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February 25, 2012

過ぎたるは及ばざるが如し・・・・ ビケルスン フライング世界選手権 個人

急にもわっとした、春の空気が来た。ドイツは雨がちとなったが、ノルウェー・ビケルスンは春一番を思わせる風が吹き荒れ、金曜は中止、そして3本勝負が予定された土曜も何とか2本終わらせるのが精一杯という少し残念な戦いとなってしまった。

さすがにビケルスンは新しい設計の台だけあって、コンディション・コンペンセーションは上手く行っていた。そうでなければ試合として成り立たない風の状況だったと思う。

とはいえ、この風でフライングだから、しょうがないと片付けるには少しつらいぐらい、風の運不運があった。特に、1回目は上の風が強すぎた。「過ぎたるは及ばざるが如し」とはこのことで、(低速設定だから)向かい風が必要とはいえ、飛び出してすぐスキーが上がってしまうような強さでは前へのモーメントが失われてしまう。伊東の1回目はまさにそんな状況だった。しかも下はそれほど風がなく、ストンと落ちてしまったし。逆に、竹内は上の風がまったくなく、完璧なサッツだったのに2回目に進めず。こちらは下は風があったから平均化されたウインドファクターではきっちり引かれてしまい、逆差別状態にもなっていた。丁度いい風をいかに掴むか、みたいな勝負になってしまった。

2回目は途中からパッタリと風がなくなって追い出し、かわいそうなフライトが続いた。その中での伊東の219mは効率100%のパーフェクトなジャンプだった。5位という最終結果は、1回目の不運を考えれば胸を張れる成績だろう。

まぁ、ただ1回目がまともであっても、「進化したフリーガー」の二人、コッホとクラニェッツにはどうやっても勝てなかったかな、とは思う。この二人の戦いは見ごたえがあった。彼らの凄いところは、フライングでは追い風も苦にしないことにある。きちんと高さもあり、そして落ちない。コッホも、クラニェッツが244mを飛ばなければ、あそこで無理をせずに降りたはず。テレマークを入れないと勝てないと思い、一瞬、躊躇してしまったんだと思うな。フライングは俺のもの、と言って憚らなかったクラニェッツにとっては待望のタイトルだ。おめでとう。ま、コッホはもうこのタイトルは持っているし、(これは、間違いでした・・・まちびとさん、ご指摘ありがとうございます。WCの記憶とごっちゃになっていました・・・確かに、今回はチャンスだっただけに悔しいでしょうね。普通に降りられればいい勝負だったはずですからね。)今日はこれで良かったんじゃないかな。

その中に割って入ったヴェルタの強心臓には感心した。初めてのラストジャンパーであのフライトはなかなかできることではない。逆に私の大穴だったファンネメルは2回目に思いっきり吹かして、若さを露呈してしまった。

それにしても、シュリーレンツァウアーはどうしちゃったんだろう。スキーが走らないし、サッツの方向もバラバラ。このままバーダルにチャンピオンを与えてしまうのかな・・・。

注目していた古いタイプのフリーガーたち・・・・やっぱり、ハッポネンは伸びなかった。去年なら低く行ってもそのままHSまで行ったのに、今回は210ぐらいでストン。そしてハイェックは出られなかった。また、コッホやクラニェッツのフライトは昨年のエーベンセンより高さがあるもんだから、240ぐらいになるとかなり危なっかしいランディングになっていた。エーベンセンの世界記録は結構長く残るかもしれない。

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Comments

数年前からジャンプにはまっている者です。
右も左もわからずにジャンプを見始めたので、こちらのジャンプ観戦記事から、ジャンプの見方、選手の個性についてたくさん学ばせていただき、毎回楽しみに拝読しております。

難しいコンディションの試合でしたが、2回目の伊東のジャンプ、そしてラスト3人のビッグフライトの応酬は見応えがありましたね。
コッホですが、4年前は最後でシュリーレンツァウアーにやられたので、フライング選手権の優勝はしたことがないと思います。今回は勝てるジャンプができていただけに、なおさら悔しかっただろうと感じました。

Posted by: まちびと | February 26, 2012 at 05:23 AM

ご指摘ありがとうございます。完全に勘違いしていました。そうでした・・・・2008年は日の出の勢いのシュレリーがスーパーフライトを出して、コッホはラストジャンパーのプレッシャーに負けたのでしたね。確かに悔しいだろうなぁ。

ジャンプは面白いです。見たまま、感じたままを書き散らかしているだけなので・・・でも少しでもその面白さが伝われば嬉しいです。コメントありがとうございました。

Posted by: かずやん | February 26, 2012 at 07:14 AM

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