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March 03, 2011

聖地の女神、モルギーのグランドスラムを阻む-シュリーレンツァウアー試練を超え金メダル オスロ世界選手権 その3

素晴らしい晴天に恵まれたドイツではカーニバルが始まった。一方、テレビの向こうのオスロは霧が立ちこめていた。霧は風を呼ぶ。不安定な風、いや、気まぐれな風の女神の気分は、人間の作ったウインドファクターという緩衝壁をいとも簡単に通り抜け、ジャンパーたちを翻弄した。

なんでやねん!(という意味のそれぞれの方言でどうぞ)と叫びたくなるような、伊東と葛西の当たりの悪さ。ウインドファクターで知る数値化された風速と、ジャンパーの動きに見る本当にジャンパーが受けたであろう風の違い。もちろんウインドファクターは助けになる。1回目のマルティン・シュミットのジャンプは助けられるべきジャンプだった。ウインドファクターがなければ、あの今季最高のジャンプが「2回目に進めず」という不名誉な形で終わってしまうところだった。でも、焼け石に水とは言わないけど、勝負のレベルではまったくもって役に立たないプラスポイントだ。

でも・・・風の助けが無くても飛べる奴はいた・・・モルゲンシュターンとシュリーレンツァウアー。彼らは他のジャンパーに比べていい条件だったとは到底思えない。特にモルギーの2回目、ラストジャンプはかなりひどい条件だった。1回目にいい風をもらって2,3位につけたノルウェーの2人、バーダルとヤコブセンのジャンプは悪くなかった。もちろん、地元でメダルが掛かったジャンプだから固くならないわけはない。でも、風の条件がまともなら普通にメダル勝負できるようなジャンプだったと思う。彼らが沈んだ後のモルギーのジャンプは最高だった。凄い高さだった。ただ、最後にストン!と風で落とされてランディングが決まらず。この、ランディングが決まらなかったことが勝負を分けた。シュリーレンツァウアーとの差は0.3点だった。

2回目トップで銅メダルに滑り込んだアマンはモルギー・シュリに比べたら2回とも条件はかなりマシだった。特に一回目は遅れ気味のジャンプで、もし条件が悪かったらマリシュのように圏外に落ちていたと思う。そのマリシュの一回目のジャンプは本当にひどい条件だったなぁ(なんで2.3点しかもらえないんだ!って感じだったであろう)。

結果を見ればメダルに輝いた3人のパフォーマンスは飛びぬけていて、条件がどうなっても変わらなかったであろうという感触がある。そういう意味では競技は公正だったとは言えるのだが・・・今回に限って言えば私はモルギーに勝って欲しかった・・・彼が勝つべきだと言う想いがあったので、この結果が残念で仕方がない。

まったくもって勝ったシュリーレンツアウァーには申し訳ない。彼の勝利を喜ぶべきだ。彼は今季、さまざまな試練を受けた。体の成長に伴う物理パフォーマンスの低下、新型ビンディングとの相性の悪さ、そして膝の負傷。それを乗り越えて、ジャンプ週間以降、顔がどんどんアスリートになってきたのを感じた。ノーマルヒルでの失望を見返そうという強い想いが今日のジャンプには見えた。そういうさまざまな積み重ねが、0.3点という形でモルギーを上回った。今回の金メダルは、これまで本当の勝負になるとどこかに弱さを見せていた彼が、試練を経て本物になったことを、聖地の女神が認めたのだと思う。

土曜の団体戦。オーストリア・チームはその2人に加えて8位までに4人・・・これに他のチームはどうやって勝てというのだ?また、ノルウェーは追い風が当たりながら14位のエーベンセンまでで4人、しかもスーパーサブとしてロマーレンが控えている。ドイツは台にフィットしているフライターク、追い風が当たったマルティン・シュミットが15、16位となった。つまり、上位16人のうち、この3チームの12人がすべて入っているのである。この荒れた試合でこういう結果になっているということは・・・土曜は勝負ではないところで楽しむとしましょう。

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