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August 17, 2008

逃げろタイガー、人々の想いを乗せて Rheinland-Pokal

また、間が空いてしまった。
忙しかったというのもあるが、なによりも更新のモチベーションが無かった。残念なダービーの後、ひどい天気のドイツ賞が続いて、何か競馬への心が薄らいでしまっていたのだ。だが、先々週のなかなかにドラマティックなPreis der Dianaを見て少し引き戻され、先週は久しぶりに競馬へ。が・・・・勝負レースで勝ち馬が降着になり当たり馬券が紙屑になるという、人生で初めての体験をしてしまった。それを取り戻すべく、今週も競馬(笑)。

今年のRheinland-Pokalには、過去最強の刺客、Papal Bullが参戦!ということでそれを迎え撃つダービー馬Kamsinとの対決に注目が集まっていた。だが・・・私はひそかにほくそえんでいたのだ。Papal Bullは確かにいい馬だ、凄い脚を持っている。しかし、条件付だ。また、Kamsinの実力についてもまだ疑問符つきだぞ。

このレース、一つだけ決まっていることがあった。「良馬場、Oriental Tiger。2分26秒台。」
この条件では、アスコットの良績は役に立たない。府中での凡走は参考になる。Papal Bullはスローの上がり勝負の馬だ。スピードレースでは脆い。ダービーと、その前の”バイエルン・ダービー”のレース振りから、Kamsinについてもほぼ同じ見方ができた。しかもPapal Bullは追い込み馬、後ろから行くだろう。すると、それと勝負しなくてはならないKamsin/シュタルケは後ろに気を配らなくてはならず、前を追いかけることはできない。Oriental Tigerが単騎で2分26秒台を出すこと、これだけは明白だった。これを差せる奴がいるかと考えると、「StarkeがPapal Bullを捨ててOriental Tigerに勝負を仕掛け、それにKamsinが応えたとき」しか考えられなかった。が、シュタルケにとって最悪のシナリオは潰し合ってPapal Bullにまとめて差されることだろう。また、Papal BullのムーアはOriental Tigerなんて眼中に無いだろう。一方、Oriental Tigerのバーデンでの凡走は、左回りの変則競馬場でのもの。度外視してよい。

結論、Oriental Tigerが逃げ切る。

パドックに最後に残ったOriental Tigerはのんびりと歩いていた。ブリンカーの奥にはかすかな妖気をたたえた、澄んだ目があった。ほとんどの人がもう窓口に向かっていたが、数人の馬券親父たちが最後まで残り、真剣にOriental Tigerの気配を見つめていた。同じ気持ちの人たちがいっぱいいる。この日のレースは前残りが多かったことも、Oriental Tigerを支持していた。この日のOriental Tiger、単勝5.6倍。明らかに予想よりも買われていた。

ゲートが開いた。各馬、そろっと出た。あ、スローになるかも、と思ったら、Oriental Tiger/ヘリヤーは行った!行け!千切れ!人々の想いが届いた。5馬身、10馬身、15馬身。離した。2番手のKamsin/シュタルケは金縛りにあったように動けなかった。後ろのPapal Bullの影・・・3コーナー、思い出したように追い出すシュタルケ。しかし、Oriental Tigerはもう4コーナーを回っていた。もう、追いつかない。

2:26,76の逃走劇は、7馬身の差をKamsinとの間に保ったまま幕を下ろした。
人々の暖かい歓声が競馬場に満ちた。これだ、これが競馬の喜びだ・・・忘れていた!

さて・・Oriental Tigerは次にどこに向かうのだろう。もちろん一息いれてからオイロパ賞というのは現実的だし、彼の走りが見られるのはうれしい。だが・・・・私なら追い込みが利きにくい香港ヴァーズを目指す。そのためにどこでステップを踏むのが良いか。右回り限定の彼、イタリアのジョッキークラブ大賞あたりか。GIを勝った今、国内にとどまる意味はないと思う。

また、Kamsinは最終的には自分から動いて、結局Papal Bullを抑えて2着を確保した。思っていた以上に底力もあることがわかった。こちらは堂々と王道を進めば良い。バーデン大賞は間隔を考えると厳しい。いっそ3週後のニエユ賞で実力を試してみたらいいのにな。

Papal Bullはきちんと仕上がっていたし、陣営の勝負気配も満々だった。でも、馬のケルン競馬場への適性に疑問があったし、Oriental Tigerを軽視しすぎ。彼はイギリス国内でしっかり走っていればいずれはGIを勝つと思うけどな。他の馬は・・・ちょっと底力の差が露呈してしまったかな・・・・・。

追記
Oriental Tigerの馬主サイドは凱旋門賞を目指すと明言した。周りが大きいロンシャンは基本的に逃げ馬に不利な馬場だが、今回ぐらい離してしまうことができたら関係ない。問題は、今回Papal Bullに勝ったことですんなりと行ける見込みが少なくなってしまったことだろう。ペースメーカーが絡んでくる可能性も大いにありえる。ハードルはかなり高いと見るが、挑戦する価値は充分ある。

8.28追記
残念なニュースが届いた。Oriental Tigerは調教中に右後脚を骨折してしまったそうです。幸い症状は軽いもので命に別状はないが、今シーズンはレースに出走できなくなった。残念だなぁ・・・。

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Comments

どもです。
今日無事に実家にたどり着きました。


時は戻りますが、Rheinland-Pokalは相当面白かったみたいですね。
Oriental Tiger、『すごいな』の 一言です。
あー、競馬場で観たかった!!

というか、帰ってまだ一日、二日しか経ってないのに
実はもうドイツに行きたかったりして…(笑)

ではではまた来ますねー。

Posted by: ひつじ | August 27, 2008 at 03:54 PM

どもー、無事の帰国なによりです。
あの「おいおい、ザワザワ、あーこりゃやられた~shock」という雰囲気を味わって欲しかったです。単勝1倍台の大本命がコケたのに、まったくギスギスした感じがしないのが良かったのです。

テキトーに更新しますんで、また時々のぞいてやって下さい。

Posted by: かずやん | August 29, 2008 at 08:45 PM

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