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March 15, 2014

フリーガー純血種の絶滅 世界フライング選手権 ハラコフ

春のような陽気だったのが、一転して冷たい暴風がヨーロッパを通り過ぎていった。冬の、最後の反撃。改修されたハラコフのフライングの台は風には強いほうだと思うけど、秒速5メーターを越える横風であの高さを飛ぶのは無謀だ。ジュリーは最後まで粘ったが、結局土曜の3,4本目は中止となり、金曜の2本で決着となった。

日本人的には、葛西の1回目の風の条件が悪かったこと、そしてそれを挽回する機会が失われたことが非常に口惜しい。プレウツが2回目に失敗してこれでチャンスが生まれたと思ったのになぁ。まぁ、仕方がない。風には勝てない。

それにしても今回の結果がほぼ、その前の北欧のワールドカップと同じだったことが意味するものは・・・・極端にフラットに飛ぶ「フリーガー」という種別のジャンパーが、世界で一番落下型のハラコフのフライングにおいてもまったくアドバンテージを示せなかったという事実だった。もちろん、もっと向かい風があれば話は変わったと思う。上位ジャンパーの中ではもっともフリーガー的な飛び方をする葛西が、もう少しアドバンテージが出せる条件だったらなぁ・・・あぁ、タラレバばかりが口をついてしまう。

話を戻そう。2011年シーズンにBMIルールが厳しくなったことは事実上のスキーの長さ削減となった。そして昨シーズンから細くなったスーツにより、スーツの発生する浮力は大幅に少なくなった。この度重なる浮力の削減によって、いくらフラットに飛んでも、風の助けなしにランディングバーンの角度より浅い角度で飛ぶことは不可能になった。現在は、いかにマキシマムを高く、遠くに持っていくかの争いになっている。これはジャンプという競技において正しい方向への変化だ。でも、フリーガーにとっては致命的だった。

フリーガー純血種の絶滅。あの、彼らの、いったん沈んでから浮くようなフライトはもう見られない。明日、コッホは飛ぶ機会を与えられるのだろうか?ロマーレンやテペシュはどこに行くのだろう?クラニェッツや葛西のように方向性を微調整して勝負できる身体能力・技術があればやっていけるけど、そうでなければ、風頼みの他力本願ジャンパーになってしまう。

ノーマルも、ラージも、フライングも同じ結果になるのはちょっと面白くないなぁ・・・。フライングだけは台のプロフィールをフリーガー有利にできないかな。ランディングバーン37度とか。風吹いたら危ないだろうなぁ・・・。

(追記)
日曜、画面に映し出されたハラコフの状況を見て、なんだか変な笑いがこみ上げてきた。防風ネットも大ダメージ。なんでこーなるのッ、っていう欽ちゃんの声が聞こえる。いつも同じ時期に大会をやるわけでもないのにね。特別に天気が悪いところなのか、誰かとんでもなく嵐を呼ぶ男がいるか、そのどちらかに違いない。

(追記2)2011年のビケルスンでエーベンセンが世界記録を出した時に、こんなことを書いていた。やっぱり、この時のことがFISを今の方向に舵を切らせたのだと、改めて思う。

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Comments

フリーガー、絶滅・・・ フライングに魅力を感じていた理由の大部分が、フリーガーたちによる、どこまでもいってしまいそうな後半のフライトだったと、いまさらながら感じました。

改めて追記2の記事を拝見しました。あのエベンセンとシュレリーの異次元の対決が、良くも悪くも現在への転機の始まりだったというわけですね。かずやんさん、当時も本当に的確な分析をされていましたね。勉強になります。

Posted by: こたろう | March 17, 2014 at 10:30 AM

あのときは世界記録よりも、追い風で飛び出し99キロ台での240mのジャンプが驚異的だと思いました。
You Tubeで見られます(//www.youtube.com/watch?v=eAFV4yVypKo)
ダメだこりゃ、と誰もが思うと思う・・・・。いい向かい風とかで、ときたまこういうのが出るぐらいのバランスにならんものかと思うのですが。

Posted by: かずやん | March 17, 2014 at 08:37 PM

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