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January 15, 2012

追い風とチャックに翻弄された一日 フライングWC タウプリッツ

年が明けても一向に冬らしい気候にならない。毎日、どんよりと低い雲がたれこめ、霧雨のような雨が降る。心も体もジメジメとしてくる。今週末はようやく寒気が入って太陽が見られたが、山の方ではそれが雪を呼び、タウプリッツのフライングはぶっつけ本番で日曜に2試合という強行軍となった。去年まではテレビとかでもこのフライングの台をバートミッテンドルフと呼んでいたと思うんだけど、今年はタウプリッツの方で統一している感じなので、そう呼ぶことにしよう。

試合の方は、古いプロフィールでの台でのウインドファクターコントロールの難しさを痛感するような試合だった。全体としてはそれほどひどい風の状況ではなかったと思うんだけど、追い風と向かい風の違いが、超低速設定で大きく拡大されて・・・・そして、その超低速設定を引き起こした張本人が伊東だったことは、日本人にとって大いに勇気づけられることだった。

午前の一本勝負は風の有利不利で試合が決まってしまった。伊東はいい風もらいすぎてまた尻餅ランディングになってしまったし、シュリーレンツァウアーはまったく風がなくて沈んだ。ちょうどいい風をもらったクラニェッツが、完璧なフライトで優勝した。

午後はなんというか・・・・バタバタ劇になった。一回目の伊東のフライトは痺れたなぁ・・・ちょっと踏み外し気味に低く出たのでマズイ、と思ったらそこから風ともいえないほどの気流を捕らえてすーーーっとヒルサイズを超え、完璧に着地した。これには驚嘆させられた。

びっくりしたのは自分だけではなかった。このフライトが2回目の超低速設定を生んだ。向かい風がなくなり、追い出すと、ほとんどのジャンパーは200mはおろかK点の遥か手前で落ちた。この条件でのモルギー、ストッコ、バーダルの180m越えは凄い。そして、最後はシュリと伊東の一騎打ちだ、と意気込んだのだが・・・・・なんとここでシュリのスーツのチャックが崩壊wobbly。焦るシュリ、焦る回りの人たち。3万人が待っている中、スターのシュリがこれで飛びません、とは行かないのである。最後は無理矢理荷造り用ガムテープで止めて飛んだが・・・やっぱり飛んでいる途中で開いてしまった。当然、失格である・・・。

そんなどたばたの中で、ラストジャンパーの緊張感を維持できるわけがない。伊東も壊れたチャックの被害者であった。1回目の貯金が効いて2位にはなったけど、なんとも笑っちゃうような形で勝利は彼の手の中からバーダルへ。バーダルはこれで今季2回目のタナボタ優勝だけど、他の大会では不利をこうむっている事が多く、結局はコンスタントに実力を発揮しているからこその幸運である。伊東もそうやっているうちに簡単に勝つだろう。

あと、モルギーのフリーガーモードチェンジは本当らしい。本気でフライング世界選手権でのメダル、狙ってると思う。

今回、竹内は順位こそイマイチな感じに終わっていたけど、彼のフライトの完成度は素晴らしいものがあった。風の回り次第では表彰台に届いてもおかしくなかったと思う。たぶん、大倉山では伊東と竹内の一騎打ちになるだろう。彼らの状態を見たら、普通の判断では有力どころは日本に行かない、いや行けないよ。

女子の方ではユース五輪での高梨の金メダルは嬉しいし、彼女にとって良い経験になったことだろう。ただ・・・・ヘンドリクソンを始めとして有力どころはみんなバルディフィエメのWCの方に回ったため、戦いとしてはもう不戦勝みたいな感じだったのが残念。皮肉なことに、そのWCではお姉さま世代対中学生世代の凄い戦いが繰り広げられて、レベルとしてはずっと高かった。ヘンドリクソンとイラシュコの戦いはシュリーレンツァウアー対モルゲンシュターンを髣髴とさせるもので、「WCとは言ってもねぇ・・・」と内心思っていた自分の目を開かせるものだった。彼女はこの戦いの中にいた方が良かった・・・いやいるべきだったのではないか、と思ってしまったのである。金メダルにけちを付けるつもりは毛頭ないのだが・・。

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