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August 22, 2005

PCでHigh Difinition音楽 その4 ~ケーススタディ~  PCオーディオ USBオーディオ オーディオカード 24bit/96KHz DAC 聞き専 AirTunes

少し待つのが正解という結論になったが、ここまで盛り上がってしまうと何かしらすぐにやってみたいと思うのが人の性ってもんだ(苦笑)。その後もいろいろと調べて、遠隔地で知りうる情報はかなり網羅したと思う。せっかく調べたのだから、それらの情報をまとめて、実現可能なプランをここにリストアップしてみよう。これは万人に有用な情報かもしれないので、タイトルにキーワードを入れておくことにする。言うまでもないが、ここの情報はネット上に流れる噂を総合したものであり、きちんと音を聞いて判断したものではない。だから、決して鵜呑みにしないこと!

前提条件は、24bit/96KHzを再生できること。マルチチャンネルは必須ではなく、2チャンネルのクオリティを追求。入力は必要なし(通称、聞き専)。貧乏なので費用対効果(C/P比)を激烈に重視したうえで、総合的な幸せ度で判断する。太字はそのコースでの個人的推奨機器。

1 お手軽コース1
USBオーディオインターフェースの廉価版を買い、ヘッドホンでモニタリング。
☆具体的な候補
Audiotrak/Optoplay・M-Audio/Transit USB・Editol/UA-1EX
☆利点
とにかく安く24bit/96KHzの再生環境が整う。ノートやオンボード出力からのアップグレードでは、これでもかなり改善度が高い(元が悪すぎるということだが)。デジタル出力を装備しているので、他のデジタル機器、例えば光デジタル端子を装備したアクティブスピーカーなどに接続すれば、さらに少し幸せになれる。
☆難点
USBバスパワーのため、音質は電源状況に依存する。ヘッドホンの出力が不足気味でハイインピーダンスのヘッドホンをドライブしきれない。アナログ・デジタル出力の品質は価格を考えれば頑張っているらしいが、過度の期待は無理。ノートの場合、電気を結構食う。
☆付帯情報
Optoplayの音は、値段を考えればかなりいいそうだ。ちょっとカテゴリから外れるが、CardbusインターフェースのEcho/Indigoシリーズが安定しておりノイズも少なく、ヘッドホン出力も高いらしい。ちと高いが、ノートからのヘッドホンモニタリングではこれで決まりか。

2 お手軽コース2
Envy24搭載のサウンドカードを買い、そのデジタル出力を外部デジタル機器に入力する。出力のクオリティを考えると、相手は光デジタル入力を備えたアクティブスピーカー、ミニコンポ、ヘッドフォンアンプとなるであろう。単体DACも可能性としてはアリだが、もったいないと思われる。サウンドカードにはいっぱい候補があって、デジタル出力の品質にそれほど大きな違いはない。オンキョーのSE-90ならアナログ出力を利用するのも悪くない。
☆利点
とにかくお手軽。デスクトップPCの音を改善するという意味ではもっとも現実的で選択肢が広い。ほとんどの人はこれでかなり幸せになれる。
☆難点
出力品質はPCの電源による影響を受ける。最終的に得られるクオリティは価格相応のもので、具体的には、5万円ぐらいのミニコンポの音あたりが出れば御の字と思われる(でも、このレベルで満足するのが一番幸せであり、実はもっともC/P比が高いのだ)。それ以上を目指し出力段にお金をかけるのなら、もっと入り口を頑張らないと意味がなく、そうなるとお手軽さが失われ、泥沼コース4へ直行

3 USBオーディオインターフェースコース
外部USBオーディオインターフェースを使い、デジタル出力。
☆具体的な候補
M-Audio/Audiophile USB・Editol/UA-25・Onkyo/SE-U55GX
☆利点と難点
セルフパワー動作の場合は、とりあえずPCの電源による影響を排除できる(とはいえ、このあたりのデバイスはACアダプターを利用するのでそれほど劇的に改善するわけではないが)。豊富な入出力端子があるので録音にも使えるが、そのために複雑でトラブルも多い。アナログ出力ではコース1よりは一段上の音を出す(とされている)。外部へのデジタル出力は1・2より確実に上で、単体DACやAVアンプへの接続でさらに幸せになれる。
☆付帯情報
Audiophile USBは基本性能が候補の中でもっとも高いと思われるが、アナログ・ヘッドホン出力の高域が落ちている(スペック上も22KHzとまり)という既知の難点がある。Editolは電源のノイズが大きいらしい。Onkyoは値段を考えれば音がイマイチという噂。もちろん、この手のデバイスは上を見ればプロ用のものまであるし、USBではなく帯域の広いFirewireインターフェースのものもある(RME/Fireface800とか・・・)。値段が上がれば特にアナログ出力のクオリティが上がるだろうが、その向上は投資に比例するとは言いがたいだろう(もちろんDTM用の機能はバリバリ向上するが)。したがって、2チャンネルの聞き専門なら、インターフェースは安く抑えてデジタル出力し、下流のDACに金をかける方が幸せ度が高いと思う。

4 PCIオーディオカードコース
DTM用の“低価格”PCIオーディオカードを使う。
☆具体的な候補
RME/Digi96/8 PADE-MU/1212m・ESI/Juli@・M-Audio/Delta66・Echo/MIAなどなど・・・
☆利点
これらのPCIカードは24bit DACとバランス入出力を備えており、アナログ・デジタルともにかなり安定した出力を行える。民生用サウンドカードとは一線を画す。質の高い外部DACとの組み合わせによる、ピュア・オーディオレベルの高音質再生が可能。
☆難点
この場合も結局はバス上から電源を取るため、PC内部のノイズ状態の影響をモロに受ける。カードの性能を発揮させるためには、音楽専用のPCを組み、内部に電磁波ノイズ、電源パルスノイズ対策を施す覚悟が必要だろう。電源に大型トランスをかますという荒業もある。また、下流の機器にもバランス接続のできる充分に良いものを使うべき。かなり高くつく。

5 AirTunesコース
AirMac Expressを買い、AirTunesを使って音楽データを無線LAN経由で飛ばし、AirMac Expressから光デジタル出力させる。
☆利点
実はこのAirMac Expressからのデジタル出力は相当にいいらしい。これは、最後の最後の段階までLANの非同期通信でデータを送るからだと思われる。このデジタル出力を適当なDACに入力すれば、実用充分な高音質再生が可能。前回書いた“デジタル・ミュージック・センター”に現時点でもっとも近い存在。
☆難点
基本的にiTunesを使うことを強いられる(Airfoilというソフトを使えば他のソフトからの音も飛ばせるが、現実的とはいえない)。無線LANを使うためレイテンシが大きく、動画とシンクロした再生などは無理。問題は、iTunes及びAirMac Expressが24bit/96KHzに現時点では対応していないこと。つまり前提条件を満たしていないということだ。それにこだわらなければ、現時点でC/P比最高のソリューションだと思われるだけに残念で仕方がない。

◎番外・評判の良い低価格DAC (上限2000EUR、下記価格は新品の現時点での売価)
☆Behringer SRC2496 119.00EUR
音は薄いがCP比は高い。筐体がペラペラ。
☆JOB DA-48 (現在、新バージョンは入手不可?)
オペアンプ交換でかなり分厚い音を出す。価格以上。
☆CEC DA-53 63,000円
USB経由ではヘッドフォンアンプとしても使用可能。音は薄味だが解像度は価格以上。
☆Benchmark DAC1 995.00EUR
中高音きれいで艶・潤いあり嵌る人は嵌る。低音は薄め。
☆Apogee Mini DAC (USB) 1159.00EUR
すべてにおいてレベルが高い。ヘッドホン出力も良。日本で買うと2倍の値段!
☆Grace M902 1843.24EUR
端正。色づけなく客観的。プリアンプとしても能力が高い。

DACは値段に正直なデバイスだと思う。たかだか十数万円で万人が認めるすばらしいDACは買えないと知っている。金を使わずにとことんやるなら自作やキット改造に走るしかない。DA-48の改造版がヤフオクとかで出たら買いだろうな・・・あぁGrace M902欲しい・・・ちょっと古いサイバーな感じのデザイン好き。でも高いよぅ。今の経済状況だとケルン大聖堂から飛び降りる覚悟がいる。

そして・・私の結論とは
予算の許す限りいいDACかAVアンプを買う。とりあえずAirMac Expressと安いユニバーサルプレーヤーを買ってiTunesとSACDを楽しむ。そして、“デジタル・ミュージック・センター”とHD音楽配信の普及を待つ。何のために調べたんやという噂アリ。でも、調べずに買って、思うように行かず後悔することが避けられて良かった。
さぁ、まずは金を貯めんとあかん(泣)。

(ふぅ、疲れた。方針は決まったので、後はゆっくり行こう・・・)

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Comments

はじめまして。大阪在住の中西と申します。大変興味深く拝見いたしました。itunesをいい音で聴く方法は無いものかとインターネットでいろいろと情報を集めていた所貴殿のホームーページを見つけました。とても客観的に分析されておられるのでとても参考になります。ありがとうございました。PCがiBOOKですのでAirMacExpressとm902,DAC1等のD/Aコンバータを買おうかと思っています。またちょくちょく拝見したいと思います。では

Posted by: 中西 | March 16, 2006 at 04:18 AM

どうもコメントありがとうございます。
丁度先週にStereoplay誌上でそのあたりのDACのテスト記事が出ておりました。勝者はRMEのADI-2でした。音楽性は無いものの非常に特性が優れているそうです。次点はDAC1でした。ADI-2はプロ用の機材ですのでデザインや使い勝手は好みが分かれるとおもいますが、一つの候補として考えても良いのではないかと思いました。

Posted by: Dr. K.S. | March 24, 2006 at 08:22 PM

PCにもオーディオにも詳しくないので、訳の分からないままネットを調べていたけど、このサイトが一番分かりやすく面白かったです。
ここを参考に色々調べてみようと思います。

Posted by: うん | April 06, 2006 at 01:06 AM

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