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June 09, 2013

球を替えてみた、今の時点での考察

真空管ワールドという異界に入っていくのだから、方向性が定まっていないと道に迷う危険がある。そこでよく現状を考察した上で、今、感じたり思ったりしたことをまとめておくことにした。おそらくベテランの人には「いまさら何を言っている」というようなことばかりだろうが。

Sovtek 6550WEに比べてSvetlana 6550C Winged Cは指で弾いたときの響きが大きい。この響きの差が音に現われていると思う。しかも、実はここにある4本のSvetlanaは響きがそれぞれに違う。またどのソケットに装着したかによって、その音が変わる-つまりソケットとの相性がある。ソケットへの装着の仕方によっても(グッとねじるかどうか、とか)でも多少差が出る。これだけのばらつきがあるなら、あと4本買って選別し、響きのマッチングを取りたいという欲求が日に日に高まっている。

一方、SvetlanaにはSovtekの標準管カルテットにあったような、温度変化に対する特性変化の個体差は感じられない=バイアス電圧表示のずれが生じない。そのため、バイアスを調整する頻度は激減した。つまり、特性のマッチングは良好という感触。また、通電によって真空管本体が鳴くという事は、今のところない。この2点については替えて正解だった。というか、それが目的だったのだから、とりあえず満足するべきだな。

それらのこととちょっと矛盾するようだが、音に関してはSvetlanaの方がバイアス電圧の変化に敏感だと気づいた。低めだと少し神経質な音になり、例えば弦の音がヒステリックになったり、ボーカルのサ行がきつくなる。おそらく歪みが出ている。高めだと力感はあるが大味でざっくりした感じで、中音域が強調された緊張感の高い音となる。この状態ではArkadiaとの相性が悪い。その間の非常に微妙な所にすべてがバランスする場所がある。この適正範囲が、Svetlanaではものすごく狭いようだ。Arkadiaもセンシティブな所があるスピーカーだから、相乗効果で非常に振れ幅が大きくなっている。

この適正なバイアス電圧はスピーカーや聴取音量が違えば、恐らく大きく変わる。巷でのV40SEの評価が「神経質」、「素晴らしい」、「大味」に極端に分かれているのは、もしかしたらバイアス電圧の微調整・追い込みがきちんとなされていないことが多いからなのかもしれない。それがわかっている人が鳴らした時と、そうでない人が鳴らした時の差が大きいのかも。このアンプは一聴では慣らしやすそうであるがゆえに(バイアスが多少ずれていても破綻はしない)、真価を見切ることが難しいのではないか。私も、正直まだまだ掴みきれていないのだなと思った。まだ半年の付き合いなのだから当然か。

それにしても、「あの音」はなんだったのか?という思いが頭の片隅に居座っている。朝のまどろみの中でうつらうつらと考えたが、真空管が一本飛ぶ前の音に受けた感銘は、その壊れかかった真空管の響きのせいだけではなく、バーンイン不足による何らかの歪みを好ましく思った可能性があるということに思い至った。また、その真空管が壊れそうで歪んでいたということも考えられる。それが本当なら、いくばくかの「歪み」は音楽的感動には重要だと言うことか?バーンインが進んでバイアスを完全に合わせた今の音は元のSovtek 6550WEの音と方向性の違いはあるし、帯域バランスも違うが、その違いはあの時のような質的なものではない。

待てよ・・・ということは、4本のうち2本だけをバイアス電圧を紙一重だけ低くしてかすかに歪ませたら・・・あの神の僥倖みたいな響きのバランスを意図的に作り出せるのかも・・・。

ちょっとやってみた。
これは可能性があると感じる。
人間の感覚の不思議、そして、オーディオって、わからん。だから面白い。
これが大いなる勘違いなら、それもよし。

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