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September 06, 2015

TIDALの悩ましい立ち位置

Apple Musicを使って音楽を聴くようになって1ヶ月以上経った。ようやく、それがどういうことなのかがわかってきたと思う。音そのものに関しては、出先でApple Musicで聞いていたものと同じ、いい演奏と録音が両立している楽曲を、帰ってすぐにメインシステムで聴いたとき(これはApple Musicには酷なテストだ)、クオリティでは同一の立ち位置では比較できない差があることに愕然とする。特に、音の肌触りと場の深さに大きな差が・・・。

ただ、この比較は意味が無い。出先で一息つくときの、テイクアウトのコーヒーがものすごくおいしい場合だってある。自宅で豆を挽いてじっくりと淹れたコーヒーがどこでも飲めればそれに越したことはないが、それは不可能だ。逆に、家でテイクアウトのコーヒーを飲むことはありえない。これと同じで、出先で聴くApple Musicとメインシステムで聴く音楽はまったく立ち位置が違い、ある意味、競合しない存在なのである。

ただ・・・この状況はLibratone Zippを導入したことで少し変わった。メインシステムの音楽は「ながら聞き」ができないし、ヘッドホンを家ではつけたくない。そこで、Apple Music用にAirPlayで鳴らせる、簡単で、持ち運び可能なスピーカーを探し、Libratone Zippに決めた。

いくつか制約はあるけど、Libratone Zippには満足している。使い勝手の面では、Wifiの電波が強くない状況での接続性とか、電池の持ちとか、弱点はある。けど、音に関しては本当にびっくりするぐらい真っ当。この大きさでも置き場所をちゃんとすれば低音がマトモに出るし、バランス良く鳴る(厳密に言えば最低域が少しだけ遅いとか、垂直方向の角度によっては音程感に違和感が出ることがあるけど、それはArkadiaに比較してのことだから・・・)。ステレオイメージやスケール感が必要な大編成オケとかを鳴らさない限りは、これでまあ、いいという感覚で鳴る。

が・・・このLibratone Zippで聴くAppleMusicは、まさに「コンビニのコーヒーサーバーが家にある」という状況である。これを聴いていると、メインを鳴らさなくて済んでしまうことが、まま、ある。

しかし、それではすぐにクオリティ的な不満足感が出てきてしまうのも事実。便利さと、クオリティの両立はできないものか・・・ということで今度はTIDALに手を出してしまったのであった。TIDALはロスレスで音楽を配信するサービスで、値段はApple Musicの2倍。ライブラリの大きさはほぼ同じで、チェックした限りでは、品揃えは多少異なるがあまり大差ない。タワレコとHMVの違いのようなもの。1ヶ月は無料で試用できるので試すことにした。

で・・・正直、びっくりした。これは凄い。プレーヤーのソフトもいいのかもしれないけど、本当に音のクオリティが高い。Libratone Zippがそれをちゃんと受け止められることも凄いと思うけど、この音源ならメインに入れて挑戦してみる価値があると思った。まさに、巨大CDショップが手の中にある状態になる。もうすぐハイレゾも配信するという。

が・・うーーむ、これはまさにCDと競合する存在である。CDはモノとしての価値が高いわけじゃないから、もし音のクオリティが同じなら、太刀打ちのしようがない。

こうなってくると、TIDALの配信音楽が現状、少なくともDestinyで鳴らすCDとクオリティでガチンコ勝負できるのかどうか、メインのシステムで試したくなるのが、オーディオマニアの性である・・・。Apple Musicの時にはまったく考えなかったことだ。これはApple MusicとTIDALの立ち位置が違うということを意味している。TIDALはメインのシステムで聴く音楽と、Apple Musicの両方と競合する場所に立っている。

ただ、配信音楽を聴いていて決定的に不満に思うことが一つあって、それはライナー・ノートが無いと言う事だ。別に楽曲解説をしてくれる必要はない(それはネットでいくらでも検索できる・・・繫がっているハズだから)が、いつの、どういう状況での録音で、誰が演奏して誰が録音しているかぐらいの状況・・・・つまり「クレジット」が無いことが、ものすごく不満なのだ。クラシックの場合、ソリストがフィーチャーされたアルバムでは、オケが何なのかすらわからないことがある。これが解消されれば、CDを持つ必要は無くなり、TIDALだけでOKとなる可能性があるのだが・・・・うーむ、どうなのかな。本がそうだったけど、手に取る、触るという感覚が無くなってしまったとたん、「情報を消費する」という感覚になるような気もする。なんだか、SFに出てくる、サイバー空間へのアップロードや肉体のロボット化を拒否する「古い人間」みたいなことを言っているかな。

(追記)TIDALではアルバムの「Description」内にクレジット情報を見つけることができる「場合がある」ことにようやく気づいた。だが・・・とりあえずあるだけという状況に近く、見られることを意識しているようには思えない。ここにきちんと、ライナーノート的なものを入れてもらえるとありがたいのだが・・・・。音源を拠出しているレーベルの努力でなんとかなりそうなんだが、膨大な手作業が発生することは想像に難くない・・・。

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Comments

こんばんは。
TIDALで検索してたどりつきました。
TIDALでのライナー・ノーツの悩みは、ROONというソフトとTIDALを連携させれば解消できますよ。
たとえば、小生はヒラリー・ハーンのアルバムファイル(FLACファイルでリッピング)をNASに入れ、ROONで管理しています。すると、ROONはヒラリー・ハーンの略歴等の文字情報、それから私が持っていないがTIDALにあるヒラリー・ハーンのアルバム、演奏している曲について他の演奏者によるアルバムを表示してくれます。ライナー・ノーツと比較にならない豊富な情報が得られて、自分の興味を持っている分野のアルバムを芋づる式に次から次へと聴けますので、時間が足りなくなるのが困りものですが。

Posted by: あきら | January 07, 2017 at 10:24 AM

あ、もちろん、クレジット情報もとても詳細です。それから、持っているCDアルバムをリッピングしたファイルに関連するクレジット情報等も芋づる式に引っ張ってきてくれます。CDアルバムからリッピングソフトでリッピングしてくるよりも情報量が豊富で、正確なように思います。

Posted by: あきら | January 07, 2017 at 10:28 AM

あきらさん、情報ありがとうございます!
え・・っとものすごくタイミングがいいといいますか奇遇といいますか、実は年明けにUSB-DACをメインシステム導入し、Roonの登録をいたしまして、ただいま試用中です(^^;)。Roonがそのコストに見合うものを提供してくれるのかどうか、それを見極めようと・・・が、あきらさんのおっしゃるとおり、TIDALとの連携を考えるとRoonで行くしかないというのが、率直なところです。素晴らしいと思います。

Posted by: かずやん | January 08, 2017 at 11:04 AM

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