。もしピョンチャンの台のβがソチのように33.5°あたりまでフラット化するようなことがあると、日本選手には厳しいものとなりそうだ。来季、更新されたCertificateが手に入った時に再度検証することにしよう。

おわりに

私の筆力の足りなさのせいもあり、要点にたどり着くのに多大な字数を要してしまった。しかし書いてみてよくわかったが、この因果関係を一言で説明することは到底不可能だと思う。だから、このあたりのことをテレビや記事で深く掘り下げて解説することができないのだろう。自分にとっては、書くことで考えを整理するという側面が大きかった。もし、この考察が少しでもスキージャンプを観る人の参考となり、その楽しみが増えることがあればいいと思う。

ここに書いたことはいちファンの個人的見解でしかありません。辻褄はあっていると思っているだけで、実測データ等には全く基づいていません。なので、こういう見かたもあるという風に捉えていただけるとありがたく思っています。そして、もし、専門的知識のある方がこの考察をご覧になるようなことがあり、間違い・勘違い等に気づかれましたら指導していただけると嬉しく思います。理解が深まれば深まるほど、よりジャンパーの心情に迫ることができ面白くなるのがスキージャンプというスポーツだと思っているからです。

このような長文に最後までお付き合いくださってありがとうございました。

シリーズの始めに戻る

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April 15, 2017

スキージャンプ、台とジャンパーの相性についての考察 (5)現実の試合で起こったことを検証してみる

ここで述べてきたことを実体感を持ってつかんでもらえるよう、現実にあるふたつの台のパラメーターを比べて、ここはフラット、ここは落下型・・・という比較ができる対照的なペアを探したのだが、なかなかいい具合な組み合わせをみつけられなかった。というのも、それぞれの台のパラメーターには微妙な違いがあるため、例のようにHSやαが同じかつフラットと落下型みたいな、比較に都合の良いペアになってくれない。そこで、一つの極端な例として、一番最初の解説のくだりに出てきたヴィリンゲン(落下型)とラハティ(フラット)を比較してみることにする。

HS(m) h/n β/βL(°) α(°) Vo(m/s)
ヴィリンゲン 145 0.590 35.0/32.5 11.0 26.00
ラハティ 130 0.562 34.7/32.2 10.5 25.70

両者の大きな違いはHSとh/nである。

ヴィリンゲンは非常に大きなラージヒルでしかもh/nが大きい。h/nはおそらくラージヒルでは世界最大値で、標準的なフライングヒルの値0.600にかなり近い。つまり基本の形がフライング的な、大きく落下型の台である。しかも、βの35.0°は現在の標準よりも大きな値で、ランディングバーンの傾斜も急である。その結果、Voは26.00m/sという小さめのラージヒルのような小さな値となっている。現実の試合においても88km/h程度の飛び出し速度になることもある、世界でも有数の落下型低速台である。
したがって、ここ数年は飛行曲線の低いスピード型のプレウツ・ストッホ・フロイントの争いになっていたのだが・・・・今年は様相が少し違った。個人戦でヴェリンガーが勝ったのである。いつものように向かい風が吹いていたので、パワージャンパーが特に有利になるような条件でもなかった。ここは彼の地元であり地の利もあったとは思うが、この結果を見て、ヴェリンガーは今までのパワージャンパーの枠を超えたスピードを持っていると確信したのだった。

一方、ラハティはHS130mの小さな台で、しかもh/nは0.562という小さい値である。この値は標準的なノーマルヒルの値0.550にかなり近い。つまり、この台は基本の形がノーマルヒルに近い、小さくフラットな台である。ただ、βの34.7°は小さくはない値であり、ランディングバーンの傾斜はそれなりにあるということになる。これはどういうことかというと、飛び出しから斜面にたどりつくまでの平らな部分の距離が他の台よりも長いということである。今回の世界選手権でドメン・プレウツが低すぎるジャンプで傾斜が深くなるところまでたどりつかなかったことがあったことを思い出す。あれは極端な例だけども、あの試合で低い飛行曲線のジャンプがパタンととんでもなく短い距離で落ちてしまうことがあったのは、この台の特殊なプロフィールに起因している。そういうジャンプが出ないようにカンテの角度(α)は10.5°に立ててあって、飛び出しに上向きの修正が入るようになっているのだと思う。一方で、傾斜のあるところまで必要な高さを持ったままたどりつくことができれば、そこからは深いからスピードのあるジャンパーは距離を延ばすことができる。基本的にフラットな台なのに、なぜクラフトがヴェリンガーを抑えることができたのか、これで納得がいくのである。

(ピョンチャンの台はどうなのか?(最終)に続く)

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April 14, 2017

スキージャンプ、台とジャンパーの相性についての考察 (4)ジャンパーと台の相性について

では、このジャンパーたち、仮想クラフト、ヴェリンガー、葛西が違うタイプの台を彼らの飛行曲線で飛んだらどうなるかを見てみよう。元の仮想台(灰色)とh・nが同じでカンテの角度αも同じ、しかしランディングバーンの角度βだけが異なるというふたつの台を新たに設定してみる。すなわち、図3のようにβが小さい、よりフラットな台(オレンジ/flat)と、βが大きい、より落下型の台(ピンク/steep)である。この図では灰色・オレンジ・ピンクの台のβはそれぞれ34°・30°・38°となっている。現実にはここまで差がある状況はないのだが、ここではわかりやすさのためにデフォルメすることにする。


Fig3
図3 βの異なる3つの仮想ジャンプ台


これに、図2の飛行曲線を重ね合わせてみる(図4)。結果は一目瞭然だと思う。よりフラットな台ではヴェリンガーがもっとも遠くに到達する。低い飛行曲線の葛西は早めにオレンジのランディングバーンと交差してしまっている。逆により落下型の台では、ヴェリンガーはスッと落ちてしまうが、落下角度の浅い葛西はLのはるか向こうまで到達できる。フラットな台では高さが、落下型の台では前に進むスピードが重要だということを示している。これが、台とジャンパーの相性の本質である。


Fig4

図4 仮想ジャンプ台を3タイプのジャンパーが飛んだ時にどうなるか


実際の台ではβの差は4°程度(この図の半分)しかないのでもっと微妙な差しか出ないだろう。でも、勝ち負けは数mの範囲で決まるのだから、台のちょっとした違いによって、結果に決定的な違いが生まれることがあるということは、これで了解できるのではないかと思う。したがって、どのような台でも安定した成績を残すためには、台の特徴を把握しサッツの方向性を変えて最大限の飛距離を得られる飛行曲線を選択することができなくてはならないのだ。

実は、この図を見てわかることがもう一つある。台がフラットになればなるほど飛距離が出なくなり、逆に落下型だと飛距離が伸びることだ。フラットな台では最もパフォーマンスの良いヴェリンガーがLに到達できるよう、飛び出し速度を上げなくてはならない。そのために基準の飛び出し速度Voが大きくなる。逆に落下型の台では、飛び出し速度を抑えて葛西が飛びすぎないようにしなくてはならないため、Voが小さくなる。これが、Voを見れば台の性格がわかる理由である(直接比較はHSとαが同じ時にしかできないのだが)。また、落下型の台においては、飛行の角度に違いがあると飛距離の差が大きくなる傾向も見て取れる。これは条件が良い時に飛びすぎになりやすいということを意味する。結果として、ジュリーは落下型の台での試合の際、安全のために飛び出し速度をさらに遅めの設定にせざるを得なくなる。しかし、その状態で条件が悪化すると、今度は逆にとんでもなく飛距離の出ないジャンプが出てしまうことになる。これが落下型の低速台では試合が不安定となる理由である。試合を安定化してジャンパーの安全を確保するため、最近FISはβを小さくするように指導しているようだ。マテリアルの進歩によってジャンパーの落下角度が浅くなり、そのぶん最適なランディングバーンの角度も浅くなってきているのだろう。

現実の試合で起こったことを検証してみる、に続く)

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April 13, 2017

スキージャンプ、台とジャンパーの相性についての考察 (3)スキージャンパーのタイプについて

これでだいたい台のことは分かったことにして、次はスキージャンパーのタイプについて考えてみる。台とジャンパーの両方を知れば、おのずとその相性は明らかとなるはずだ。ジャンパーは大きく二つのタイプ、飛行曲線の高いジャンプをする(パワー)ジャンパーと、大きい台で伸びる低く鋭いジャンプをするフリーガーという分け方がされている。しかし、彼らのジャンプの高さが違うことは知っていても、それが何を意味するのかを深く考えたことはなかった。そこでまずジャンパーの飛行とその曲線について考察する。本当はタイムラプス解析などの真のデータを参照したり、力学シミュレーターを使うことができればいいのだが、素人の手に負えるものではない。そこで、私が観戦者としてできる範囲で、見た感じと、時々ZDFとかでやってくれるビデオ動画解析などの記憶を頼りに、大胆にデフォルメしながら解析してみよう。

図2にジャンパーの飛行をトレースした飛行曲線を示す。ジャンパーはラージヒルでは時速90キロぐらいの速度でカンテから飛び出すわけだが、カンテは下向きだから、もしここで何もしなければ空気抵抗と重力を受けて急激に落ちてしまうだろう(黒の破線)。そうならないよう、ジャンパーはサッツ動作において次の三つのことを同時に行う:1)ジャンプ動作で上方向へのモーメントを得る;2)体とスキーを進行方向に寄せることで空気抵抗を減らす;3)最大限の揚力とスピード効率を得られる飛行体勢に移行する。これらによって、破線よりも上に、そして前に体を持っていく(実線)。飛行体勢への移行が終了した段階の地点(a)ができる限り高い位置で、できる限りスピードを維持した状態になることを目指す。ここから先は空中技術により、重力による加速を前へのスピードへと変換しながら、できる限り落ちないように努力することとなる。ビデオ解析などを見る限りでは、飛行体勢に入って加速し始めると、ジャンパーはかなり直線に近い弧を描きながらK点へと向かう。もちろん、今の短いスキーと細いスーツでは落下を止めることは不可能だから落ちているんだけど、それでもトップレベルのジャンパーは滑空をしていると言っても嘘じゃないぐらい、直線状の飛行線を描く(黒の実線)。これが標準的な「バランス」タイプのジャンパー、ここでは仮想クラフトの飛行曲線としよう。


Fig2

図2 ジャンパーのタイプとそれぞれの飛行曲線


これに比べて、より(a)点の高さを得ることを重視して、サッツにおける上へのモーメントを得ようとするタイプを、パワージャンパータイプとする。このタイプはジャンプ初期の高さはあるのだが、体を高く持っていく際に前へのスピードを幾分失うため、ジャンプ後半の落下角度が大きくなり、直線よりは幾分放物線寄りの飛行線を描くこととなる(赤の線)。これをパワージャンパーの代表としてヴェリンガーの飛行曲線とする。

反対により(a)点におけるスピードを重視して、飛行体勢への移行時間を短縮しようとするタイプがフリーガータイプである。このタイプは(a)がカンテに近く、低い位置となるが、スピードがあるためそこからの飛行線はバランスタイプよりもさらに直線的で角度の浅いものとなる(空色の線)。低いところを、ジャンプ台のカーブに沿うように飛び、Lまで到達しようとする。これをフリーガータイプの白眉として、葛西の飛行曲線とする。

(言うまでもないとは思いますが、これらの飛行曲線は架空のものであり、現実の彼らの飛行曲線を示したものではありません。実際の名前をあてた方がわかりやすいのでそうしただけのことです。)

とりあえず、この三者はそれぞれに効率よく飛べば、この平均的な仮想ジャンプ台では結果的にみなLに到達できることとしよう。実際、現在のレギュレーションはこの3タイプのジャンパーを共存させることに成功していると思う。

(ようやく、ジャンパーと台の相性について、に続く)

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April 12, 2017

スキージャンプ 台とジャンパーの相性についての考察 (2)ジャンプ台の形と特徴とは?

各国各地にあるスキージャンプヒル(以下、簡単にジャンプ台と表記する)はそれぞれ独自の形状を持っている。それを、ここはフラット、ここは落下型、ここは古いタイプ・・・などと表現するわけだが、そもそも何をもってそう言うのだろう?とにかく何かが「標準的な台」と違っているからそう言うのだろう。ではジャンプ台の標準的なかたちとはどういうものなのか?実は知らないのである。そこでまず、ジャンプ台の基本形状について調べてみることにした。

すぐ分かったことは、現在ワールドカップの試合で使用されている台の形は、かなり似通っているということだ。大きさ(HS/ヒルサイズ)の同じジャンプ台ならば、ほぼ一緒と言ってもあながち間違いではないぐらいだ。

それは、国際スキー連盟(FIS)がかなり厳格にジャンプ台の形状をコントロールしているからである。FISはRule 411と呼ばれるジャンプ台の形状についてのルールと、それに付随する形でStandards for the Construction of Jumping Hills(ジャンプ台の設置指針)を制定している。この指針では、エンゲルベルクで2006年に行われた研究に基づき、現在のジャンプ技術における、ヒルサイズと飛び出し速度・カンテの角度・ランディングバーン角度の関係の望ましい範囲などが明確に示されている。そして、FISの監査人が定期的に各国のジャンプ台を訪れ、台の要素(ジオメトリック・パラメーター)がその望ましい範囲内に入っているかどうかチェックする。その監査に合格して初めて、その台にFIS主催の試合の開催許可証(Certificate)が発行されるのである。つまり・・・各国のジャンプ台はFISのスタンダードを満たすように半ば強制的に“均質化”されているのだった。

とはいえ、その“望ましい範囲内”においては台の形は異なっている。また、台の大きさに従ってそれぞれのパラメーターの望ましい範囲も変わる。この微妙とも言える差が、ジャンパーの方から見ると決定的な差として感じられるらしい。

なぜこんな話を枕に置いたかというと、そのFIS発行のCertificateが、台の特徴を読み解く鍵となる情報を提供してくれるからだ。このCertificateは公開されており、インターネット上ではBerkutschiのジャンプ台紹介ページ(http://berkutschi.com/de/front/hills)で簡単に手に入る。そこには、それぞれの台のパラメーターが事細かに記載されていて、これを理解できれば台の特徴がわかるようになっている。

観戦者にとっては、すべてのパラメーターを知る必要はないと思う。特に重要と思われるのは以下の6つのパラメーターである。それらをひと通り説明してみよう。図1にそれぞれのパラメーターが台のどの部分のことを言っているのかを示しておいた。


Fig1
図1 ジャンプ台の形状と重要なパラメーター


HS(ヒルサイズ)
解説の必要はないだろう。台の大きさを示す。実際は非常にややこしい計算式があるのだが、まあ要は飛び出し位置からジャンパーが安全に立てる傾斜があるところ(L点)までの距離(直線ではなく、台の形状に沿った距離)である。ちなみにK点は飛距離点の基準になる点である。

h/n
飛び出し位置とK点の高さの差(h)と飛び出し位置からK点までの水平距離(n)の比である。もし高さhが57.5mで水平距離nが100mならばh/nは0.575となる。この値が小さいほど比較的水平距離が長くフラット、大きいほど落下距離が大きい落下型の台ということになる。台の基本形状を示すパラメーターである。この値はノーマルヒルではだいたい0.550、ラージヒルでは0.575、フライングヒルでは0.600ぐらいである。つまり、基本的に台が大きくなるほど落下型になるということである。飛んでいる時間が長くなればそのぶん重力加速度で下に落ちるのだから、大きな台ほど高さが必要になるのは当然といえる。

α
飛び出しカンテにおける角度。通常、10°と11°の間である。誤解している人が多いのだが、カンテは下向きであり、上向きではない。この角度は飛び出した後の飛行曲線およびジャンパーの感覚に大きな影響を与えるため、特にジャンパーにとっては重要なパラメーターである。αはラージヒルでは11°が基本で、これがそれ以下のジャンプ台(カンテが少し水平に近い)では飛行曲線に上向きの修正が入る感じとなる。

βとβL
ランディングバーンの、K点とL点における角度。βはだいたい32°から38°ぐらいの間で、βLはそれより2~3°少ない。この角度が少ない方がランディングバーンの勾配が緩い、つまりフラットということになる。おそらく、ジャンパーにとっての台の性質を決定づける重要なパラメーターである。感覚的にはh/nよりも結果に与える影響力が大きい。最近、FISはβを小さくしようとしているように思う(理由は後述)。また、βとβLの差が大きい台はL付近で急激に平らになる、つまり飛距離がヒルサイズに近くなるとランディングが難しい台ということになる。

Vo
最高の能力を持つ仮想ジャンパーが、理論上K点に到達するのに必要な飛び出し速度を秒速で示す。ラージヒルではだいたい、秒速26m付近(時速換算では93.6Km)となっている。しかし、現在のワールドカップの試合における実際の飛び出し速度はその値よりもかなり低いものになっている。これは、現在の世界レベルのジャンパーたちの能力が、2006年の測定に基づいて設定された仮想ジャンパーの能力を大幅に上回っていることを示している。この値が小さい台は低速台、大きな台は高速台となる。

これらのパラメーターの違いが台の形状の違いとなる。基本、HSとαが同じとき、h/nやβが小さいほど台はフラットであり、逆にh/nとβが大きいほど台は高さと勾配のある落下型である。フラットな方が遠くに飛ぶにはスピードが必要になるから、結果的にVoが大きくなる。逆に落下型だとスピードがなくても落下による距離が出るので、Voが小さくなる。つまり、実はVoを見るだけで台の性格がわかるということになる。?マークがいっぱい浮かんだかもしれない。これについては後で具体的に触れることにする。

現在の標準的なラージヒルのパラメーターはこんな感じだと思う。

HS(m) h/n β/βL(°) α(°) Vo(m/s)
標準LH 137 0.575 34.0/31.3 11.0 26.40

実はこのパラメーターは今年FISから発行された、大倉山の冬限定Certificateに書かれているものそのものである。雪が豊富な札幌は、標準仕様を雪で作ってしまえるのだろう。最近更新された台は全てこの標準に近いパラメーターを持っている。FISは仕事をしているということだが、標準化をやりすぎると台のバラエティを失わせることになるからほどほどにとも思う。話がそれてしまったが、とにかく、この例よりもh/nやβが小さい台はフラット、逆は落下型という風に判断できるということである。βの違いについては、後に出てくる図3を参照するとわかりやすいかもしれない。

スキージャンパーのタイプについて、に続く)

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April 11, 2017

スキージャンプ 台とジャンパーの相性についての考察 (1)はじめに

スキージャンプの試合の放送で、解説者が次のような発言をすることがある。

A)この台は大きさの割に飛び出し速度の遅い、いわゆるミニフライング台ですから、フライングに強い彼との相性はいいですね。
B)ここはラージヒルだけど比較的小さくてフラットですから、サッツで高く飛び出す彼には合ってますね。

これらは台の特徴とジャンパーの特徴の相関のことを言っている。A)はヴィリンゲンで葛西が飛ぶときに言われそうなことで、B)はラハティで竹内が飛ぶときに出てきそうな言葉である。

台とジャンパーの間に相性があり、それが勝負を左右することは確かだろう。その端的な例として、高さよりスピードを重視するフリーガータイプの選手は台が大きくなればなるほど成績が良くなり、逆に小さなジャンプ台では振るわないこと、がよく言われる。

でも、なぜそうなるのだろう?その因果関係を、もうちょっと突っ込んで解説してくれないかなぁ・・・といつも思っていた。

この疑問を持ったまま長くジャンプを観てきて、最近になってようやく、だいたいこんな感じというのがわかってきた。せっかくなのでまとめて書いておこうと思う。長くなってしまったので、ブログでは6回に分けてアップすることになると思う。

ジャンプ台の形と特徴とは? に続く)

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March 31, 2017

シーズン回顧 2016-2017 技術の水平移行と最適化の進んだ世界、その先に見えたもの

記憶が鮮明なうちに今シーズンを振り返ってしまうことにしよう。

実は・・・自分にとって、今季のスキージャンプにおけるもっとも大きな出来事は、ユーロスポーツの解説がスヴェン・ハンナバルトになったことであった(笑)。正直、初めは彼の解説でユーロスポーツ大丈夫かいな、と思った。彼は声が暗くて、噛んだり詰まることも多い。しかもネガティブだ。だが、(彼もこちらも)慣れてくると、根本的なところで彼は非常に饒舌で、サービス精神があり、しかも不器用なまでに正直だということが徐々に分かってきた。常にこっち側にいてくれる感じがして好感を持つようになっていった。解説者によくある、小器用にまとめるけれど内容のあることは何も言わないような感じ、が彼にはない。何か言いたいことがあると、次のジャンパーがスタートしていてもお構いなしで喋り続けてしまう。実況のマティアスは困っただろうが、視聴者にとって有用な示唆を含んだ言葉が、まとまらないんだけど、そういう時に飛び出してくるのだった。理解不能な造語、言い回しも出てきて(ドイツ語話者ではないこちらにとっては)本当に困るのだが・・・。是非、懲りずに来季も続けてほしいと願っている。

スヴェンがよく言う言葉に、「スキージャンプで最も大事なのは"Fluss"だ」というのがある。Flussとは水の流れを表す言葉で、「よどみのない川の流れのように」という意味だ。クラウチングから飛行体勢への移行をよどみなくスムースに行うことで、最大限の速度を「持っていく」ことが大事だ、と彼はことあるごとに言う。サッツ時に頭で考えたような動きをせず「簡単に」立ち、スキーと体を無理なく寄せて、移行動作が調整を行わなくても自動的に完結するのが理想のジャンプであり、どのような「意図的な操作」も”Fluss”を滞らせてスピードを失わせる、と力説するのだった。

だから、スヴェンはロスの少ない日本のジャンパーを高く評価する。特に葛西には同世代ということもあり最大限の賛辞を惜しまない。そして、もちろん、今季のクラフトに対しては信じられないほどのスピード効率だと繰り返し褒めていた。

今季はクラフトだけでなく、上位に入っている選手たちはみな“Fluss”のある、効率が高くロスの少ないジャンプをしていた。現在のレギュレーションではスーツの浮力が足りないため、高い空中技術を持つジャンパーでも基本的に「落ちて」いる。この設定では前に進むスピードの重要性がより高まり、上位に入るには「スピードロス・レス」サッツ技術が不可欠となった。一方で、FIS主導で各国の台のフラット化が進んできたことで「高さ」の重要性も増してきている。成績を挙げるには、高さを確保しながら速度を落とさずに飛び出す・・・これはスキージャンプにおける二律背反の命題だが、まさにそれを解決しなくてはならないのだった。

昨シーズンの回顧で「個々のジャンパーにおける最適化が進んだ」ことを書いたが、それは今季、速いスピードでさらに高度なところに進んでいったように思う。それぞれのジャンパーが自分の飛び方を確立するのは当然のことのようだった。その上で、ヴェリンガーやコットらを筆頭にサッツにおいて高さを重視してきた「ジャンパー」たちの前に進むスピードが大幅に良化した。一方でクラフト、ストッホ、アマンらスピード効率を追い求めてきたタイプは、必要な場合はサッツでしっかりと踏んで高さを獲得できるように「万能化」していった。安定した成績を出すには、高さとスピードの両方を合わせ持つジャンプができ、さらには台や条件に応じてサッツの方向性(”過激性=アグレッシブさ”と言うほうがしっくりくるのだが)を調節できる能力すら求められていたのであった。そうでなければ、表彰台はおろか15位ぐらいに入るのも難しかった。今季、ジャンプ週間以降においては、史上最高のとてつもなく高いスタンダードが求められていた。

そんな中で葛西のように「変わらない」ことを選択したり、ハイベックのように行き過ぎたスピード化を模索したりしたジャンパーは相対的に、ハマるジャンプ台でしか勝負に入れないという状況に陥っていたように思う。

高レベルの基本身体能力と技術の上に高い調整力を備え、万能化すること。言うは易しだが、行うのは至難である。タイトルを争ったクラフトとストッホはそれを高次元でやってのけていたのだった。ヴェリンガーやタンデはピーク・パフォーマンスにおいては彼らを凌駕してすらいたが、調整能力においては歯が立たなかったというのが、率直な評価となる。

この過程でマテリアルの最適化も進んだ。これは、感覚的なものでしかなく間違っているかもしれないが、独墺系のスーツが浮力を生むのではなく、空気抵抗を削いでスピードを上げる方向に大幅に進化したように見えた。このスーツが、ドイツ・ポーランドのパワージャンパーたちをフライングにおいて230mに到達させる原動力だったと見ている。日本やスロヴェニア勢はサッツでの効率は負けていないはずなのにジャンプ後半のスピードが足りない状況が散見された。昨季はあれだけ圧倒的だったピーター・プレウツのジャンプが、もう今季は「遅い」と感じることがあるなんて。信じがたいほどの急速な進歩だった。日本チームも最後の最後にはかなり追いついたようだが、これは日本が追いついたというよりも、世界選手権が終わって前が止まったという感じだと思う。

クラフトは大きな怪我などがなければ、今後長くトップを張ることになると思う。現状、まさに穴がない状況である。昨季のピーター・プレウツは「彼の方向性における最先端」の印象だったが、今年のクラフトはどのようなトレンド変化にも追従できそうな、高い技術ステージに入ったことを感じさせた。しかもオーストリアはチーム力が最高レベルにあるから、マテリアル面で足を引っ張られることも考えにくい。今季は完敗だったヴェリンガー、さてどうするだろう。彼だけはこのままの方向性で経験を積めばクラフトに勝てそうな気もする。もう一人、クラフトに挑戦できそうな存在は、親友のハイベックだと思う。今季の彼はかなり意図的に過激なジャンプ(スキーをネガティブ(下方向)に出すほどの)をしていた。この経験を踏まえて来季に向けて最適化してくるだろう。

ピーター・プレウツもこのまま引き下がるとは思えない。私には、今季の彼は先を見据えて飛び出しの方向性を変えようともがいていたように見えたのだ。明らかにサッツで高さを得ようとしていた。ただ、スロベニア風の深いクラウチングからしっかり踏むと、膝が戻って上に抜けてスピードをロスする・・・という悪い循環に陥っていた。万能化に向けたモードチェンジの過程だと思う。助走姿勢も含めて全てのパーツがピタリと新しいジャンプとして収まったとき、とてつもないパフォーマンスが出る気がする。

この高いレベルの中で、若い選手たちは苦しんでいた。今までのようにポッと出てきて活躍することは難しくなってきている。あふれる才能を持て余し気味のドメン・プレウツですら、ジャンプ週間以降はついていけなかった。普通の若手では、コンチネンタルカップから上がってきても2回目にすら進めないのは当然ともいえる状況だった。各国とも、若手にどうやって上での経験を積ませるか・・・が大きな課題となってきている。そんな中でポイントを獲得していたロシアのクリモフ、チェコのポラシェク、イタリアのインザム、アメリカのヴィックナー・・・彼らの才能は非常に高いレベルだと思う。このあたりの主流とは言えない国にもスターが生まれてほしいと願っている。特にチェコはポラシェク・ストゥルザ・ヴァンチュラの3人が、それぞれ違うタイプで高い才能があり未来は明るい。

日本は、選手自体に全く問題はなかったように思う。特に伊東大貴は技術的にもスピード的にもかなりクラフトに近いものを出せていた。差はほんの少しだった。その少しの差が地の利とマテリアルの差で拡大されて、あの順位差になってしまった。今季、上位は狭いパフォーマンス差の中でひしめいていて、少しでも弱い部分があると、すぐに勝負に入れなくなってしまう状況だったから・・・。極論すれば、もう、日本というジャンプ僻地から遠征している時点でチャンスがないことになってしまうくらいの厳しさだった。そんな状況でも最後は表彰台にまでたどり着いた葛西は凄いとしか言いようがない。プラニツァで得た手ごたえを信じ、来季の悲願達成に向け、彼はトレンドとは一線を画す次の一手を打ってくるような気がしてならない。とにかく来季はマテリアル面で大きく後手を踏むことのないよう、お願いしたい。マテリアルが互角ならば、地の利のあるピョンジャンでは勝負できるはずだ。長期的な観点での日本チームの大問題は、他チームと同じく、どうやって若手をワールドカップで修行させるかだと思う。この点においては小林陵侑をシーズンを通して帯同させたことを評価している。この得難い経験を糧にできるかどうかは彼次第だ。

手短にと思いながら、長くなってしまった。スキージャンプは競技として洗練されてきたと思う。来季は今季のクラフト・スタンダードの上にある「最適化の極致」において、さらに厳しい戦いが行われることになるだろう。今から楽しみである。

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March 26, 2017

クラフト、圧倒的なパフォーマンスでシーズンを締める プラニツァ

季節は完全に春。風も出たが、改修後のプラニツァは多少の風なら大丈夫だ。金曜のように追い風ならジャンパーが、土曜の団体のように向かい風ならフリーガーが光る。

が・・・一人だけ、完璧なハイブリッドがいた。クラフト。最高の速度を持ったまま、しかも高く飛び出すから、最後まで高くて落ちない。HSのところで何メートルも上にいる。ジャンパーの代表と言えるヴェリンガーはそこからスッと落ちる。フリーガーモードの葛西はそこでの高さに余裕がない。彼らのフライトが悪いのでは、全くない。彼らは彼らとして最高の、これ以上ないレベルの洗練されたフライトをしている。しかし、クラフトはそのふたつの方向性における最高を同時に実現している。信じられない。これと同じことを技術的にやろうとしているのは、ストッホとアイゼンビヒラーの2人だと思う。しかし・・・ストッホはほんの少し、クラフトに比べるとスピードが足りない(あれで足りないと言われるのは心外だろうが)。アイゼンビヒラーは、クラフトのように両方が完璧にうまくいくことは10回に1回ぐらいしかない(今日のはかなり理想に近かった)。

今日のファイナル一本勝負はクラフトの強さに完全に脱帽、それが今季であったと再確認するのに充分だった。ウィルス性腸炎さえなければ、ジャンプ週間も取って全てを手にしていたことだろう。

ヴェリンガーのフライトはジャンパー(空中での特別なフライト感覚を持たないもの)にとって、これ以上はありえないものだったと思う。本当に・・・今季後半は「相手が悪かった」の一言に尽きる。

今日の葛西のフライトは、彼としても満足のいくものだっただろう。「フリーガーモード」に入った葛西は、クラウチングを浅めにして飛び出しにおける動きを最小化し、最大限のスピードを維持して飛び出すという方向に特化していた。空中はブレーキに繋がる無駄な動きをせず、前傾も抑えて速度維持に専念。これらの洗練化により最後の伸びを実現する。しかもサッツにおいて腰の位置を維持したまま前にスッと出るから、高さを失うことはない。フライングにおける一つの理想形だった。ドメンよ、このフライトから学んでほしい。

ポーランドの国別対抗王者獲得は当然だと思う。今季はポーランドのシーズンだった。ストッホも例年ならば簡単にクリスタルトロフィーを取っていたであろう。シーズンを通して安定したパフォーマンスだった。潜在能力は明らかながら伸び悩んでいたジラ・コット・クバツキらのサッツにおける高さとスピードの両立を実現させた、ホルンガッヒャーの手腕はすごい。クバツキがビケルスンでヒルサイズを超えるなんて、昨シーズンであれば考えられないことだった。

長く、しかも無茶なスケジュールのシーズンだった。いちスキージャンプ・ファンとしても、選手に大きなアクシデントなく終わったことが嬉しい。非常に高いレベルの試合が続き、ほんのちょっとの失敗・コンディション悪化が成績を上下させるというプレッシャーの中を戦い抜いた選手達は消耗していることだと思う。ようやくたどり着いたオフシーズンを楽しんでください。素晴らしいシーズンをありがとうございました。

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March 19, 2017

苦い結末 RAWAIR ビケルスン

最後のヴェリンガーのフライトは、ほんの少し、サッツのタイミングが早かったかもしれないが「普通」の範囲内だと思う。しかし・・・飛び出した彼のスキーには、なんの支えも感じられなかったに違いない。ゲート8、97キロを下回る飛び出し速度で、飛び出したところの空気の支えがなければ、なすすべもなく落ちる。166m。彼が本来的フリーガータイプであればもう少しなんとかなったかもしれないが、すべて、タラれば、である。

微妙に、ヴィックナーの転倒がジュリーを怯えさせたことが、最後、ゲートを下げすぎるという判断に繋がったように思う。ゲート8であってもストッホは240近くまで行ったんだから、間違っていたとは一概には言えない。彼のフライトは勝ちに値する、素晴らしいものだった。ただ・・超低速がヴェリンガーのようなとんでもない、どうしようもないジャンプを生み出してしまうことを考えたとき、1回目ほどの風はない状況でゲートを安全のためだけに下げる・・・ことが正しかったかどうか。

クラフトの大失敗・・・こちらは人的要因も大きかったが、思いっきり行って、行き過ぎたところに空気の支えがまったくなかったからああなってしまったのであって・・・・。本当によく立て直してあそこまで行ったよ。運も良かったと思う。

RAWAIRの戦い全体を見渡した時、最終的にクラフト、ストッホ、ヴェリンガーの順になったこと自体には納得感があるのだけど、あまりにもショッキングな結末に、ヴェリンガーの運のなさを感じずにはいられなかった。これも、ジャンプ、なのだけど。

せっかくの葛西の自己記録更新&最年長表彰台記録更新を喜びたかったんだけどなぁ。困った。彼の2回目のフライトは本当にすごかった。決して良い条件じゃなく、しかもゲートは9。あの条件で記録更新とは恐れ入る。伊東に破られた日本記録、プラニツァですぐに取り返せそうである。

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