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June 20, 2012

アンドレアス・シュタイアー ディアベッリ変奏曲

巷はサッカーで盛り上がっている。ドイツは1点差勝負をことごとく制して死のグループを3戦全勝で突破したのだから、人々の期待は高まって当然。しかし・・・・ゴメスの「決定力」と「運動量の少なさ」の諸刃の剣は、ある意味、良くも悪くも今年のバイエルン的な感じをドイツ代表チームにもたらしている。相手が強くなったとき、もしくはガチガチに引いてきたときにこのままで通用するとは思えない。ゴメスは精一杯頑張って走ってはいるのだ、バイエルンでプレーしている時よりもずっと。でも、本質は変えられない。後半の早い時間でクローゼに代えて、バイエルンからレアルにシフトチェンジするような感じにできるかどうか・・・・そこにかかっているように思う。

昨日は日本の梅雨時のようなじとっとした空気の中、ボンのベートーベンハウスに、アンドレアス・シュタイアーのコンサートを聴きに行った。ジャケ写とか雑誌などの評価を見て、シュタイアーに対してはかなり押しの強い、濃い感じの人物という先入観を持っていたのだが、実際はまったく違っていた。しぐさや雰囲気から、職人肌の社交的ではないタイプ、学者タイプの人であることが伝わってくるのである。演奏が終わったら、もうすぐに引っ込みたいと思っているのがありありとわかるといいますか・・・・。

でも、演奏は素晴らしかった。ディアベッリ変奏曲は曲としてはあまり感動するとかそういう曲じゃないです、正直言って。でも、ベートーベンが当時の最新の楽器であったハンマーフリューゲル(フォルテピアノ)の能力を最大限に発揮させるためにいろいろと考えたことが、彼が最後に持っていたコンラート・グラーフ社製のハンマーフリューゲルのレプリカ・・・・つまりこの曲が書かれたときに使ったであろう楽器で演奏されることで本当に良く伝わってきた。現代ピアノとハンマーフリューゲルのもっとも大きな違いは、音色の均一性にある。現代ピアノはよく言えば弱音から強音、低音から高音まで安定した、均一な音色で音が出せるようになっている・・・悪く言えば音がのっぺりしているのだと良くわかった。また、現代ピアノでは本当の弱音は出せないんだ・・・・とも。シュタイアーは音域と強さによる音色の違いを際立たせ、弱音と強音のコントラストを弱音を限りなく弱く弾くことで際立たせていた。先ごろ出たCDではここまでのコントラストは残念ながら聴けない。小さな会場でのライブだからこそ、あれほど弱く弾けたのだろう。開放状態であんなふうなささやく様な、さざなみのような音が出せるなんてね・・・・


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