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April 16, 2017

スキージャンプ、台とジャンパーの相性についての考察 (6)ピョンチャンの台はどうなのか?

最後に、ピョンチャンの新しいラージヒルのパラメーターを読んで、オリンピックの行方を占ってみよう。

HS(m) h/n β/βL(°) α(°) Vo(m/s)
ピョンチャン 140 0.576 35.0/32.0 11.0 25.50

この台は新型の台としては異例なほど落下型の台であるといえる。h/nは標準的だが、βの35.0°は新しい台としては例外的に大きい値だ。結果としてVoはHS140の台としてはかなり低い25.50m/sである。つまり、フリーガータイプのジャンパー、そして葛西にとっては基本的に有利な台である。

ただ、ここは風、特に横風の強い台でもある。先にも述べたように、低速台は風が吹くと不安定な試合になることが多い。つまり、風次第、運次第の結果になる可能性も大きい。公平な試合になってくれることを望みたい。そうであれば、日本選手にはメダルのチャンスが大きい台だといえるだろう。

もう一つの懸念は、この台のCertificateは今季終了をもって失効しており、「認証を有効にするためには、審査レポートに記されている(問題)点を観察・改善されなければならない」と記されていることだ。つまり、このパラメーターはオリンピック本番では変わっているかもしれないのである。FISは風対策とともにβの減少(フラット化)を求めたのではないかと推察している。非常に感覚的なものでしかないが、現在のジャンプのトレンドにおいて、風に強い公平な試合のできる台はh/nがほどほどに大きく、βは小さめなように思うからだ。もしピョンチャンの台のβがソチのように33.5°あたりまでフラット化するようなことがあると、日本選手には厳しいものとなりそうだ。来季、更新されたCertificateが手に入った時に再度検証することにしよう。

おわりに

私の筆力の足りなさのせいもあり、要点にたどり着くのに多大な字数を要してしまった。しかし書いてみてよくわかったが、この因果関係を一言で説明することは到底不可能だと思う。だから、このあたりのことをテレビや記事で深く掘り下げて解説することができないのだろう。自分にとっては、書くことで考えを整理するという側面が大きかった。もし、この考察が少しでもスキージャンプを観る人の参考となり、その楽しみが増えることがあればいいと思う。

ここに書いたことはいちファンの個人的見解でしかありません。辻褄はあっていると思っているだけで、実測データ等には全く基づいていません。なので、こういう見かたもあるという風に捉えていただけるとありがたく思っています。そして、もし、専門的知識のある方がこの考察をご覧になるようなことがあり、間違い・勘違い等に気づかれましたら指導していただけると嬉しく思います。理解が深まれば深まるほど、よりジャンパーの心情に迫ることができ面白くなるのがスキージャンプというスポーツだと思っているからです。

このような長文に最後までお付き合いくださってありがとうございました。

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