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January 14, 2008

ヒラリー・ハーンとビシュコフ/WDRシンフォニーオーケストラ・ケルンのコンサート

ケルンの近くに住んでおり、また何度もケルンフィルハーモニーに足を運んでいるにものにもかかわらず、何故かいままでWDRシンフォニーオーケストラ・ケルン(西ドイツ放送交響楽団とか、ケルン放送交響楽団とかいろいろ日本語表記があるが・・・・)の音を聞いたことが無かった。現在はロシア人のビシュコフを主席指揮者として徐々に昔の名声を取り戻しつつあるという印象がある。

今回初めてこのオケを聞く機会に恵まれた。とはいえ、今回のコンサートは、好きなグラズノフのバイオリン協奏曲をヒラリー・ハーンが弾くのを聞くのが目的で、オケや他の演目は全然目に入っていなかったのだが(苦笑)。しかし、びっくりした。このオケは良い。今年で10シーズン目に入ったビシュコフによって完璧に統率されている。ビシュコフも私が好きなタイプの指揮者だ。指揮振りはダイナミックだが実は音楽はカッチリとテンポを守って進めていくタイプ。派手なカラヤンという感じ。まだまだ若いのだけど、古いタイプともいえる。

今回の演目はストラヴィンスキーの「幻想的スケルツォ」にグラズノフのコンチェルト、そしてショスタコービッチの交響曲4番という非常にヘビーな内容。

前回の経験から、今回はもう少しバイオリンの直接音を聞きたいと思い、いろいろ考えた結果、舞台裏のバルコンの席にしてみた。ステージを上から見下ろす感じ。結果として、良かった。さえぎるものがなく、ステージ自体がバッフル効果を発揮するため音量が取れる。ソリストの表情は見えず、打楽器や金管が死角になるが、音そのものは前方観客席の後ろの方よりはずっとライブ。後ろに誰もいないので気楽だし、出口は近いし、出る時に人が詰まることもない。また、非常に安いのも魅力(このコンサートのチケットは14.2ユーロしかしなかった)。今度もここにしよう。

さて、ヒラリー・ハーンの第一印象は、大きい(笑)。写真とかで見ると小柄に見えるのだけど、実は結構ボリュームのある人なんですね(太っているというわけではない)。音も同じ印象。凄くボリュームがあり、豊かで朗々とした音。いやな音が出ないので、とても安心して聞いていられた。グラズノフ、堪能しました。曲が終わってほしくない、と心より思ったは久しぶりだ。

休憩後のショスタコービッチ。これも生で聴くのは初めて。実はちょっと苦手な印象があった。多分、木琴とか木管楽器のフォルテとかを多用するからだと思うが、CDとかラジオで聞くとキーンという音が耳についてしまって辛い。でも・・・・その印象は拭い去られた。やっぱり、時折キーンと来る。けど、生だと音はずっと大きいのにもかかわらず、不思議といやではない。それよりも、フル・オーケストラによる音の洪水の凄さに圧倒されていた。100人を超す奏者が一体となればあんなスペクタクルな世界を作り出せるものなんだ、と感心することしきり。

そうそう、第2楽章でバイオリンソロがあり、とても若い、ある意味頼りなげなコンサートマスターが弾いたのだけど、これが・・・ヒラリー・ハーンに負けない凄さだった。調べてみると、まだ25歳のKorbinian Altenbergerという人で、最近コンマスに抜擢されたそうだ。各種コンクールにもソリストとして入賞しているぐらいの凄腕だった。

1時間を越える大曲だけに、やるほうもそうだけど、最後は聴く方も持久力勝負のような感じになった。この曲は夜10時を越して聴く曲じゃないぞ(苦笑)。結局開演から2時間半を越して、ようやく終了。ビシュコフも終わってヘロヘロになってた。

今回のコンサートは音的にも、音楽的にも満足だ。おなかいっぱい。いままでWDRシンフォニーオーケストラを聴いてこなかったことを後悔している。CD買うなら、もっとここに聴きに来ようと思った。どうせ、満足度ゼロ地帯に落ち込んでいるのだし・・・。

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Comments

はじめまして。2008年のブログに今頃コメントしても・・ですが、ケルン交響楽団をgoogleしていてこちらに辿りつきました。ヒラリー・ハーンとWDRのグラズノフ、いつもYouTubeで堪能しています。WDRがいつも演奏しているホール・・日本のホールと違い、ステージを囲むように、間近に席が配置されていて、あんな身近にWDRの方々の演奏が聞けて羨ましいです。

昨年、WDRのコンサートマスターのSlavaChestiglazovさんが来日されました。この方も数々の国際コンクールの受賞歴のある方で、彼の演奏・音は本当に素晴らしかったです。

このような方々がコンサートマスターのWDRのコンサートをいつか、ケルンのあのホールで聞くのが目下の私の夢・・。

実際ケルンで演奏を聞くのは遠い夢なので・・、年末のWDRのコンサート(スラバさんがソロで演奏)のYouTubeを一生懸命探すのみ・・です。

Posted by: Takako Ichinohe | January 24, 2013 at 03:33 PM

このコンサートが最近になってテレビで放送されていたとはまったく知りませんでした。You Tubeの動画を見て、あのときの感動が蘇りました。教えてくださって、感謝です。WDRの収録も素晴らしいクオリティですね。

Posted by: かずやん | January 26, 2013 at 06:45 AM

今って、You Tubeで色んなコンサート見れますよね。
でも実際に行くのが一番好きです。いつもコンサート前に曲の予習用に活用してます。

どうにかWDRのコンサートをWDRラジオで聞きたくてトライしましたが・・情けないことにドイツ語が読めず・・断念しました。
クラシックファンになってから、こういう時にドイツ語ができたらなぁ~といつも思ってしまいます。NHKのドイツ語講座の本がず~っと飾ってある状態。

ケルンにお住まい?のようで羨ましい限りです!

Posted by: Takako | January 26, 2013 at 02:07 PM

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