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January 31, 2010

フライングのリスクとウィンドファクター・ルールの課題 オーベルストドルフ・フライング

また、冷え込み・・・ここらでも雪が10センチぐらい積もっている。北や東ではもっとすごいことになっているそうだ。何十年ぶりの大雪というところも多い。

しかし、オーベルストドルフのフライングはほぼ問題なく開催された。このフライングを皮切りに今年もTeam Tourと題して今週から来週にかけて賞金ツアーが行われる。このオリンピック前の大事なときに。ヨーロッパ人にとってオリンピックはそれほどの大事ではないが、それでもモルゲンシュターンやシュミットがいないところにその影響は見え隠れしている。やはり、今、フライングを飛ぶことのリスクは避けたいというのが本音だろう。実際、今日の試技でコフラーが転倒しヘリで病院に担ぎ込まれた。痛がりようから見てオリンピックはアウトかと思われたのだが、幸い、検査の結果どこも折れてはいないということだった。とりあえずオリンピック参加に支障はなさそうとのことである。

もう一つ、今年のチームツアーとノルディック・トーナメントでは俗に言うウインドファクタールールが試験導入される。今週末、風が強い中でもフライングの試合が支障なく行われたのは、このルールのおかげと言っていい。条件が刻々と変わっていったときに、ゲートを変えることで条件を公平にすることができるのがウィンドファクタールールの利点だが、その実際の運用についてはジュリーの方も試行錯誤中というのが実情のようだ。団体戦の2回目や個人戦の1回目、向かい風が徐々に強くなったとき、ジュリーはどんどんゲートを下げることを余儀なくされた。開始時と最後では8段も9段も違うゲート、飛び出し速度が4キロも違う状況で飛んで、本当に公平と言えるのかどうか。また、土曜のラストジャンパーのシュリーレンツァウアーや、日曜1回目のハリ・オリのように、あまりにも低い飛び出し速度で風が凪いでしまったときに「どうしようもない」フライトが出てしまったこと。さらには、降雪時にはゲートを変更するのに時間がかかると、アプローチにたまる雪の影響で飛び出し速度が遅くなってしまうことへの対応などなど・・・。ブロアーで雪を飛ばすと逆差別になるし、ゲート変更中にはテストジャンパーは使えないし・・・。

と言うと問題山積みのように聞こえるけど、オーベルストドルフのフライングという難しい状況でこの程度で済んだということで、おそらく運営側も選手側もこのルールに対する自信を深めたに違いない。細かな議論を経て指針が固まってくるのだろう。時間が解決してくれる。

見る側への配慮もきちんと感じられた。風の強さはほぼ常時表示されるようになったし、降りてすぐに風によるポイントの増減が飛距離と共に表示される。今までは降りた瞬間に結果がほぼわかったが、今はポイントが出るのがちょっと楽しみな感じもあり、いい感じだと思う。とにかく、ウィンドファクター・ゲートファクターが信用できると思えればまったく問題ないのであった。慣れというものは恐ろしいものである。

今日はヤコブセンによる久々の勝利だった。予選からずっと好調で、恵まれてのものではない。調整がうまくいったようである。メダル候補に名乗りをあげる奴がもう一人現れたか。逆にシュリーレンツァウアーは不発でアマンとの差が逆に開いてしまった。また飛び出し速度が遅くなっているような感じもあり、方向性も安定していなかった。

オーストリアのオリンピック代表5人目は結局コッホになった。まぁ、当然と言えば当然なのだが。総合8位でオリンピックに選ばれないなんて、ありえないか。

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