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March 12, 2017

オスロ

土曜の団体、日曜の個人ともに、風がくるくる回る戦いだった。渋いゲート設定で飛び出し速度が抑えられた状況では、中間付近の風が追うと「ひゅううぅ」と落ちてチャンスがない。どこで風をもらったかが重要なので、ウインドファクターでは条件の良し悪しがわからない。そんな設定でも、トップジャンパーは向かい風をもらうとヒルサイズを大きく超えられるから、ジュリーも苦しい。またこの台はK点以降に下降気流が出るらしく、みんなランディングでストンと落ちてつんのめっていた。台の形(周辺の造形も含めて)に問題があるような気がする。

一方、日本のジャンパーにとっては、この台は大倉山に近いのでラハティよりは攻略しやすかったと思う。伊東の4位は嬉しいが、条件が整ってようやく彼のクオリティが成績に繋がったということで驚きはない。アイゼンビヒラーが2回目に、5回に1回しか出ないレベルのジャンプを出さなければ表彰台だった。

(追記 台のパラメーターを見る限りにおいては、この新しいホルメンコーレンのLHはフラットなつくりで大倉山とは似ていないことが判明したため、上記発言は撤回します。このシビアな台での好成績は、伊東大貴にとって自信となるはずです。)

今回、日本が相対的に好成績だったこと(端的なのは、伊東とアイゼンビヒラーのパフォーマンスが今回はほぼ同じだったこと)は台との相性だけでは説明できそうにない。金曜の予選でスーツのチェックが厳しく行われて多くのジャンパーが失格になったことに「訝しさ」を感じているのだが、あまり深く考えないことにしよう。日本チームの努力が実を結んできたと考える方がいい。

個人戦はまたクラフト対ヴェリンガーだったが、クラフトがどうしようもなく強くてヴェリンガーがかわいそうになってきた。とうとう、ユーロスポーツの実況でクラフトはロボット、機械と呼ばれるようになってきた。この呼称は非常に良い意味で使われていて、機械のように正確に飛ぶことを言い表している。マリシュ、シュレリーがものすごく強かった頃、そう呼ばれていたことを思い出す。昨シーズン後半のピータープレウツもそうだった。そういえば日本人でそう言われたのは船木、そして今の高梨で、原田・葛西はいくらすごいジャンプを出してもそうは言われなかった。また、何故かアマンは魔法使い、ハリーポッター、だった。機械と言われるためには技術が安定しパフォーマンスレベルが高い状態が長く続くことが重要らしい。

伝統のホルメンコーレンなのに、そしてあれだけ大量のポーランド応援団がいるのに、スタンドに白い場所が目立った。ノルウェーのジャンプ熱低下を物語っていて、それがRAWAIR Norwayシリーズ創設の動機となっている。このシリーズではジャンプ週間を超える6試合のジャンプ総合得点(RAWAIRポイント)で10万ユーロの賞金が争われる。ただ、予選や団体のジャンプも全部RAWAIRポイントに加算されるというのはちょっと行き過ぎだと思うなぁ。最後の方は差がつきすぎて白けたり、トップレベルの人が予選で叩き落されたり、団体で他人の不運(転倒など)で2回目に進めなかったりしたら・・・・と思うと、それはそれで緊張感があるのだが、自分でコントロールできない要素が多いスキージャンプ競技では不条理感が出る可能性がある。いや、もしかしたら全部入れることで逆に運不運が均されるという考え方もできるのかな。予選も入れるということは、個人戦4試合の8本、その予選4本、団体戦2試合の4本、合計16本(うち5本がフライング)が合計されるのか。やっぱり団体戦のポイントは個人とは別にするべきじゃないかなぁ・・・。それか、団体16本プラス、各個人戦の上位4人のポイントで国別対抗RAWAIRポイントにするとか。まぁ、とにかく新しい意欲的な試みなので、成功してほしいと思う。場合によっては来年はないかもしれないそうだ。

ただ、選手にとって10日で6試合は厳しい。RAWAIRポイントがあるので予選免除組も休めない。スヴェン・ハンナバルトによれば、毎日試合がある状況では体重の維持、筋力の維持に問題が生じる可能性があるとのことだ。その上で最後はモンスターフライングのビケルスン。選手が無事であることを祈る。

女子はここで最終戦を迎え、伊藤の完勝だった。ピーク・パフォーマンスでは彼女がトップにあることが再度証明された。そして、高梨のクリスタルトロフィー獲得は最強の証。国別も当然のように圧勝。素直に嬉しい。

別競技だが、複合の渡部暁斗には驚かされる。ジャンプでビハインドがあるはずなのに、距離で勝っている。ということは、ジャンプでのマテリアル・ビハインドが少なくなったときに連勝し始める可能性がある。

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