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March 05, 2011

風の女神もオーストリアのグランドスラムを止められず オスロ世界選手権 その4

ようやく快晴となったホルメンコーレン。しかし、暴風といっていい風だったなーー。よく試合が成立して、曲がりなりにも問題ない結果に収まったものだ。

今日一番感銘を受けたのは、こんなとんでもない試合でもきちんと楽しんでいる観客たちの姿だった。ヒルデのスーパージャンプで(このジャンプはほんとに神がかり的なジャンプだった)ノルウェーは銀メダルに。聖地の女神は観客へのご褒美としてそれを少しだけ後押ししたような気がした。いや、もしかしたら本当は金メダルをあげたかったのかもしれない。それほど、オーストリアの各ジャンパーに対する風神の仕打ちはひどかった。スタートジャンプの上での追い風はシュリーレンツァウアーじゃなかったら100mぐらいに落ちるようなものだったし、コッホがゲートに座るとクルクル回る風を送ってずいぶん待たせ、プレッシャーをかける。そしてコフラーにはとてつもない突風で飛ばしすぎて転倒させてやろうみたいな感じだった(実際、飛型点とウインドファクターのマイナスで飛距離の割には点数伸びず)。それでも勝っちゃうんだから・・・・・。最後のモルギーには罪滅ぼしみたいないい風が吹いていた。

一方、罪深いのはウアマンへの仕打ちだろう。彼はこの団体戦が最後の試合だった。今日、彼がラストジャンパーに選ばれていたのは、チームの彼に対するはなむけだったはず。しかも、2人目のフライタークがいい風をもらって凄いジャンプを見せ、ドイツは3人目を終わってオーストリアを抑えて驚きのトップに立っていた。そして迎えたウアマンのジャンプは・・・・ジャンプ自体には何にも問題がなかった。いいジャンプだった。でも110mに落ちてしまった。おそらく4人目の全選手で最悪の条件だった。上で追い風、下は凪ではどうしようもない。しかも、向かい風に強いスロベニアのクラニェッツが最高の風をもらって136mも飛んでいたもんだから、トップから4位のメダル圏外に転落するというひどい仕打ちが待っていた。その上で一回目で打ち切りという非情な決定。

もし、長野五輪の団体戦が1回目で終わっていたら、原田はこんな感じだったかもしれない。そう想像するとウアマンの心情は察するにあまりある。しかも、これがスキージャンパーとしての最後のジャンプだなんて!彼は本当にラハティには出ないのだろうか・・・・。

戦いは終わった。これほど荒れた試合が続いても、結局はオーストリアが全部持っていったという大会だった。それほど力の差があった。個人はアマンとマリシュが一つづつ残りの椅子を分け合い、団体はノルウェーが銀2つということでなんとかそれぞれの面目を保った。ドイツと日本には運がなかったが、自力で何とかするだけの力がなかったということだと、悔しいけど認めざるを得ない・・・。

今大会を終えて、多くのジャンパーが今季限りでの引退を表明した。上に出たウアマン、そしてマリシュ。キュッテルも。そして、アホネンのカムバックも不完全な形で終わることとなった。特に、マリシュについては後でしっかり振り返っておきたいと思っている。選手たちの次の人生が実り多いものとなることを祈ります。

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