« ヒラリー・ハーンとビシュコフ/WDRシンフォニーオーケストラ・ケルンのコンサート | Main | 悪天候だけはしょうがない »

January 21, 2008

ヨーヨー・マのコンサート

チェロという楽器を甘く見ていた。
ヨーヨー・マがソロリサイタルをケルンフィルハーモニーでやると聞いて、正直、大丈夫かいなと思っていた。ケルンフィルハーモニーはひと棹のアコースティック楽器には大きすぎる器だ。ピアノでさえ、それに音を満たすには不足だと感じたことがあった。

しかし、今日のコンサートは・・・それをいい意味で裏切るものだった。

もちろん、音量的には厳しい。でも、チェロがあんなにボリュームのある音が出るものだとは思っていなかった。観客が息を潜めれば、十分に音楽が楽しめるダイナミックレンジが確保できていた。その音量を、ヨーヨー・マは傍目で見るかぎり、軽々と、何もがんばっていないように出してくるのである。驚いた。

もちろん、楽器がいいことは確かだろう。そのチェロが彼の持つモンタニャーナなのかダヴィドフ・ストラディヴァリなのかはわからない。曲目がバッハの無伴奏チェロ組曲だったから、古いストラディヴァリで演奏したと思う。もしかしたら、アンコールで最後に弾いた、シルクロード系の曲を胡弓のような技法でやった時はモンタニャーナに持ち替えていたかもしれない。音色がだいぶ違ったように思うのである。それが奏法だけの違いなのか・・・・。

バッハの無伴奏チェロ組曲は何度もCDで聴いている。しかし、いまだにピンと来たことが無かった。今回、それが曲や演奏の問題ではなく、オーディオ装置の問題であることがよーーーくわかった。チェロの音をきちんと出せれば、たぶん、オーケストラもちゃんと出る。チェロは音量も、帯域も、音色の豊かさも広い楽器であり、その音をきちんと出すことは、少なくとも今の装置では無理なのであった・・・・。

ヨーヨー・マの音楽は、いい意味でけれん味のないものだった。スッと出て、パッと広がる。とても楽に楽しんだ。これでいいのである。

|

« ヒラリー・ハーンとビシュコフ/WDRシンフォニーオーケストラ・ケルンのコンサート | Main | 悪天候だけはしょうがない »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/64278/17771653

Listed below are links to weblogs that reference ヨーヨー・マのコンサート:

« ヒラリー・ハーンとビシュコフ/WDRシンフォニーオーケストラ・ケルンのコンサート | Main | 悪天候だけはしょうがない »