July 05, 2009

深く潜行中・・・

ジャンプの回顧をアップしてから、数ヶ月がたってしまった・・・。
季節はもう夏。そして、ダービー。

自分の周りでいろいろと変えていかなくてはならないことがあり、何かしら落ち着かない日々を過ごしていた。それもようやく落ち着いてきている。そろそろ、ブログの更新もできるようになるかもしれない。

そんななかで、競馬にはちゃんと向き合えないでいた。競馬は、片手間ではできない趣味だと思っている。もちろん、結果をチェックしたり、ストリーミングを見たりはした。でも、馬との一期一会を繋ぐことは、そういうものとはレベルが違う。

ダービー。シュレンダーハンのWiener Walzerが勝った。カリン・フォンウルマン女史へのはなむけか・・・ヨハンソンは本当に運のいいジョッキーだ。でも、今回は間違いなく騎手の腕で勝ったように思う。いや・・・・こういってはなんだが、ダービーを勝つべき馬がいないレースだった、というのが印象だった。この時期のドイツとしては異例の猛暑、乾いた馬場・・・・少なくとも、ドイツダービーらしくないレースだった。馬たちもへばっていたように思う。

音楽もほとんど聴いていない。猛暑のせいもあるけど、本当の問題はそれではない。そろそろ、オーディオのことをちゃんとして、音楽を聴けるようにしないといけないと思っている。これまで、根無し草生活ではできなかったことができると思う。自分の次の10年のパートナーとなる、本物のコンポーネントを選ぶときが来たようだ。

悩ましいのは、ファイルオーディオ(2Ch限定)に移行するのか、SACD(マルチを含む)を大事にするのかということ。お金はないから、デジタル領域でイコライザーを使いたいと思っている。するとこれが2者選択になってしまう。とても不条理を感じる。SACDをデジタルで扱って両立となると、もうこれはソニーSCD-XA5400ESとTA-DA5400ESの組み合わせしかないと思う。多分いいんでしょう。現実的な選択。でも、オーディオの楽しみという感じじゃないよなぁ・・・。ということで、二の足を踏んでおります・・。

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April 04, 2009

2008-2009年シーズン回顧 ベテランの矜持と競技の成熟

シーズンの回顧をせねばならないと思いながら、バタバタしているうちに2週間が経ってしまった。その間に伊東・伊藤コンビの雪印入社、そしてシュリーレンツァウアーの故障・手術という二つのビッグニュースが飛び込んできた。シュリーレンツァウアーの故障はひざの靭帯ということで心配したが、幸い軽いもので術後の経過も良好、後遺症はまったく残らないとのこと。伊東・伊藤コンビの雪印入社は、彼らの競技環境という意味では現状では最善だろう。もちろん、いろいろと心情的な問題はあるのだろうけど・・・・。また、雪印一極集中の危うさと、ジャンプ競技のスポーツとしての自立への道が見えなくなっている状況には、今は目をつぶるしかないのかなぁとは思う。

さて、回顧。
去年は明確になった世代交代を結論とした。しかし・・・今シーズンのベテランのがんばりを見ると、その見立ては拙速だったと反省せざるを得ない。

岡部の快挙を筆頭として、今年は葛西、マリシュ、シュミット、ヴァシリエフ、キュッテルが70年代生まれで表彰台に乗った。また総合2,3位のアマンとロイツルはそれぞれ81年、80年生まれである。総合15位までの全員の平均年齢はなんと27歳に達している。10代のシュリーレンツァウアーとラリントが入ってこれだから、いかにベテランががんばっていたかがわかる。逆に言えば、中抜け・・・20代中ごろの選手の伸び悩みがはっきり見える。V字の全盛のころに技術を固める時期を過ごしたために、指導現場での技術的な混乱があったのではないかと推察するが・・・・。

今年は技術的には大きな変化はなかったが、多少だが浮力が増大してきて、全体として前傾が深くなっていたと思う。また、BMIレギュレーションの定着によって選手のタイプが差別化され、条件や台によっての有利不利がかなりはっきりと見えるようになった。背が高く体格のいい選手、いわゆるパワージャンパーに多少の不利があるように思われるが、全体としては非常にフェアな状況に見える。オリのような昔の岡部みたいなジャンプから、クデルカのような原田タイプまで幅広い飛び方が許容されていた。

ただ、総合上位3人は「サッツでは前への速度をできる限り殺さないが、上にもちゃんとゲインするタイプ」で、飛行曲線は比較的高い部類のジャンパーになった。とりあえず、このあたりが主流なのだろう。一方で複数のジャンパーが、リスク承知で前に突っ込んでいくジャンプを試しているように見える。近い将来、潮目が変わるのかもしれない。

チーム別の回顧。
オーストリアは順風満帆に見えるが、実はロイツル以外は案外だったという見方もできなくもないのである。最後までつかめないまま終わったモルゲンシュターン、全然ダメだったコフラー、安定しないコッホ、怪我などもありイマイチ伸び悩む若手・・・そして、シュリーレンツァウアーはもっともっとブッチギリであって然るべきだったと思っているのだ。驕れるものは久しからず、という言葉が頭をよぎる、そんなシーズンだったんじゃないかな。

フィンランドは、大看板のアホネンが抜け、ホープのハッポネンを怪我で欠き、しかも指導部が変わった。この激変の中でよくやったと思う。ラリントはスター性、能力ともに申し分ない、次世代を担うジャンパーだ。来期、アホネン・ハッポネンが戻ってきたら、チームとしてはかなり磐石の態勢となるだろう。時代を先取りしていると思われるオリがトップを狙う展開もありえる。ただ、彼の場合は問題は技術云々じゃないからなぁ・・・。

ノルウェー。コヨンコフスキー体制になって初めて、試練とも言えるシーズンだっただろう。細かな故障などの影響はあったと思うけど、バーダル以外にまったく覇気が感じられなかったなぁ。唯一の光明はエーベンセンという物理的な有利さを持ったジャンパーが出てきたということだろう。ヨケルソイやロマーレンに代わり、ノルウェーのフリーガーの系統を受け継ぐことのできる存在だと思う。

ドイツはマルティン・シュミットの復活とシュスターコーチによる変革の効果が出て少なくとも去年の闇からは抜け出したように見えた。ただ、若手の駒不足はすぐに解消するものでもなく、これ以上を望むのは難しい気がする。問題は若手ホープといえるショフト、ヴァンクの二人の“身体的な”成長が止まらなかったこと。彼らはジャンパーとしてはかなり厳しいと言わざるをえないほど骨格がしっかりしてしまった。鍛えてパワージャンパーを目指すしかないが、それには何年もかかると思う。今のところ、見た中ではボドマーが期待できそうだが・・・。

日本はこれ以上ないぐらい明るいシーズンだったと思う。結局はベテラン頼みから抜け出せていないのは事実なんだけど、彼らのパフォーマンスが素晴らしいのだからいいじゃないか。今年は伊東が波に乗れないまま終わったが、状況を考えればそれも仕方がない。端々に能力を感じさせるジャンプはしていた。それを結果に結びつけるという意味で、雪印、斎藤監督の手腕に期待する。若手の二人にも厳しいシーズンとなったが、それも今後への経験というふうに捕らえて良いだろう。

東欧勢ではヴァシリエフの存在感が大きかった。今年、彼は5キロ以上減量してシーズンに望んだそうで、その成果が出た。ロシアは全体の底上げができてきている。あとは兵役帰りのカレリンが元の成長曲線に戻ってくれれば、将来は明るいだろう。マリシュががんばっているポーランドには若い才能がきらめいている。伸び悩んでいるように見えるけど、多分、もうすぐ出てくる。フラ、ジルツ、ストコフスキあたりの名前は覚えておいていい。

スロベニアはチームのゴタゴタもあって非常に厳しいシーズンとなった。若手も伸び悩んでいる。チェコは世界選手権に向けてがんばってはいたが、壁を破るとまではいかなかった。こちらもクデルカに続くジャンパーが伸び悩んでいる印象。チクルあたりがもっと来ると思っていたんだけど。

スイスは、チームとして振り返る必要はないだろう(汗)。アマン・キュッテル二人ともよくやった。フランスはチーム規模を考えれば躍進していると思う。シェダールは嵌れば表彰台に乗れる実力があったが、何故か運がめぐってこなかった。その他のチームはまったくWCレベルではダメだったなぁ。イタリアはなんでこんなにダメダメになってしまったんだろう・・・・。

最後に、今年は女子ジャンプが世界選手権で正式種目となるという節目があった。もう流れは止まらないと思う。オリンピックで正式種目になり、WCがテレビで放映されるようになるのも時間の問題だ。何よりも女子ジャンパーには他の冬季競技にない可憐さがある。アルペンや他のノルディック競技と違って、ゴツクない人の方が有利なんだから・・・・(汗)。

さて、こんなところです。来年はオリンピックイヤー。素晴らしい戦いが繰り広げられることを期待しよう。

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March 22, 2009

風・風・風  2009最終戦、プラニツァのフライングフェスティバル

今年もいよいよやってまいりました、プラニツァのフライング・フェスティバル。
ロマーレンの世界記録が破られるところを見たい・・・・アホネンの幻の240mを越える衝撃のフライトを見たい・・・とジャンパー達の負担を省みず、ファンは勝手なことを言う。そして、おそらくジャンパーにとっても、ここでは自分の限界を突き抜けるために飛ぶのだろうと、これも勝手に都合よく想像して、私はその欲求を正当化するのである。

ただ・・・今年のプラニツァはとにかく風が安定せず、公正を期するため待って待って待ちくたびれて・・・それでも最終的には競技の不公平さに対する非難の渦が巻き起こってしまうという、やるせない祭りとなってしまった。とはいえ結局強い奴が勝ったんだから、ジュリーは良い仕事をしたと褒められてしかるべきだろう。記録を塗り替えるシュリーレンツァウアーの今期13勝目とハリ・オリの新フリーガー野郎襲名を祝う3勝目を、とりあえず祝福する。そして、強いマリシュと葛西を再び目にできたことを喜ぼう。

ただ、そういう風の条件だからこそ、とんでもないジャンプが出ることがある。それを見逃したくないからテレビの前で待ち続けた。

キャンセルになってしまったが、日曜の1回目、アマン233mのフライトは待った甲斐があるものだった。急に強くなった向かい風のため4つもゲートを下げ、再開した後のこと。向かい風でもっとも危険なジャンパーであるオリが225mに終わり、これでみんな大丈夫だと思った・・・がそれをあざ笑うかのようなアマンのフライトは、とんでもない高さだった。おそらく、一番高いところでは10m以上地面より上を飛んでいたんじゃないだろうか・・・・飛型審判員の目の高さよりも上を飛んだと思う。ロマーレンやオリなどのフラットなフリーガーのフライトとは違う、ジャンパーによる高高度フライトだった。さすがに手を着いてしまったけど、良く立ったよ・・・。その結果、もう二つゲートを下げラストジャンパーのシュリーレンツァウアーから再開という奇妙なことになった。罪深いファン(私)はそのまますぐシュリが飛んでいたらと夢想して、そうならなかったことを残念に思うのであった・・・。

今年はこれで終了。
全体としてはまぁ、気候も安定していてまともなシーズンだったなと思う。
突っ込んだ回顧と来期への展望についてはまた後日にでも。

ジャンパーの皆様、来期オリンピックイヤーに向け、とりあえずゆっくり休んでください。素晴らしい戦いをありがとうございました。

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March 15, 2009

ハリ・オリの不思議 リレハンメル・ビケルスン

シーズンも終わりに近づき、試合にもゆるーい雰囲気が漂い始めた。
クオピオが終わった時点でシュリーレンツァウアーとアマンの差は200ポイントもあり、残り4試合のほとんどがフライングであることを考えると、もう、アマンに逆転の目はない。また、国別対抗でもオーストリアがダブルスコアーでトップを爆走。ノルディック・トーナメントもあるけど、今年は伝統のホルメンコーレン大会がないこともあってイマイチ盛り上がらず。これでは、緩い雰囲気になるのも仕方がないだろう。

リレハンメルでは、クオピオで涙を呑んだハリ・オリが大爆発して圧勝。ハリ・オリの嵌ったときの強さにはびっくりさせられる。この圧勝で彼はノルディック・トーナメントでも他を引き離してトップに立った。彼のフライングの力を考えたらセーフティリードに思えた。

ビケルスンに移ってのフライング。まず、チーム戦はオーストリアがシュリーレンツァウアーが2度とも転倒しながらも圧倒的に勝ってしまった。特に2回目は最後、向かい風の好条件でヒルサイズを17mも越える224mのフライト。転倒したシュリーレンツァウアーは頭を指差し、ジュリーの不可解な設定に対して猛批判。でも、彼のジャンプのバランス、そして集中力があればきちんと立つことはさして難しくなかったはずだよ・・・(特に1回目は)。さすがの彼もちょっと切れてきているようだ。

そのアピールの甲斐あってか、日曜の個人戦では非常に渋い設定となり、1回目、好条件だった葛西・ノイマイヤーの二人が200mに迫ったが、その後誰も200mを越えられない。特に最後の10人は非常に厳しい条件となり、アマンの完璧に近いフライトでも190mを越えるのがやっと。その条件でシュリーレンツァウアーはヒルサイズを越えた。恐ろしい能力だ。

2回目は少しだけゲートが上がったが、風の条件は厳しいまま。結局、200mを越えたのはアマンとヴァシリエフの二人だけ。最後のシュリーレンツァウアーは明らかな失敗ジャンプだったが、1回目のリードが効いて余裕の逃げ切り。今期の総合優勝を確定させるとともに、今期勝利数12となり、1シーズンの勝利記録(アホネン2005年)に並んだ。

オリは7位に終わり、結局、ノルディックトーナメントでもシュリーレンツァウアーに逆転を許してしまった。土曜日のチーム戦でもそうだったけど、彼は当たり外れが大きすぎる。それも、どちらかと言うと失敗と成功というよりは、条件が良いか悪いかという感じなのである。彼は高さを取らない「フラットなジャンプ」を意識的に飛んでいるため、追い風だとパタン、と落ちてしまう。逆に風が良いとシュリーレンツァウアーも真っ青の飛距離を叩き出す。次のプラニツァ、一回だけでいいから“当たって”世界記録を更新してもらいたい。

クオピオで快挙を成し遂げた岡部はリレハンメルの後、フライングを飛ばずに帰国。リスクを避け、来期オリンピックイヤーに向けて充電すると理解してはいるけど、個人的には残念で仕方がなかった。彼のフライング、見たかったなぁ。

一方、葛西は絶好調をキープしている。プラニツァでは伊東から日本記録を奪い返すかもしれないぞ!?
ところで、日本チームはプラニツァに行くのだろうか?

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March 11, 2009

岡部の快挙 クオピオ

眠い目をこすりながら布団から這い出し、昨晩つなぎっぱなしにしておいたライブスコアリングの表示を見た。Okabeの文字が一番上に見えた。

“あ、1回目の途中で中止になったのかな・・・”

しかし、Final Round Completedの文字。
夢の続きかと思った。岡部優勝。

素晴らしい、その一言。そして、その快挙を日本滞在中で見られなかったことが悔しい。
スコアから、1回目、2回目ともに後の方になるほど条件が悪くなるサバイバルレースとなり、WC総合上位のジャンパーが伸び悩んだことが見て取れる。でも、2回目の岡部は悪条件のなかできちっと飛んで、あとの3人を逆転したのだから、これはまったくフロックではないだろう。アマン、マリシュと“真の職人”が後に続いたところを見ても、まさに技術と精神力の戦いだったと言えるだろう。ライブで見たかったなぁ。葛西も踏みとどまって5位。湯本7位。日本チームの欧州合宿地であることによる、地の利もあったと思われる。

次は岡部が得意なリレハンメル、そしてビケルスンのフライング。もう一発、あるかも!

もう一つ嬉しいニュース。アホネン復帰!
面白くなってきた。
シュリーレンツァウアーが君臨するためには、越えなければならない壁がまだ、ある。


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March 01, 2009

メダルへの流れを引き寄せたスーパージャンプ!岡部は団体戦の神様だ! リベレッツ世界選手権

まったくもって不完全燃焼に終わったラージヒル個人、そして非常に面白かった団体。安定しない風と、風の影響を受けやすい台がもたらす光と影・・・。

個人戦はせめて2回飛ぶことができたならば、ある程度均されて公平になっただろう。だが実際は1回目だけで打ち切りになってしまったから、まさに風のちょっとした違いだけでメダルが決まってしまった。とはいえ、2回目があったら・・・と言っても仕方あるまい。これもスキージャンプだ。キュッテルとマルティン・シュミットのジャンプは今年一番と言えるほどの完成度の高いジャンプ、メダルに値するジャンプだった。それに、キュッテルはオリンピック・世界選手権では運に見放され続けてきたジャンパーの一人だと思う。彼ほどのジャンパーが一度もメダルを取っていないのは不条理だから、一度ぐらいはこういうことがあってしかるべきだろう。トレーニングから好調が伝えられていた日本選手達は風がまったく当たらず、残念な結果に終わってしまった。

そして、団体。団体は8本飛ぶから、長野の原田のようなことでもない限り、条件の有利不利はかなり均されてしまう。でも、心理的な部分では初めの方での失速は後のジャンパーに大きな影響を及ぼすから怖い。一本の失敗がチーム全体をネガティブスパイラルに落とし込む。だから、個人戦では不条理感しか生まない風のいたずらは、団体戦ではジャンプの心理的な側面、面白さを際立たせてくれる。

その罠にかかったのはドイツだった。確かに、ドイツ(とその直前のロシア)は順番的に条件が悪かっただろう。この台は追い風で失敗、特に踏み外し気味でスキーを体に寄せるのが遅くなり、マキシマムが稼げないジャンプしてしまうとパタンと落ちてしまう。この“フラットなジャンプ”はリスクを承知で一発を狙ったときに出やすい。2人目のホッケの失敗で沈んだドイツだったが、4人目のシュミットが普通に飛べれば2回目に進出して風を待つことができた、はずだった。しかし、シュミットは追い風でこの狙いすぎたジャンプをしてしまった・・・。万事休す。

日本は逆に、1回目の栃本・岡部が素晴らしいジャンプをし、それが後々にポジティブなスパイラルをもたらした。そして、2回目の岡部!確かに条件は良かった。でもそれだけで135mには行かない。全選手でもっとも遅い92.0Kmの飛び出しで、あの高さ!まさに神がかり的パフォーマンスだった。でも、全体として日本が風の条件が良かったとは思わない。伊東・葛西の4回のジャンプはそれぞれかなり悪い部類の条件だったように思う。ちょっとでも失敗したら上記シュミットや、フィンランドのラストジャンプ・オリのような大失敗になってしまう、そういう条件だった。彼らの耐えに耐えたジャンプは、派手さはないがメダルに必要不可欠なものだった。そして、それを可能にしたのは岡部のスーパージャンプだった。彼が作り出した流れが後の2人から失敗に繋がる雑念・欲を消し去った。金メダルに輝いたオーストリアでは、頼れるお兄さんロイツルがそういう流れをもたらし、一度も先頭を譲らずに完勝した。一方、そういう流れを作れなかったドイツ、そしてフィンランドは同じように最終ジャンパーの大失敗で沈んだのである・・・。

それにしても、岡部の団体戦での強さには脱帽する。長野の団体金メダルの立役者が岡部であることは明白だが、あまり知られていない事実。リレハンメルの銀、札幌世界選手権の銅も彼の役割が非常に大きかった。そして今回。その理由の一端は、彼が“飛び出し速度をもらえればどこまででも飛べる”ジャンパーであるということにあると思う。彼がよく飛ぶ2番手は各国のエース級が入らないので、1段、2段ゲートが上がる。そこで飛び出し速度をもらい、大ジャンプで一気に流れを作る・・・この戦略は岡部なくして成り立たない日本団体のお家芸となっている。

さて、終わりよければすべて良し。
残りのWCはシュリーレンツァウアーがタイトルに突き進むだろうから、そういう意味では惰性的なものになっていくだろう。急に気温が上がってきたのも心配だ。
個人的にはフライングで岡部が風をもらったときにどんなフライトをするか、興味津々なのである。ドイツのコメンテーターがいちいち“38歳で”と言う口を封じるような活躍を見たい。

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February 21, 2009

世界選手権開幕

女子ジャンプ初の世界選手権、もうちょっとマシな天気でやらせてあげたかった。雪、ときどき追い風・・・・ある意味公平ではあったと思うけど、この条件だとパワータイプのジャンパーが有利になる。男子とは違う、軽さと繊細さでの勝負を見たかったのに、逆にアドレナリンと乾坤一擲のパワーの勝負になっちゃった。日本選手にはかわいそうな舞台だった。

女子ジャンプをちゃんと見るのは初めてだったけど、選手達の技術はかなりのレベルに達していると感じた。特に、トップの数人の技術は男子のWCレベルに充分達している。全体の底上げが今後のオリンピック正式種目への鍵となるだろう。面白かったのは、考えたら当然なんだけど、ちゃんとお国柄が技術に表れているということ。ダニエラ・イラシュコのジャンプはモルゲンシュターンにものすごく似ているし、アネッテ・サーゲンはヨケルソイのよう、そして渡瀬あゆみの2回目のジャンプは日本人らしい、空気を味方につけるジャンプだった。そして・・・銀メダルのウルリケ・グレッスラーには参っちゃった。ドイツでは純粋に競技能力ということではマグダレーナ・シュヌアーの方がずっと潜在能力がある思うけどね・・・・・。

そして、今日の男子ノーマルヒル。雪こそないけど、風は舞っていて“Windkorridor”状態。かなり風の有利不利が影響する戦いとなった。しかし、結局全体としては均されて公平な戦いだったと言えるだろう。

1回目、とてもいい風をもらったのはまたしてもハリ・オリだった。彼は軽さを武器とするジャンパーだから、もともとノーマルではノーチャンスのはずだった。でも、風があれば、それを最高に生かせるのも彼なのだ。

しかし、2回目はほとんど向かい風のないタイトな戦いとなった。特に最後の8人は厳しい条件で飛んだと思う。結局100mを越えたのは1回目4位だったモルゲンシュターンただ一人。このジャンプは今日のベストジャンプだったと思う。しかし、ランディングでスキーを取られて転倒、めちゃめちゃ悔しがっていたけど、それも当然だろう。計算上はきちんと立っていたら金に届いていたかもしれないのだから。次に飛んだシュリーレンツァウアーから更に条件が厳しくなったと思う・・・その中でのシュリーレンツァウアーとロイツルの飛んだ99mは素晴らしいパフォーマンスだった(銀・金)。逆に風使いのヤコブセン・オリの北欧コンビは大失速(ジャンプも悪かったけど・・・)。結局、2回そろえたアマンが残って銅メダルだった。

ロイツルはパワー・安定性・ランディングというノーマルヒルで勝つための要素を兼ね備えているのだから、ある意味予定調和の金メダルといえるだろう。シュリーレンツァウアーは銀でも多少不満の残るパフォーマンスに見えてしまう。逆にアマンはランディングに難を抱え、しかも風使い系でもあり、ノーマルでの3位は好調の証と見ていい。また、転倒は残念だったけどモルゲンシュターンは絶頂期のパフォーマンスに戻っている。ラージもやはり、この4人の勝負か。とはいえ、このリベレッツでは風の女神のいたずらが勝負を決しそうな気配だな・・・。

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February 17, 2009

シュリーレンツァウアー、覇道への通過点となるか 世界選手権予想

シュリーレンツァウアーの能力は、少なくともこの瞬間は、史上最高と言っても間違いないと思う。18歳にして20勝の壁を既に突破してしまった。アクシデントがない限り、記録の面ではニッカネンの域に達するのは時間の問題だ。

その彼にとって、今回は勝たなければならない世界選手権だと思う(もちろん、ラージヒル個人のこと)。通過点に過ぎない、と言わんばかりにあっさりチャンピオンになって欲しいと思っている。

しかし・・・彼はまだやっぱり若い。精神的に波が大きい。前回のオーベルストドルフのフライングではジュリーの裁定に腹を立ててしまい、自滅した。ほぼ同じ条件で、アマンはきちんと2回揃えて4位に入っている。こういうことが起こる可能性はある。

シュリレンツァウアーを食ってやろうと虎視眈々と狙うのが、二人の金メダリスト、アマンとモルゲンシュターンだというのも、皮肉なものだ。アマンの調子は戻っている。モルゲンシュターンはここだけに標準を合わせ、じっくり調整した。この二人がバッチリ決めたとき、シュリーレンツァウアーが普通の精神状態で飛べるかどうか、ここが勝負の分かれ目だ。

私は穴党だから・・・以下が予想です。

ラージヒル個人
金 アマン
銀 モルゲンシュターン
銅 シュリーレンツァウアー

私はアマンが大爆発する方に賭けます。シュリーレンツァウアーは1回目にアマンの大ジャンプのプレッシャーに負けてイマイチに終わり、2回目に大ジャンプで盛り返すも銅まで、という予想。

ノーマルヒル個人
金 シュリーレンツァウアー
銀 ロイツル
銅 クデルカ

新しいプロフィールの台では、ラージとノーマルの差は思ったより少ない。シュリーレンツアゥアーはノーマルも飛べるはず。クデルカはマキシマムが高いジャンパーで地の利もあるので、ノーマルでの大穴だと思う。ロイツルはノーマルでメダルを取りたいところ。

ラージヒル団体
金 オーストリア
銀 フィンランド
銅 ノルウェー

金はオーストリアで仕方がないと思う。フィンランドはちゃんと4枚揃っているので、思ったより団体は強いだろう。ノルウェーはヒルデの調子が戻らなかったのが痛い。

女子は楽しみだけど、実際見ていないので予想しようがないなぁ。

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February 15, 2009

風の回廊 オーベルストドルフ・フライング

世界選手権の直前にフライングがあるというのは、誰の目からも無理のある日程だ。
日本代表の5人は欠場し、フィンランドで調整。賢明な選択だと思う。もし賞金10万ユーロをかけて行われたFIS Team Tourがなければ、トップチームからも多数欠場していただろう。

今週のヨーロッパは荒れ模様の天気で、季節外れの吹雪に凍結ということで各地で交通が麻痺した。そんな中で行われるフライングが、風に翻弄されるのは仕方のないことかもしれない。

土曜日は特にひどかった。かなり強い雪が降り続き、しかも風が舞っていた。こういう風の条件をドイツ語ではWindkorridor(風の回廊)と表現していた。運営側は人海戦術でアプローチに溜まる新雪をブロアーで吹き飛ばしながら、インターバルを短くしてどんどん選手を飛ばせるという戦略で競技を進めようとした。しかし・・・これが上手くいかず、非常に不公平感の残る試合となってしまった。初めは良かった。しかし、1回目が後もうちょっとで終わるというところで急に向かい風が強くなってきた。それでもジュリーはとにかく1回目を終わらせようとして、どんどん選手を飛ばせた。しかし・・・ハリ・オリがK点を越えたところでもらった秒速2m以上の風は強烈で、彼を平らなところ、225.5mまで運んでしまった。このままの状態でシュリーレンツァウアーを飛ばせるわけにはいかなくなったジュリーは、後4人の時点で初めからやり直すか、ここで風が収まるのを待つかという選択を迫られ、後者を選択。5分ほどの中断の後、競技再開。当然、最後の4人には風の助けがなかった。

これには、普段温厚なマルティン・シュミットも公然とジュリー批判。彼はハリ・オリの次に飛ぶはずだった。フライングを飛ぶ直前の極限状態で、条件が悪くなるのを待っているうちに、どれだけやるせない気持ちになるのか、こちらには想像することしかできないけど・・・。シュリーレンツァウアーは追い風で1回目8位に終わり、WCの連勝、フライングの連勝ともに絶望的になってしまった。彼は、1回目降りてから競技が終了するまでずっと、不機嫌を通り越して笑っちゃうしかない、と言いたそうな顔をしていた。2回目も力の入りすぎみたいなジャンプで弾けず。結局、1回目のジャンプは風だけじゃないと、2回目も最長不倒をマークしてハリ・オリが圧勝した。

日曜のチーム戦は一転、ずーーーっと追い風。ある意味公平なのだけど、昨日のこともありジュリーは非常に渋い設定を選択したものだから、フライングの醍醐味の薄い、面白くない試合となった。FIS Team Tourでトップに躍り出たノルウェーは、フリーガーを4人揃えて圧勝するつもりで臨んだが、逆に彼らの技術の追い風に対する脆さを思い知らされることになってしまった。結果は、ハリ・オリに引っ張られたフィンランドが、必死に食い下がるロシアとシュリーレンツァウアーを温存したオーストリアを抑えて優勝。ノルウェーは4位に終わったが、なんとかFIS Team Tourのリードは守りきって10万ユーロ獲得。

ハリ・オリのフリーガー適性は本物らしい。また、アマンやカイテュリといった比較的低身長のジャンパーがよく飛んでいた。これは、長身痩躯タイプでなければフライングは飛べないとされた数年前の状況から考えれば、明らかな変化だ。もちろん、コッホとか、あるいは新たに出てきたエーベンセンみたいな長身痩躯タイプの有利性もまだあると思うけど、軽さというか、骨量が重要であるだけで身長はあまり関係なくなってきたように思う。

さて、次は世界選手権。
明日にでも予想をしてみようと思ってます。

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February 13, 2009

ビシュコフ渾身のブラ4 

久しぶりにWDRシンフォニーオーケストラを聴きに、ケルンフィルハーモニーへ。
ブラームスの交響曲第4番は大好きな曲の一つ。あのちょっと節操のなさといいますか、肩の力の抜けた楽しさが好きで高校生の頃から繰り返し聴いている曲だ。

率直に、いやー、ほんとに良かった。スケールの大きい演奏だった。WDRシンフォニーオーケストラは低弦部が特に素晴らしいので、こういう下の支えのしっかりした曲は得意みたい。ビシュコフの「爆演」、ようやく見ることができた気がする。唸り声がはっきり聞こえた(笑)。

カップリングはモーツアルトのピアノ協奏曲23番。クラシックを聴かない人でも知っている超有名曲で、こちらも良く聴いている曲。注目はソリストの田村響。弱冠22歳の彼がビシュコフ相手にどういう演奏をするのだろうと興味津々だった。しかし、うーん、ちょっと堅さが目立ったかな~。たぶん、実力の半分も出ていないんじゃないかな。もっとガンガン弾ける曲の方が良かったかもしれない。

それに、ここのところ湿っぽい陰性な気候が続いているからか、弦、ピアノともに音が伸びない感じで、その音がモーツアルトの軽く陽性な曲と合わないように感じた。気候と曲の相性ってあるんだな。

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«18年の歳月を越えて ヴィリンゲン