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January 19, 2013

欠けているピース

とても実直な今のシステムはいろんなことを教えてくれる。再生音楽とはどういうものなのか、そして自分が何を音楽に求めているのか・・・・。そして、オーディオによる再生で音楽を心から楽しむことは、なかなかに難しいことなのだと言う。

今は、このシステムで馬脚を現さない、よくできたCDを小さめの適性音量で鳴らしたときにのみ、いい結果が得られるという状態である。

しかし、よく考えるとこれは正しい状態なのだ。CDの音楽はある一定の視聴者を想定して作られている。普通のシステムでバランスよく聴けるように、初めからイコライジング・コンプレッサーがかけてあるCDがほとんどだ。はなから聴かれる状況を想定していないような、自分勝手なCDも存在する。音場情報がちゃんと入っていない、音をある場所に貼り付けただけのCDも多い。うちの機器たちは、そういうCDはちゃんとそういう風に聞かせてくれる。製作者の意図がわかる、というよりは、製作者の感性のレベルをさらけ出してしまうといったほうがいい。これだったらモノーラルのほうがいい!と思う、不自然なイメージのCDが少なからずある。位相が狂っていて音がどっかに飛んでいってしまったり、不明瞭な巨大な楽器があらわれたりするものすらある。

そういう論外のCDは仕方ない。ただ、問題はグレーゾーンのCDだ。それらの中には音楽としてはちゃんと聴きたいものも多い。また録音の良いCDであっても、適正な帯域バランスになる音量がCDによってまちまちで、それが私の聴きたい音量と一致しないことがある。今は総じて、大きな音を出そうとすると緊張感が高くなりすぎる。Arkadiaのモニター調の帯域バランスのもと、この小さな部屋で音楽を聞けばそうなるのは当然の帰結とも思える。

そういうCDたちをもっと楽しく聴きたいというのが本音であり、今の不満。まぁ、要はもう少しバランスのフレキシビリティと感性の付加・・・少しの嘘が欲しいということだ。

方向性ははっきりしているので、部屋のアコースティックやケーブルを含めたセッティングの微調整は少しづつ行っていく。しかし、それはおそらく抜本的な変化はもたらさないとも思う。このスピーカーに適切な量のエアボリュームがない今、本当に必要なものは間違いなくトーンコントロールであり、イコライザーであると確信している。

だからDEQ2496をアナライザーとしてしか使っていないのはもったいない。だが、これをピュアオーディオのイコライザーとして使うにはデジタル領域での入出力が必須で、ちゃんとしたDACが別に必要となる。そして、せっかくのDestinyのDACは遊ぶことになる。そういうのはなんだかいやなんだな・・・・。

夢想していることがある。おそらく、プリアンプのデジタル化、DAC搭載は今後、トレンドとなる。また、プリアンプとネットワークオーディオプレーヤーの融合も普通になる。つまりリンのDSMのような感じは今後普通になっていく。一方で音響特性補正機能はAVアンプでは普通だし、DEQXやAPEQなどの本物のデジタルイコライザーもポツポツ出てきている。そして、これらのデジタル領域の機能は今の高性能なDSPならプログラム次第で全部可能なものだ。だから・・・・

プリアンプ+DAC+ネットワークオーディオプレーヤー+イコライザー=デジタルコントロールプリアンプ

そういうものが出てくるのは必然のように思える。それが欲しい。それこそが、今、欠けているピースだ。ネットワークオーディオは必須ではないが、まぁ、たぶんそれは普通にプリアンプの入力端子の一つになっていくだろう。実は現にAVアンプのプリ部は機能的にはそうなっている。それを2chに特化して、いらないデコーダーを除き、直感的に扱え、音の部分で感性の領域をちゃんと押さえたもの。ゴリゴリのデジタル機能を搭載しながら、それは隠し、アナログチックな操作感・フィーリングを実現したもの。

肝は、その機器の基本機能がプリアンプであることだ。可変出力があるDACやイコライザーではなく、アナログ出力の調整機能が基本機能であって、それに高品位のA/D-D/A変換とデジタル領域でのイコライザーが付いている製品。要は、デジタル機器出身ではなくアナログ機器出身で、アナログ的感性をちゃんと具現できるものかどうかが鍵なのだ。

今一番、その理想に近い存在はCHプレシジョンC1だろう。フル装備のC1がイコライザー機能を搭載したら、ほぼそのものずばりだ(値段だけは理想とは程遠いのが残念)。DG48やDEQXは機能的にはたぶん今のままでもOKなんだが、感性的にはちょっと違う感じ。

高級AVアンプを作れる日本のメーカーが本気になればたぶんすぐできると思う・・・・でもしないだろう。アキュフェーズ・エソテリックでは商品企画として成り立たないような気がする(自己競合するから)。CHプレシジョンのようなガレージメーカーでは高くなりすぎる。ドイツのメーカーが作るとたぶん、デジタルデジタルした、筐体にディスプレイはあってもスイッチやノブが一つも無いものになりそう(Audionetあたり?追記:ついでにサイトを見たらこんなものがありました。イメージ通り。)。イギリスのメーカー、例えばコードやネイムあたりがイコライザーに開眼してくれたら・・・・でもそれも無いだろうな・・・。

そう考えるとなかなか難しそうだ。誰か、そういうのを6桁の範囲で作ってくれんだろうか?ちょっと期待しているのはデジタルドメインなんだが、たぶん7桁にいっちゃうだろうな・・・それでは普通の人間には清水の舞台から飛び降りても買えん。あとは可能性としてはラックスかなぁ・・・・。

追記1.21
クラッセのCP-800は製品のコンセプトとしては凄く近い。だが・・・うーむ。Audionet DNPもそうなんだけど、あまりにデジタル寄りにとんがった感じで感覚が合わない。もっと、デジタル技術をさりげなく、意識させずに取り込めないものだろうか・・・・?それに6桁(ユーロで4桁)といっても、この値段じゃねぇ・・・はぁ。

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