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February 19, 2006

2人の勝利

オリンピック・ラージヒルは追い風との闘いだった。
実力と運、両方が試された。

追い風が3mに達するような状況では、最高のジャンプをしてもK点に達すること難しい。例えば、1回目のヴァシリエフとか2回目のヨケルソイ。実力だけでは勝てない。

一方、最高の舞台の上では、2回とも最高のジャンプをした選手だけが女神の寵愛を受ける資格があることもまた事実である。

しかし・・・今日のモルゲンシュターンとコフラーは女神の寵愛を一手に引き受けたようであった。

まず、コフラーの1回目はジャンプも良かったが追い風が上位陣で一番弱かったと思う。134m。すぐ次のモルゲンシュターンの時、もう既に条件はコフラーほどは良くなかった。しかし、それでも133mまで伸ばした。実力の証明。二人で1位と2位。プレッシャーの分散はこういう場合はとても必要な要素である。

2回目。残り10人。追い風は強い。ビストル、キュッテル、ハウタマキのジャンプはそれぞれ最高に近いものだった。でも、伸びない。そして、1回目3位のヨケルソイ。彼は追い風に強く勝負強い。しかし・・・風が強くなる。3mを超えた。シグナルがなかなか緑にならない。黄色のまま20秒、30秒・・公平を期するために待つか・・・誰もが思った瞬間、風が少し弱まった。シグナルは緑に。コヨンコフスキーコーチはギリギリ7秒まで待って旗を振った。まだ風の余韻が残る中、ヨケルソイは最高のジャンプをした。しかし、K点125m。この状況で40秒も待たされてこのジャンプができるのは「ミスター集中力」と呼ばれる彼しかいない。でも、この時点でビストルを上回れず。ビストルのノーマルに続くメダル確定。

そして・・・モルゲンシュターンがゲートに上がると、嘘のように風が止まった。シグナルが緑に、そして間髪をいれずに旗が振られる。地を這うようなアプローチから放たれたジャンプは一直線に140mに達した。しかもテレマーク入りで。誰もが彼の勝利を確信した。フィンランドの審判はご祝儀飛型点20点を出した。

最終ジャンパー、コフラー。モルゲンシュターンの大ジャンプを見て、自分のプレッシャーは吹き飛んだに違いない。風は止まったまま。ガツン!と飛び出した。高い飛行曲線を描いたジャンプは139.5m。しかし・・・飛行曲線の違いは、ヒルサイズに達するジャンプでは、ランディングに現れる。スキーが流れ腰が落ちた。飛型点が出て・・・微妙。

しかし、もう点数なんてトーマスとアンドレアスには関係がなかった。点数が出る前からブレーキングゾーンで抱き合う二人。結果はモルゲンシュターンが0.1点だけ上回って金メダルだった。

もし、フィンランドの審判のご祝儀飛型点が無かったら・・・・なんて野暮なことを言うのは止めよう。若い2人が新時代の幕開けを告げた。2人の勝利だった。

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