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May 04, 2015

デジタルファイルオーディオの妄想

とうとう風邪を引いた。クリスマス前ぐらいからずっと、仕事上倒れるわけには行かない状況が続いていて、最近はもう青息吐息だったが倒れることはなかった。先週になってようやく何とか目処がつくところまで漕ぎ着けたとたん、これだ。生命の神秘は研究室にあるのではなく、自分の中にあるということか。こうなったら体と精神をきちんと緩ませて、出るものは出そう。

というわけでオーディオは開店休業状態。妄想だけがどんどん膨らむ。2年半前にCreek Destiniy 2 CD player を買ったとき、今後5年はCDで行くという宣言をしたものの、世の中の流れはSACDとハイレゾに二極分化(SACDは日本だけだけど・・・)。ヨーロッパではCDの入手が困難になってきた。中古CDがもっと安くなっていくだろうと踏んだのだが、どうやらそれは間違いだったようだ。CDは純粋に経済上の区分けによってゴミと貴重盤に分けられ、ゴミとされたものは容赦なく捨てられているらしい。もちろん、その中にも素晴らしい音楽が入っているはずだが・・・。

そういうわけで、やっぱりそろそろちゃんとファイルオーディオを聞けるようにしないと・・・・少なくとも、食わず嫌いでいるわけには行かないだろう・・・と思い始めた。そこで、とりあえずEACでお気に入りのCDをリッピングし、foobar2000とiTunesに突っ込んだ。foobarのほうは44.1KHzのWAV、iTunesは320KのAACだ。Thinkpad X200の標準出力やiPad Air2のヘッドホン端子に無理は承知でAKG K601を突き刺して、聞いてみた。

これでええやん。
両方とも、そういう音がした。もちろん、全然オーディオ的じゃない。でも、別に音楽をサラサラと聞くのに困ることはまるでなかった。ちゃんとしているのだ。特にJ-POPなんかを聞くのであれば、こっちの方がいいぐらい。正直、びっくりだ。

うーむ。世の中でハイレゾと言って騒いでいることが、妙に嘘くさく思えてきた。世間で喧伝されていることは、すべて販売上のうたい文句なのではないか、と。解像度とか空間性とかは、フォーマットの器が大きくなれば良くなるのだろう。でもそれを音楽性を含めてバランスさせ、音楽を楽しむ上で意味のあるものにすることは並大抵のことじゃない。これは、ここから先は一気にジャンプしないと泥沼に嵌る、そういう直感がした。ちゃんとした受け皿がない状態でハイレゾ音源をダウンロードしても意味がないと思い、やめた。ふーん、こんなもんかで終わってしまうのがオチだ。DVDオーディオのときみたいに。

ハイレゾやDSD音源の真価をちゃんと判断するには、そろそろこちらから本格的に、能動的に行くべきなんだろうな、と思う。5年の縛りが明ける2年半後に「ファイル」に行くか「アナログ」に行くかを判断するときにいきなり始めても遅いだろう。

で、その手の機器についてちょっと調べ始めたんだが、難しい。何よりも、44.1KHz/16bitの音がどうなのかについての情報がまるでない。レビュー記事は一握りのハイレゾもしくはDSD音源を使った視聴によって書かれていることが多く、一番大事な音源に対するパフォーマンスに関してはほとんど触れられない。レビューアーたちがみんな、同一の音源を頼りにしているということ自体が、器の大きさをきちんと音楽性に昇華できているハイレゾ音源が少ないことを示しているように思った・・・。

もう一つの問題は、一体型(HDD・メモリ内臓タイプ)、USB-DAC型、ストリームプレーヤー型の3つの型があり、その中で据え置きかポータブルか、ヘッドホン出力重視かそうでないか、CDプレーヤーやアンプなどと一体かそうでないか、さらには、民生用かプロ機かという区分けまであって、千差万別なことだ。

まず最初にしなくてはならないのは、据え置きかポータブルかの選択だ。自分は外で音楽を聴くのは飛行機に乗ってノイズキャンセリングを使うときだけ。それにはiPod+Quiet comfort 20iで充分。だから、据え置き機器でいい。しかし・・・・どう考えてもこのジャンル、ポータブルの方がコストパフォーマンスが高い。一桁では済まない、マスの違いがある。しかも、ポータブル機器には消費電力が少なくバッテリー駆動であるという明確なアドバンテージまで存在する。しかも、実は自分は高品位のヘッドホン出力を欲しているのだった。今のプレーヤーとアンプにはヘッドホン出力がないからだ。しかし据え置き型の場合はヘッドホン出力の良否についての情報が少ない。一方で、できたらCDプレーヤーやイコライザーをつなぎたいので、SPDIFの入力が欲しいが、ポータブルだとそれがないことが多い。あと・・・いちおうDSD音源に対応して欲しいと思う・・・が、ものすごく感覚的なものなのだが、音楽的に真っ当なことを言ってきた欧州系メーカーがDSDに対応しない感じがするのは何故(LINNだけじゃないです)?単に遅れているだけとは思えない。

なんて考え出すと、いくら考えてもきりがない状態になる。まとめると、1)44.1KHzの音がきちんとこなれていて音楽的に真っ当である 2)ヘッドホン出力が高品位である 3)アンバランスの出力端子(可変である必要はない) この3つは必須。そして、4)できたらDSD対応 5)できたらSPDIFデジタル入力端子 となる。

あ、もう一つ切実なものがあった。6)できるかぎり安い。お試しに数千ユーロを投じるわけには行かない。できたら1000ユーロぐらいまで・・・。

で・・・結局1)とその他すべてを満たす機器で安価なもの・・・となるとかなり難しい。CHORD HugoTTがポーンと買えたら苦労はないのだが(汗)。一応、Marantz HD-DAC1、ifi micro iDSD, mytek digital stereo192-dsd dac、Hegel HD12が候補として上がってきたが、なんというかどれもハート直撃ではない感じ。感覚的にはHegelが一番いいと思うのだが、Hegelは回路が基本バランス出力だということが引っかかる。mytekはプロ機ということもあり接続性は一番だが、音が合うかどうかはちょっと不安だしこちらも基本バランス出力。Marantzは機能的にも値段的にもパーフェクトなんだけど・・・なんだかトキメカない(申し訳ない)。MarantzならSA8005にしてSACDも・・・なんて思っちゃったりもすること自体、不純だ。フォーマットの限界を試す、遊ぶという感覚ならmicro iDSDでいいんじゃないかと思う。安いし、ポータブルにも使えるし。


たかだか数万円のものでこんなに悩まなくちゃいけないのは情けないが、一方で悩むのを楽しんでいるのだったりする・・・・。熱でぼーっとする頭で考えることは、こういう楽しいことでないとね。一応、現状の要求を最小限満たし、今後の上澄みもある、そして妙なコーマーシャル性が小さい、メーカーの理念に賛同する、ということでmicro iDSDで遊ぶことにしようと思う。本格的な据え置きファイルプレーヤーは、この遊びの後、数年後の話だな。

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