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February 12, 2012

熱い戦いの火蓋が切って落とされた FISチームツアー ヴィリンゲン

寒い。来週はカーニバルだというのに、マイナス10度の日々がもう2週間続いている。ドイツ各地で池や川が凍って氷の厚さが数十センチに達し、アイススケートが解禁されるという、近年になかった現象が起こっている。

ヨーロッパに入ってきている冷気はシベリアからのゆるい空っ風。なので幸いなことに大雪というわけでもなければ、風が強いわけでもない。ウインタースポーツにとっては素晴らしい天候とも言える。

ヴィリンゲンは世界最大の天然ラージヒルであり、スタジアムは5万人収容、一度は行ってみたい台の一つだ。低温でスキーが走る条件は日本ジャンパーにとって有利だし、選手の台との相性も良いので期待していた。

団体戦、惜しくも日本は4位。でも、この団体戦は見ごたえがあった。まず、ノルウェーとオーストリアの熱い戦いはノルウェーの勝ち。オーストリアのアドバンテージが徐々に少なくなっていることは感じていたが、ここまで完璧に負けるとは思っていなかった。もちろん、4人目の男、トップバッターのコッホが弱点である追い風で沈んだということはある。ただ、今までならそれでも他の3人の力で圧倒的に勝てるはずだった。しかし、モルギー、コフラーの2人が明らかに調子が落ちてきていて、そのしわ寄せがシュリーレンツァウアーに大きくのしかかってくるという悪い展開で、登り調子の若いノルウェーの勢いに飲みこまれてしまった。コッホをトップバッターに持ってきたのは明らかな作戦ミスだとか、追い風ならツァウナーのほうが良かったとか言えるが、そういう小ざかしいことを考える必要があるという時点で今までとは様相が異なっている。一方、ノルウェーはロマーレンが復調してきているにもかかわらずチーム戦に出られないという、層の厚さを誇っている。特にスクレットの力は本物だ。

ドイツ、日本、スロベニアによる表彰台をめぐる争いも熱かった。どのチームも2枚強いカードを持っていて、逆に言えば後の2人がどういうジャンプをするかで勝負が決まるという、一人も失敗は許されない状況でのシビアな戦いだった。結果として、きちんと8本まとめた日本(特に栃本はいい仕事をした)と追い風に強いヴァンクが弾けたドイツの戦いとなり、結果、1.9点という微差でドイツが競り勝った。負けたのは悔しいが、日本人としてこういう熱い試合を堪能できる状況であるということを素直に喜びたい。もうちょっと風が良かったらなー、とかブチブチ言っていられるのが幸せなのである。浮上のきっかけすらつかめないフィンランドのような状況だったら楽しくないのだから。

日曜の個人戦は途中から向かい風が吹き始め、それが「台の古さ」をあからさまにすることになった。ヴィリンゲンは良い台だが、向かい風が吹き始めると飛びすぎの傾向が出る。立地的に向かい風になりやすいこともあって、以前にも危ないジャンプが何度もあった。向かい風が吹き始めるとゲートが2番とか1番まで下がる。試技でストッコが1番から150mを大きく超えたことから、ジュリーは戦々恐々、向かい風が吹くと待つという試合になった。しかし向かい風が弱かったり、ましてクルッと回ったりするとこの低速では飛べないから、スクレットとかコフラーのようなことが起こってしまう。ランディングバーンの角度を浅くするなどの大掛かりな改修が必要なのは明らかである。

ただ、この問題は勝負には大きく影響しなかった。昨日の感じから、ここはクデルカが勝つんじゃないかと思っていた。クデルカは確かに凄かった・・・・しかしそれを上回ったバーダルの、低速条件での強さに脱帽です。彼はスキーがものすごく上手い上に体重があるから、こういう条件だと飛び出し速度で1km/hの差を出すことができる。伊東も2本ほぼパーフェクトに飛んだけど、3位で納得するしかないという、上位2人のすさまじいパフォーマンスだった。また、竹内の2本目は気持ちのいいジャンプだったなー(6位)。この結果、個人戦では各チーム上位2人の得点が加算されるチームツアーで、日本は2位に躍進した。トップのノルウェーは遠いが、団体戦で誰かの頭に10万ユーロとHonda New CIVICがチラツイた時、何かが起こるかもしれない。一方、シュリーレンツァウアーとコフラーが揃って駄目だったオーストリアは4位に落ちた。ただ、奴らがこのまま引き下がるとは思えない。

次はクリンゲンタール。一つ嬉しい知らせ・・・ヒルデが戻ってくる。ノルウェーは全員好調なだけに、ストッケルは嬉しい悲鳴を上げていることであろう。

追記
どうやらシビックは副賞ではないようです・・・・・・

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