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December 21, 2012

続 悩ましいオーディオ

クリスマスを控えて、街は慌しさを増してきた。この時期のノルトラインのどんよりとした空は憂鬱を誘う。その憂鬱を振り払うかのように、人々は努めて明るくしているように見える。

この時期には、ブラームスやドボルザークがいい。ベートーヴェンはちょっと苦しくなる。

ケーブルを変えてから3週間ほど経った。音は徐々に、徐々に良くなった。そしてまだ天井には到達していない。とりあえずは安心している。ただ、相変わらず真空管は安定していない。ちょっと真空管の当たりが悪かったのかも・・・・と思わなくもない。困ったことに4本のうち1本が微かにだけど鳴くことがある。凄く小さい音なのだが、高周波が含まれているのだろう、けっこう気になる。すこし触ると収まったりするから、微妙なところだ。再生音に影響があるのか・・・あるのかもしれないが、真空管の鳴いている音の直接的な影響の方が大きい気がする。管とソケットとの相性なんてのもあるかもしれないので、マッチドペア同士で入れ替えてみようか、いや、今ようやく馴染んできたのだから下手に動かしたくない・・・・と悩んでいる。

バイアス電圧は今のところ深めに設定している。その方が自分好みの音になるし、上記の鳴きも少ない。パワーは充分にあるから(今まで、10時よりも上にボリュームを上げたことがない)、真空管に無理をさせる必要はない。

いいときの音は本当に凄いと思う。モニター的なクオリティの高さは、現時点でもかなりのものだ。ただ、それが直接、良い音楽体験に繋がるかと言えばそうではない。そこが悩ましいところだ。オクターブ-ソニックスの組み合わせは、表面的には、正直で厳格な音だ。ソースの粗を包み隠さず出してしまう。録音にまったく問題がないCDが少ないことに気づかされてしまうのである・・・・。例えば、ボーカルものを聴くと、ときどき「マイクの音」、もっと言えば「ダイアフラムの鳴き」を感じてしまうことがある。これでは、唄に心が行かない。

その結果として、感動するCDとそうでないCDがはっきり分かれてしまうということになった。以前の愛聴盤が「そうでないCD」になってしまったりしている。今の状態では概して古いジャズ・ポップスや室内楽が良く(録音が単純)、オーケストラが上手く鳴らない(特にマイクの多い録音)。これが現時点での大きな悩みである。

機器の奥に秘められた音楽性をもっと引き出してやらなくてはならない。モニター的側面が前面に出てしまっているのは、質的な部分がまったく足りていないからだろう。今の方向性でクオリティーを高めていって、行き着くところまで行ってから、ある一部分を隠して音楽を楽しめるバランスに落とし込む。全部さらけ出す前に「上手く行ったように見える」状態になっても、それではこの機器たちで到達できる最高に到達したかどうかわからないと思うからだ。ちょっとの間苦しいが、気を長く持って機器との対話をしていくより他ない。ステサンで誰かがオクターブのフォノモジュールについて書いていたフレーズを思い出す。「冗談の通じないキマジメなドイツ男とサシで呑んでいる気分」・・・・まさに言いえて妙だ。確かあの記事でもドイツのスピーカーでニアフィールドだったな。そういう奴らと打ち解けるには、時間が必要なのだろう。

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