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January 01, 2019

小林陵侑は凄すぎる

陵侑は新春ジャンプも勝った。

今日のアイザイ(アイゼンビヒラー)は神懸っていて、しかもガルミッシュの風神は彼に肩入れしていた。
アイザイの一本目は年に何回かしかないような、完璧なジャンプだった。二本目は100%ではなかったが、普通だったら勝つのには充分なジャンプだった。風の条件も、二回とも、とても良かった。

小林陵侑がスタートゲートに座ると、くるりと風向きが変わった。二回とも。
それでも、彼は素晴らしいジャンプを出して、自分の力だけで勝ち切ってしまった。ガルミッシュの台はオーベルストドルフに比べてウィンドファクターの効きが弱いと思う。ここで、条件に差がありながら勝つのは容易ではない。

オーベルストドルフのときも感じたけど、小林陵侑は並みのアスリートではない。彼がラッキーなしで勝負に勝てるのは、力が頭一つ抜けているのに加えて、その自分の競技力をここぞというときに発揮できるから。この感じは船木に近い。

次はベルクイーゼル。天気は大丈夫そう。勝負はランディングが鍵で、飛びすぎによる怪我だけが心配。


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Comments

御無沙汰しておりますが、本年もよろしくお願いいたします。

皆さんおっしゃっていますが、小林陵侑の勝ちぶりが現実の出来事だとなかなか受け止められませんでしたが、この2試合でようやく、ああいまこの瞬間、こんなジャンパーが日本に存在してるんだなあ、と受け止められるようになってきた気がしますw。

自分が見た中で、パフォーマンスの絶対値において最高だった日本人は97-98の原田と11-12の伊東かな、と思いますが、彼らですら、風運、試合運営のあや、時代の制約といったものを超えて勝つことは困難でした。いまの陵侑は、そうした不利すら易々と乗り越えられるくらい能力が突出している上に、それを自分でわかっているからいつでも "勝てるように飛べる" 感じですよね。

どこのチームも今まさに陵侑のノウハウの解析に全力を挙げているでしょうし、ガルミッシュでの日本チーム全体の好成績や、コウデルカ、クリモフ、パイアー、ゾグラフスキあたり中堅〜マイナー国のジャンパーが比較的活躍できているのを見ても、オリンピックシーズンが終わって列強はマテリアル面の競争を一旦緩めているのかな、という印象も受けます。いつまでもこのままとはいかないでしょうが、今シーズンはどこまで行けるのか、行ってしまうのか、本当に楽しみですね。

Posted by: まちびと | January 02, 2019 at 02:03 PM

こちらこそ、よろしくお願いします。
そうですね、特にルカでの圧勝劇は現実離れしたものでしたね。あれが本当だとすればとんでもないことになる、という・・・。でも、後でいろいろ考えてみても、明らかに突出した力を持っていなければあり得ないことが起こったことは間違いなくて。

小林陵侑は特別なことをしていると思われますか?ノウハウがあるのなら研究で追いつけるのですが、彼はフィジカルが単に優れているという感じがします。技術的に完成するとこうなりました、という・・・・。メンタル的にも、おっとりした部分と自分を客観的に見られる部分を併せ持つという、アスリートに必要な特徴を兼ね備えているように見受けられます。

おっしゃる通り、今季は4年サイクルではオフシーズンでルール変更のタイミングだったので、マテリアルなどの差がつきにくいという面はありそうですね。ということは、このまま、15/16のピーター・プレウツ状態になるという可能性もかなり高いと思っています。フライングも間違いなく飛べそうですし。怪我だけはしないで欲しいと心から願っています。

Posted by: かずやん | January 02, 2019 at 08:09 PM

丁寧なご返答ありがとうございます。
小林陵侑の技術については、自分で見て何がわかるというわけではないのですが、チームメイトの伊藤有希が、陵侑のジャンプについて聞かれて ”何をやっているのかよくわからない” と答えたのが気になっています。
もちろん、おっしゃる通りに、何か特別なことをしているわけではなく、純粋に能力が飛び抜けているからこそそういう言い方をされる、というのも大いにあり得ることですが、あるいは、チームメイトですら、何かが他のジャンパーとは違うのだが、具体的に何が違っているのかはまだ把握できていないような新しいノウハウがあるのかもしれない、と思った次第です。

インスブルックの、特に一本目のジャンプを見ると、完璧に見えたクラフトの飛行に対して、飛び出した瞬間の高さと終盤の伸びの両方が一段違う感じがします。終盤の伸びのあるなしはマテリアルの影響があるとしても、踏み切りの違いがマテリアルだけで説明できるとは思えません。ちょうどマリシュが勝ち出す時のように、どちらかというと前に出る技術を競う傾向にあった昨シーズンとは異なる、新しい方法論の踏み切り方を陵侑がいちはやく確立した結果が、今の結果をもたらしたのではないか、と想像しています。

陵侑本人がインタビューでよく言っているのは、夏の間にアプローチを全面的に改良した、とくに重心を低くした、ということですが、かずやんさんが以前おっしゃったように、重心を低くすればするほど踏み切りでの立ち上がりが困難になるはずです。アプローチ姿勢から踏み切りへのつなげ方に何か秘密があるのではないか……というようなことを妄想していたら、トニ・インナウアーが陵侑の踏み切りを解説してくれている、という話を耳にしましたが、まだ映像は見ておりませんw。日本にいると、なかなか踏み切りのタイミングや姿勢について具体的に踏み込んだ解説にはお目にかかれないので、隔靴掻痒の感はあります。

Posted by: まちびと | January 06, 2019 at 06:12 AM

まちびとさん、素晴らしい解説、ありがとうございます。
トニ・インナウアーはZDFの解説ですね。自分はユーロスポーツの方ばかり見ているのでそのことは知らなかったです。おそらくこれじゃないかと思います
https://www.youtube.com/watch?v=YdCQunElnv4
ただ、この抜粋ではタイミングの事を言っているに過ぎないですね。

低い重心から、まっすぐスピードをロスせず、でもしっかり踏む・・・おそらくみんなそういうサッツを目指しているはず・・・でも陵侑のようにそれが両立することってすごいことなんでしょう。普通はあの速さを実現するには、重心を高く保つか(葛西や岡部のように)、飛び出しで上体を低いまま行く(ノルウェーのフリーガー的)必要があり、高さは犠牲になるはずなんですが。陵侑は膝が常人と違うのではないかと思っています。

ジャンパーもしくは元ジャンパーがそのあたりの感覚を普通の人にもわかる言葉に直して解説をしてくれないかなぁ・・と思います。ユーロスポーツのスヴェン・ハンナバルトはそうしようとしてくれるのですが、こっちが理解できない・・・おそらく、長嶋さんの解説を外国人が聞くようなものらしくて。彼は今回の陵侑についてはまだ理解できていないようです。今日のジャンプも流れの優れたジャンプではなくスピードをロスしているはずなのにと驚くばかりでした。

Posted by: かずやん | January 06, 2019 at 09:45 PM

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