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September 18, 2011

深まる秋 ザンデルリンク逝去によせて

8月の終わりにほんの少し夏らしい日があり、夏の空気の最後の抵抗の嵐があって、秋が来た。
夏が終わったね、と同僚に言ったら、夏なんてあったっけ?という返事が帰ってきた。確かに、そういう夏だった。熱い空気は日本の方に全部行ってしまっていたらしい。

敬愛するクルト・ザンデルリンクが亡くなったという、残念な知らせが届いた。
一つの時代の終わり。
しかし、幸いなことにその時代の空気に放たれた振動は、マイクに捕らえられ、記録されてディスクに封じ込められている。

1974年、東ベルリン・キリスト教会で記録された音が、今ここで鳴っている。ザンデルリンクに完璧に統率されたBSOがごく淡々と、でも真摯にシベリウスをやっている。交響曲第7番。

一切の虚飾を排したようなこの小さい交響曲が好きで、最近よく聴く。いや、正確にはこの演奏が好きなのである。他でこの曲を聴いたことはないのだから。

たぶん、巷で評判のフィンランド系の指揮者による演奏とは違うのだろう。でも・・・合うのならなんでもいいのである。彼がBSOやドレスデン・シュターツカペレと共に録音した演奏は大概、合う。なんでかわからないのだけど。レーグナーとかスウィトナーとか、同世代の他の指揮者の演奏は、オケが同じでも合わないことがままあるのに比して。

それに、DDRのアナログ録音も、変な小細工のないベルリンクラシックスのデジタルリマスターもいい。これが1枚5ユーロそこそこで買えるのは嬉しい。

こういう録音のマスターから西側でプレスされたアナログディスクとかあるんだろうか?その時代、DDRでは資源不足でいい質のレコードは作られていなかったと聞くから・・・。もし、そういうのがあるのだとしたら、一度本物のシステムで再生されたものを聴いてみたいな。その時の空気がより現実感をもって再生されるのだとしたら、そういうディスクをコレクションして、慈しむように聴き続ける・・・・そういうオーディオライフもいいかもしれないな、なんて思うのである。趣味の世界ぐらい、一つの時代に立ち止まってもいいのではないか・・・・と。

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