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March 04, 2017

ポーランド、悲願達成 ラハティ世界選手権 団体

1回目は風の状況が比較的良かった。しかし、2回目に入ってからはラハティ特有の、意地悪な後ろ横風が吹き始めてしまった。一定ならいいんだけど、強さ・方向ともに刻々と変化し、防風ネットの影響と思われる渦状のエアポケットが出現するような、選手泣かせの状況となった。

調子のいいジャンパーなら、悪い状況でも悪いなりになんとかする、とは言える。ただ・・・悪い条件の下では、ほんのちょっとした失敗、相性の悪さ等が、運のめぐり合わせという、やるせないパラメーターで何倍にも増幅されることになる。

今回、そういう悪いめぐり合わせに当たってしまったのは、ドイツのライエだった。彼の2回目は確かに失敗気味のジャンプだった。ただ・・・あれ一発で取り返しのつかない差がついてしまったのは、本当にかわいそう。あの条件でウィンドファクターがほとんどつかないなんて、あんまりである。ドイツはアイゼンビヒラー、フライタークの2人が台に合わせることに成功して奮闘したのだが、結局メダルに届かなかった。

ポーランドの強さは、事前の予想以上だった。名実ともに、これでポーランドはジャンプ強国となった。コーチになったホルンガッヒャーは素晴らしいものをチームにもたらしたと思うが、なによりもその刺激に応えるだけの積み重ねがチームにあったということだろう。彼がしたことは、最後のブーストボタンを押すという、簡単だが難しい仕事だった。

オーストリアはしっかり8本揃えた。クラフトの2本は凄かったが、それだけでドイツに競り勝てるほど甘い勝負じゃなかった。横風に耐えたフェットナーの2本目は、飛距離こそ120mそこそこだけど、実はすごいジャンプだった。ノルウェーは追い風に弱いファンネメルの2本目の失速をみんなでカバーして堂々の銀。フォアファングが戻ってきて、ファンネメル・ステヤネンのフリーガーコンビも好調。今後の地元開催、フライングシリーズで怒涛の巻き返しがありそうだ。

フィンランドの6位はこれ以上は望めない、素晴らしい成績だろう。これでアンドレアス・ミッターは仕事がやりやすくなる。ジャンパーたちのサッツにオーストリア技術が注入されていることが明らかだった。アホネンすら変わっていた。少なくとも、反転攻勢の始まりを、期待を、みんなの心に植え付けることができただろう。実は、ミッターの成し遂げたことは、ホルンガッヒャーよりも大きいんじゃないだろうか。

日本の7位はもう、仕方がないというか・・・今回は本当にみんな、特に葛西の風の巡りが悪すぎた。とはいえ、上位4国との差はどうしようもないほど広がってしまっている。選手の出来不出来の問題ではないだけに、状況は深刻である・・・。

来週からはシーズン終了に向けて怒涛の連戦。FISも無茶な日程を組んだものである。ヨーロッパの天候が不穏なのも心配。みんな怪我のないように祈るしかない。


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Comments

お疲れ様です。ドイツ vs オーストリア、選手の調子そのものはドイツの方が良かったように思いますが、ライエ・ヴェリンガーとフェットナー・シュレリーの経験値の差が最後に出た感じになりましたね。(「自分が持ちこたえればクラフトが必ず逆転してくれる」という安心感も大きかったでしょうが……。)
2回目は、どこも四人のうち誰かは必ず風に引っかかって、全員が耐えるジャンプを出来るチームだけが生き残れるという感じで、個別には不条理が多々あるにも関わらず結果には納得感があって、あらためて団体戦という競技は良く出来ているなあ、と思いました。

葛西、デコム=セヴォア、プレウツ兄弟等々、フラットな飛び方で結果を出していた選手が突然 "単に低いだけ" のジャンプを連発してしまう現象が多発するのは何故なのか……。今大会を通じて、あれだけ何度も厳しい風を受けながら一度も失敗らしい失敗がなかった伊東と竹内のサッツ技術は非常に高いレベルにあると思うのですが、彼らの飛行がズィワやアイゼンビヒラーのようにならずに後半パタンと落ちていくのは何故なのか……。
小さい台と渋い条件のおかげで各チーム、各選手の技術がクリアに見えるという点でも、(日本の心配を除けば……)面白い試合でしたね。

Posted by: まちびと | March 05, 2017 at 08:46 AM

どうもです。
すべて面白い試合でした。風がちょうどいいぐらいのスパイス感をもたらしていました。最後の試合も結果としては納得のできるものでしたね、同感です。もしかしたらドイツがメダルを逃すんじゃないかという予感はありましたし。

自分としては、今回ほど、この台がフラットであることを感じたことはなかったです。しかもカンテが10.5度と立っていることで、スコーンと前に抜けず、ちょっとでも上に出ちゃうと失速する(あのライエの失敗ジャンプはそういうのでした)。そうならないようにするには、サッツを短い時間でパン!と立たなくてはならないのだけど、一方でフラットな台なので基本的な高さが必要です。速いサッツで上にゲインを得るには速筋と硬い膝が必要となり、結果として日本人には難しい台だと思いました。その点、竹内は日本人離れした速い立ち上がりができるジャンパーなので、フィットしていたと思います。一方で、葛西やプレウツ兄弟、テペシュらは本当に苦労していましたね。単にサッツが速いだけではダメという状況でした。

このあたりのことは、かなりの部分、新しくユーロスポーツの解説となったスヴェン・ハンナバルトの受け売りです。彼の与えてくれる断片的情報を繋ぎ合わせることで、ジャンプの理解が飛躍的に深くなっています。

クラフトは方向性・スピード重視のジャンプだけでなく、ああいう上へのゲインを意識したジャンプもできるんですねぇ。(マリシュ・アマンらと比肩できるような)一つ上のステージに入った気がします。

アイゼンビヒラーがハマったときのジャンプは凄かったですね。でも・・・私にも彼と伊東大貴との差がわからないんです。今回、伊東はスキーに良く乗れていて、本当にいいサッツをしていたと思います。しかしなぜ、この両者の間に、ジャンプ後半のスピードにあれほどの違いが出る?伊東がアイゼンビヒラーに空中技術で劣っているはずはありません。だから私には、スーツの差としか思えないんです。

最後のフライングでも同じようになるかどうか、注目しています。

Posted by: かずやん | March 05, 2017 at 12:15 PM

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