« 工事現場のワールドカップ ソチ | Main | 続 悩ましいオーディオ »

December 16, 2012

春が訪れたような空気の中で エンゲルベルク

土曜に外に出ると、もわっとした空気が渦巻いていてびっくりした。昨日までの寒さが嘘のようだ。まるで春一番が吹いた日のような、ざわざわとした空気感。これは今週のジャンプ大会は荒れるぞ、と思った。

しかし、エンゲルベルクはそのような不安定な空気の中でも、きちんした試合を提供した。いつもながらに感心する。世界でも1、2を争ういい台だと思う。風を防ぐ天然の防風林と、素直なプロファイル-おそらく昔はフラットすぎて難しいと言われたのだろうが、今やそれはトレンドにジャストフィットしている。コンディション・コンペンセーションルールとの相性もいい。ここで行われる研究データをもとにして、いろいろなルールが設定されているからだろうと、ひそかに思っている。こういう台が日本に作れないものだろうか。どこか盆地でもなく海沿いでもない風の安定した場所になだらかな天然斜面を探し、少し掘る感じで台を作る。雪は、気温さえ低ければ今や必須ではない。逆にあまり降らないぐらいの乾いた場所のほうがいい。

話がそれてしまった。とはいえ、ある程度風のスパイスの効いた試合ではあった。特に日曜、ヴェリンガーがヒルサイズを越えてゲートが下がったとたんに追い風が強くなり、最後の10人は厳しいジャンプを強いられた。

全体としてはオーストリア対ドイツの構図は変わらずだが、そこに殴りこんできたのはストッコだった。序盤、絶不調だったポーランドチームは主力をソチに送らず、ラムザウで飛び込んだそうだ。その成果が早々に出た。ストッコは方向性を修正、前に行きながらも腰を落とさない良さを取り戻し、他と違う低めの飛行曲線でも飛べることを証明して見せた。もう一人、サマーでは素質の片鱗を見せながらも冬は駄目だったクバツキがいよいよ本格化したようだ。あの高さ・パワーは若手では飛びぬけている。台が合えば表彰台に乗ってくるだろう。ヴァラやヴェリンガーと共に上の世代を脅かして欲しい。

だが・・・・勝負は別の次元に。コフラーが新しいレギュレーションと彼のパワージャンプの好相性を明らかにしはじめた。特に土曜の2回目のジャンプは信じられないジャンプだった。ジェット噴射をブーツに仕込んだんじゃないかというぐらいの、サッツでのものすごいゲイン。あれは原田の全盛期を超えているかもしれない。

ポイントナーはいつもコフラーのゲートを下げる。彼は下げてもあまり飛距離が変わらないから、常にアドバンテージがあることになる。もしこのルールが原田の全盛期にあったなら、原田はあと何回勝てただろうな、なんて思ってしまう。もしかしたら、コフラーのジャンプ週間4連勝が見られるかも・・・・。日曜のようによほどの追い風に当たらなければ勝てるだけのアドバンテージを感じる。

今週の一押しジャンプ。もちろん前記のコフラーやストッコも良かったが、今回は葛西の土曜1回目を採る。あのジャンプは彼にとって今年一番の完成度のジャンプじゃなかっただろうか。追い風のあまり良くない条件できっちり伸ばし、エンゲルベルクの地元ファンの大歓声を受けた。2回揃わず、ポイントに繋がらなかったのが惜しい。

クリスマス休暇を挟んでいよいよジャンプ週間。ドイツ人の優勝、久しぶりに見られるだろうか。日本は伊東大貴が戻ってくる。コフラーの4連勝は?それを阻むのはシュレリー?アマンの逆襲はあるのか?とにかくいい気候を頼みます。

|

« 工事現場のワールドカップ ソチ | Main | 続 悩ましいオーディオ »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/64278/56334842

Listed below are links to weblogs that reference 春が訪れたような空気の中で エンゲルベルク:

« 工事現場のワールドカップ ソチ | Main | 続 悩ましいオーディオ »