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April 04, 2015

シーズン回顧2014-2015 史上最高の競技水準に達したスキージャンプ (2/3)

最終的に、ドイツチームが国別対抗と個人(フロイント)の2冠に輝いた。チームとしては13季ぶり、個人としては実に15期ぶりの戴冠であった。とはいえ、この結果には運が良かった部分もある。積年の苦労に神様がご褒美を与えてくれたという感じがする。国別対抗は4位までがほぼ横並びの実力だったし、個人もピークパフォーマンスでは上位3人に大きな差異はなかった。勝負どころから、フロイントの経験が生きた。まぁ、プレウツ、クラフトも近い将来、王者のクリスタルクーゲルを取るでしょう。今年はフロイントに華を持たせてやってくだされ。

結果は良かったドイツだが、全体として選手の状態が良かったとはお世辞にも言えない。フロイントと、今年躍進したアイゼンビヒラーはいいとして、その他のジャンパーが不安定だった。ヴェリンガーの怪我は不運だったが、期待したクラウスがバラバラだったし、ヴァンクは結局ワールドカップレベルに戻れなかった。そんな選手の状態でも国別で勝てたのだから、チーム力が素晴らしかったということだろう。来期はヴェリンガーも戻ってくるし、さらに期待できる。ただ、彼以外の若手、ライエやガイガー等にもう少し光るものがあればなぁ。既に技術がきちんとしているだけに逆に今後の上積みが・・・・。

ノルウェーとオーストリアは世代交代が順調に進んだ。ノルウェーはファンネメルだけじゃなくヴェルタもトップレベルに上がったし、もう一つ下の世代ではフォアファング、シェーン、ガグネス、(ダニエル)タンデといつでも2回目に進出できるレベルにいる。その下にも綺羅星のごとくタレントがいる感じ。バーダル(ともしかしたらヤコブセンも・・)が抜けても今後は明るい。オーストリアは主力だったモルギー、ロイツル、コッホが引退、コフラーとディートハートが最後まで安定しなかったにもかかわらず、国別対抗の得点は大きく落ちていない。これは凄いことだと思う。言うまでもなく、クラフトとハイベックの躍進によるものだ。彼らのパフォーマンスは昨シーズンに既に高いレベルにあったが、今年はそれを安定して出せるようになった。ポッピンガーも随所にその潜在能力をうかがわせるジャンプをしていた。ただノルウェーと違い選手層には多少不安がある。コンチなどの下のクラスで光る素材がいない感じがする。その点ではディートハートの復活が必要だ。

スロヴェニアは全体がレベルアップ。来季は間違いなく国別対抗で優勝を狙う年になるだろう。なにせワールドカップの椅子が全然足りない状態。ものすごく選手層が厚い。コンチで活躍するセメニッチ、ラニチェク、ズパニッチ、ユスティン、ラバが全然ワールドカップに出られないんだから。あとプレウツの弟ツェーネのポテンシャルは凄いと思う。もしかしたら兄以上になるかも・・・・。

日本はソチオリンピックで無理をした反動を懸念していたが、選手の状態を考えれば、全体として非常に良かったと思う。葛西は本当に凄かった。全体のレベルが上がっているのにそれに簡単についていった。これは、彼の能力にまだ余裕がある証拠。ちゅうか、その潜在能力をもっと早くにちゃんと全開できていたら・・・と思う。伊東、竹内は状態を考えれば仕方のない部分もある。彼らも来期はもっと勝負できるだろう。主力以外では小林と栃本のパワーアップには目を見張ったし、作山の技術も素晴らしかった。一方で今年の問題はレルヒ少佐・・・・彼は日本のコーデルカになれるはず。ガッツリ鍛えて、戻ってくることを切に願う。あと、、なんで海外コンチ派遣できないのかなぁ・・・佐藤幸椰、小林陵侑、伊藤将充らに経験を!タレントは充分にあると思うんだが。

オリンピックの反動がもっとも大きかったのはポーランドだろう。ストッホも今年は小休止といったところ。怪我もあったけど、ずっとアクセル全開では行けないのだから、ここらで一度緩める必要があったんだと思う。若手も伸び悩んだが、チーム全体に少し小休止感があったということなんじゃないかな。若手のタレントは充分にある。特にムランカは身体能力が凄く高いし、技術的にはストッホをコピーしつつある。あと数年でストッホを脅かすようになると思う。

チェコはコウデルカの復活によって助けられたが、チーム全体としては非常に苦しかったと思う。若手の伸びが止まって、ベテランのマトゥラとヤンダは全体のレベルアップについて行けない感じになった。しばらくはコウデルカ頼りの状況が続きそうだ。一方でスイスは若いジャンパーが着実にステップアップしている。デシュヴァンデンはトップ10にそろそろ入ってこれるのではないか。もしアマンが引退することになっても、何とかなりそうな雰囲気。フィンランドはアホネンが怪我や病気で結局シーズンのほとんどを棒に振ったのが誤算。メーテーは間違いなくタレントはあるが、安定せず。まだまだフィンエアー復活は遠い。ロシアは・・・ソチが終わって体制変更もあり、若手のタレントを充分に生かせず、ヴァシリエフの驚きのパフォがあった以外はほとんど存在感を出せなかった。もっとも不運が重なったのはアメリカ・・・・主力の2人を大怪我で欠くことになった。そうでなくても、カナダも含めて北米のジャンプは危機的な状況にあるのに。ジャンパー自身の才能はかなりあるのに、それを活かせる環境が整っていないように思う。カナダでは女子のプレトリウスが辞めたのにはちょっとびっくりしたけど、それがすべてを象徴しているのではないかなぁ。

(次は来季に向けて)

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