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March 15, 2015

強風のなかでの猛者たちの戦い 北欧シリーズ終了

春のような日差しと、肌を突き刺すような冷たい風。三寒四温の季節。寒暖の境目には風が吹く。クオピオ、トロンハイムも凄い風で、翻弄されたジャンパーも多かった。オスロはそれらよりはマシだったが、それは比較してのこと。風はクルクル回り、強弱もあり・・・ウインドファクターは効いていたが、市販の風邪薬程度の効き具合だった。本質的な改善ではなく、ほんの少しの慰め・・・。

それでも、その風はフロイント、クラフト、プレウツの熱い戦いを大きく妨げることはなかった。彼らのうちの2人が常に表彰台に立っていた。この不安定な条件では、3人と他にかなりの力差がないとこうはならない。

風ではなく、不運なマテリアルの不備がクラフトを大きく後退させることになるとは、誰が予想しただろう。しかしそれは不幸中の幸いともいえるものだった。トロンハイムの2回目、大きなリードを持ちラストジャンプに臨んだクラフトだったが、マキシマムを過ぎて飛行体制に移行したあたりで横風に叩かれ・・・ビンディングの後のクリップが外れた。もし、保険のためにつけていた紐が支えなかったら、危険な転倒事故になっていただろう。なんとか無事、転倒する事もなく降りることができたのは良かった。が、勝てるはずの勝負で9位にとどまったのは、総合争いにおいては本当に痛かった。

問題は、その1戦だけの話では済まなかったことだ。オスロでの彼のジャンプにはその影響が感じられた。ほんのかすかでも心のどこかにブレーキがあるだけで、あれだけサッツの思い切りが悪くなるのか・・・・完全な自信を持って飛んでいた、トロンハイムの時とは明らかに違っていた。ジャンプとはなんと繊細な競技なんだろう。

一方で、フロイントは自信満々の飛行を重ねた。単純に、強い。対するプレウツはすべてのジャンプでチャレンジし、リスクを犯してでも勝ちに行っていた。そして、よく成功していた。しかし、フロイントはそれをいとも簡単に上回ってしまう。差はいつも少しだけど、余裕度がまるで違う感じなのだ。フロイントは勝つのに必要なだけの力でクルーズをしている感じ・・・。

この戦いの中に、風の助けなく割り込むことができたのは、今日の葛西のみ。いやー、本当に凄いと思う。ジャンプ全体のバランスが良くなっていた。それは、ランディングが決まるようになったことからも伺える。ここにきて調子を戻すとは、恐れ入ります。この調子でプラニツァにフィットしたら・・・フロイントとガチンコ勝負も可能だろう。

ゲルベストリコーはとうとう、フロイントの手に渡ってしまった。後は彼が絶対的な自信を持つフライングのみ。何が起こるかわからないのがジャンプだが、総合優勝のクリスタルはもう既に彼の手にあると言っていいだろう。

一方で国別対抗のドイツ対ノルウェーは、まだわからない。クラフトの失速と、シュレリーがあまりにも風が不運だったこと(ジャンプ自体は凄く良くなってるのになぁ)でオーストリアの逆転の目は無くなった。今のドイツとノルウェーの差は300点近くあるが、プラニツァのフライングでのチーム戦-よほどのことが無い限りノルウェーが勝ち、しかも日本やスロベニアがドイツとの間に割って入りそう-を考えれば無いようなものである。ほとんど一人で戦うフロイントに、ノルウェーのフリーガー達が寄ってたかって立ち向かうという構図。ノルウェーはファンネメルが間に合うかどうか、そしてドイツはアイゼンビヒラーとノイマイヤーがどれぐらい稼げるか・・・去年と同じく、1点1点のポイントが勝負を分けるような戦いになりそうだ。そして、個人戦では葛西、伊東、プレウツ、テペシュ、クラフトがフロイントとノルウェー勢の間にどんなふうに割ってはいるかで、勝負が決まりそうな気配だ。葛西がノルウェーの総合優勝を決めるフライトを最後に飛ぶ、みたいなことにはなって欲しくないなぁ。

ところで日本チームはちゃんと4人でプラニツァに行ってくれるのだろうか。特に、栃本にあのモンスターを飛ばせてやって欲しいと願っている。今日のジャンプを見て、彼はプラニツァでは大きな戦力になると確信した。葛西、伊東、竹内との4人なら、ノルウェーを脅かすことができるんじゃないかな。

一つ心配なのはプラニツァの雪の状況だ。極北に位置するトロンハイムですら、周りにはほとんど雪が無かった。オスロでは雪の確保に苦心したそうである。間の悪いことに、来週はドイツでも15℃ぐらいになるとの予報が。もっと南のプラニツァでは20℃を超えるようなことにならないだろうか・・・・。

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Comments

かずやんさん、どうもです。

オーバーオールの行方、フロイントに落ち着きそうですね。しかし9勝していてまだ決まらないのも、今年らしいといいますか。

それにしても、択はどうなっちゃたんでしょうか。フライトが高すぎたのでしょうか。上位陣は台によってフライトの高さを調整しているのでしょうか。立てないとヴァシリエフと一緒ですが、せっかく距離は出ているのですから、何とかならないものかと。

プラニツァは、ジラ、竹内あたりが上位に食い込む期待をしています。当然葛西の勝ちに行くジャンプを見たいですが、この人、気合入りすぎると、、、ですので。最後楽しみます。

Posted by: こたろう | March 16, 2015 at 01:38 AM

どうもです。竹内ですが、サッツでガツンと当たるようになって、バーダル並みに高さが出ていますね。基本的には調子はいいと思いますが、その結果ちょっと方向性に問題が出ている感じがします。オスロは上では前からの横風で、下ではほとんど風が無い(たぶん、防風ネットやスタジアム形状による影響)ということが多く、しかもジャリジャリ雪ということで、高いところからエアポケットに吸い込まれるように降りるとかなりの衝撃なのだと思います。バーダルですらランディングに失敗していますから、特に竹内に問題があるのではないとみています。バランスの悪いジャンプではあの距離は出ないでしょう。葛西やフロイント等はフラットに飛ぶジャンパーなので、着地はずっと楽なはずです。

プラニツァがどのように改装されたのか、興味津々です。スーツが細くなってからはある程度高さが必要な台になっていたのですが、今年は少し違うかもしれません。高さとスピードを兼ね備えた竹内やジラはいい指標になりそうです。

Posted by: かずやん | March 16, 2015 at 08:49 PM

かずやんさん、竹内の件早速ありがとうございます。プラニツァでのパフォーマンス、期待でききそうですね。

後は仰る通り、気温が心配です。それにしても、どこまで距離がでるのか、楽しみです!

Posted by: こたろう | March 16, 2015 at 11:18 PM

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