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May 01, 2011

10/11シーズン回顧 顕著になったチーム力の差 競技のF1化 (1/3)

シーズン回顧をしなくてはと思いながら1ヶ月以上経ってしまった。仕事関係などでかなりアップアップしていたということもあるが、震災の影響でジャンプのことがすっかり頭から抜けてしまった時期があったのが大きい。イースター休暇で時間がある今、マリシュのことと一緒に一気に終わらせてしまおう。

今季を大きく概括すれば
1)誰も手がつけられなかったオーストリア、そして、モルゲンシュターンの強さ
2)ビンディング革新による浮力の増大と、それに付随するさまざまな問題の顕著化
となる。

この2つは密接にリンクしている。2)は昨シーズンのアマンによってもたらされた革新が普遍化したということであり、その普遍化の結果として最も力のあるチーム・選手が勝って1)になったということだ。

古今東西、誰かが革新的なことを成し遂げると、すぐ後には大きなリソースを持つ奴がそれをうまく使って大成功(商売の世界なら大もうけ)する。スキージャンプの世界でも同じ。オーストリア・チームが現状では最高のリソースを持つチームであることは疑いのない事実である。国内のサポーター(つまりはスポンサー=資金)、ジュニアの育成制度、マテリアルの開発、そして技術面・精神面でのサポートスタッフ。これらすべての面において一歩抜きんでている上に、若く才能のあるジャンパーがたくさんいる。今年のオーストリアチームは序盤のシュリーレンツァウアーの不調と怪我、ツァウナーの離脱、およびロイツルの地力低下など、他のチームなら致命的になりうる複数のマイナス要素があったのにもかかわらず、ほぼすべてのタイトルを手中にした。層の厚さだけの問題ではない、すべての面においてのリソースの潤沢さがこれを可能にしたのだと結論せざるを得ない。

チーム間のリソースの差がこれほど結果に大きく影響したことはかつて無かった。リソース面でオーストリアに次ぐ存在であるドイツが、選手のクオリティ・素質面では大きな上積みがなかったにもかかわらず、全体としては好成績を収めたことも、チーム力が大きな要素だったということを示している。逆に日本やスロベニアのようにリソース面での問題を抱えたチームは、選手個々のポテンシャルとしては上位チームに決して引けを取らないのに結果が伴わなかった。スロベニアのクラニェッツが漏らした不満・・・「マルティン・シュミットは20着もスーツを持っているが、自分には3着しかなかった。これでは勝てない。」がその状況を的確に表しているだろう。モータースポーツF1がチーム格差の拡大により魅力を失いかけたのと同じような状況が起こっている。その差を抑制する何らかのアクションが必要になっているように思う。

(続く)

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