January 28, 2012

力の勝利 おめでとう! 

0.1点差・・・・しかし、風の恩恵を受けたのはバーダルの方。
ウインドファクターによる得点修正の恩恵での勝利では決してない。
伊東は2回とも下の風が弱かった。他のジャンパー、例えばモルギーやコフラーがもし伊東と同じ条件だったら、たぶんバーダルに勝てていない。あの条件であそこまで伸ばせるのは、彼だけだ。

素晴らしい勝利だった。
日本の選手が風の助けなく、力で勝ちきった試合を見たのは何年ぶりだろう。
おめでとう!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 21, 2012

ストッコ、マリシュからのバトンをしっかりと受ける ザコパネ

暦の上では大寒に入り、さすがに多少は冬らしくなってきた。とはいえ、城の堀が凍ることもなく、小鳥のさえずりも聞こえている。このまま今年の冬は去っていくのだろうな、と感じる。

日本チームも、マリシュもいないザコパネのWC。ちょっと寂しいけど、幸いなことにマリシュが残したザコパネの熱は冷めていなかった。

金曜は風が舞い、かなり風の運不運のある試合となった。特に、1回目の最後の方で急に雪が強くなり、モルゲンシュターンは転倒、次のバーダルは全然スピードが出ずに失速。最後のシュリーレンツァウアー、コフラーの2人は雪が弱くなり風が良かったので何とか2回目には残ったけど、勝負に入るには絶望的な位置となった。2回目は全体としては1回目よりはマシな条件だったけど、風が舞っていることには変わりなく・・・・そんな中で一瞬の向かい風を捉えたのはポーランドの王子、ストッコだった。その前とその後に飛んだドイツの2人、フライタークとフロイントには追い風が吹いていた。あまりにも露骨なザコパネの風神の地元の王子へのサポートに少し苦笑しながらも、やっぱり地の利と人々の躁念というのは凄いもんだなと思った。来週の大倉山では、日本人の念で同じことを起こさなくてはならないのだが、無理かな。

土曜日は雪もなく、風も安定して追っていて非常に見ごたえのある良い試合となった。ストッコは1回目にちょっとあわせたような大人しいジャンプで沈み、連勝はならず。やはりすごいプレッシャーがあるのだろうなと感じる。2回目はいつものアグレッシブさが戻って伸ばしただけに残念。公平で良い条件になると、シュリーレンツァウアーに勝つのはかなり難しい。フライタークはこの台にすごくフィットしていて2回、素晴らしいジャンプをしたのだけど、シュリーレンツァウアーは80%でそれを上回った。昨日はひどい目に合ったバーダルが3位、2回目ちょっと吹かしたコフラー4位ということで、力どおりの結果といえるだろう。

後半戦に向けて少し勢力図が変化してきた。オーストリアの牙城は揺るがないが、他チームとの差は少し縮まってきた。オーストリアではロイツルが復調してきているのを感じる。パワー感が戻ってきているので、方向性とかアプローチとかの微調整で大化けする感触があるのだ。一方でモルゲンシュターンは何かバランスが悪い。金曜に転倒したのもそれが原因だ。ノルウェーはロマーレン、エーベンセンの2枚フリーガーが故障もあり不調ながらも、若手の底上げが著しく先行きは明るい。また、フィンランドもハッポネンとコイブランタが良化してきて底は脱した感じになってきた。全体のレベルが上がったのでトップ30に残るためのハードルはかなり高くなっている。どうやら、予想に反してかなりのトップジャンパーが札幌に向かうようである。WC総合の上位が接戦になっているからだろう。大倉山では、日本のチーム力が問われるような、ハイレベルの戦いが見られそうだ。とにかく好条件を祈る。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 15, 2012

追い風とチャックに翻弄された一日 フライングWC タウプリッツ

年が明けても一向に冬らしい気候にならない。毎日、どんよりと低い雲がたれこめ、霧雨のような雨が降る。心も体もジメジメとしてくる。今週末はようやく寒気が入って太陽が見られたが、山の方ではそれが雪を呼び、タウプリッツのフライングはぶっつけ本番で日曜に2試合という強行軍となった。去年まではテレビとかでもこのフライングの台をバートミッテンドルフと呼んでいたと思うんだけど、今年はタウプリッツの方で統一している感じなので、そう呼ぶことにしよう。

試合の方は、古いプロフィールでの台でのウインドファクターコントロールの難しさを痛感するような試合だった。全体としてはそれほどひどい風の状況ではなかったと思うんだけど、追い風と向かい風の違いが、超低速設定で大きく拡大されて・・・・そして、その超低速設定を引き起こした張本人が伊東だったことは、日本人にとって大いに勇気づけられることだった。

午前の一本勝負は風の有利不利で試合が決まってしまった。伊東はいい風もらいすぎてまた尻餅ランディングになってしまったし、シュリーレンツァウアーはまったく風がなくて沈んだ。ちょうどいい風をもらったクラニェッツが、完璧なフライトで優勝した。

午後はなんというか・・・・バタバタ劇になった。一回目の伊東のフライトは痺れたなぁ・・・ちょっと踏み外し気味に低く出たのでマズイ、と思ったらそこから風ともいえないほどの気流を捕らえてすーーーっとヒルサイズを超え、完璧に着地した。これには驚嘆させられた。

びっくりしたのは自分だけではなかった。このフライトが2回目の超低速設定を生んだ。向かい風がなくなり、追い出すと、ほとんどのジャンパーは200mはおろかK点の遥か手前で落ちた。この条件でのモルギー、ストッコ、バーダルの180m越えは凄い。そして、最後はシュリと伊東の一騎打ちだ、と意気込んだのだが・・・・・なんとここでシュリのスーツのチャックが崩壊wobbly。焦るシュリ、焦る回りの人たち。3万人が待っている中、スターのシュリがこれで飛びません、とは行かないのである。最後は無理矢理荷造り用ガムテープで止めて飛んだが・・・やっぱり飛んでいる途中で開いてしまった。当然、失格である・・・。

そんなどたばたの中で、ラストジャンパーの緊張感を維持できるわけがない。伊東も壊れたチャックの被害者であった。1回目の貯金が効いて2位にはなったけど、なんとも笑っちゃうような形で勝利は彼の手の中からバーダルへ。バーダルはこれで今季2回目のタナボタ優勝だけど、他の大会では不利をこうむっている事が多く、結局はコンスタントに実力を発揮しているからこその幸運である。伊東もそうやっているうちに簡単に勝つだろう。

あと、モルギーのフリーガーモードチェンジは本当らしい。本気でフライング世界選手権でのメダル、狙ってると思う。

今回、竹内は順位こそイマイチな感じに終わっていたけど、彼のフライトの完成度は素晴らしいものがあった。風の回り次第では表彰台に届いてもおかしくなかったと思う。たぶん、大倉山では伊東と竹内の一騎打ちになるだろう。彼らの状態を見たら、普通の判断では有力どころは日本に行かない、いや行けないよ。

女子の方ではユース五輪での高梨の金メダルは嬉しいし、彼女にとって良い経験になったことだろう。ただ・・・・ヘンドリクソンを始めとして有力どころはみんなバルディフィエメのWCの方に回ったため、戦いとしてはもう不戦勝みたいな感じだったのが残念。皮肉なことに、そのWCではお姉さま世代対中学生世代の凄い戦いが繰り広げられて、レベルとしてはずっと高かった。ヘンドリクソンとイラシュコの戦いはシュリーレンツァウアー対モルゲンシュターンを髣髴とさせるもので、「WCとは言ってもねぇ・・・」と内心思っていた自分の目を開かせるものだった。彼女はこの戦いの中にいた方が良かった・・・いやいるべきだったのではないか、と思ってしまったのである。金メダルにけちを付けるつもりは毛頭ないのだが・・。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 07, 2012

シュリーレンツァウアー、メンタルの成長を示す ジャンプ週間最終戦 ビショフスホーフェン

今週のヨーロッパはスキージャンプができるような天気じゃなかった。平地でも突風や雹で被害が出るぐらいだったのだから、山の方では何が起きても不思議じゃない。よく、曲がりなりにも試合が成立して大筋でまっとうな結果になったものである。ウインドファクターの運用がこなれてきたことも大きいと思うが、なによりも運営に携わる地元の人々の努力の結果だと思う。

仕事の都合で昨日の試合はライブを見ることが叶わなかったのだが、それでよかった(苦笑)。なんとか7時ごろに家に帰り着くと、まだ放送が続いていたのにはびっくりした・・・降り続くみぞれ交じりの雪が止むのを待って待って・・・という試合だった。10人以上の雪吹き飛ばし隊も、このフラットなビショフスホーフェンではべた雪には効果がなく、テストジャンパーによる人海戦術にも限界があり・・・・万策尽きて7時9分、ファイナルラウンドはキャンセルになった。

録画放送を見るも途中でうとうとしてしまって、伊東やモルギーのジャンプは見逃してしまった。でも、最後のコフラーのジャンプは眠気を吹き飛ばすようなジャンプだったな・・・乾坤一擲とはこのことだ。シュリの130m超を受けて、逆転にはヒルサイズが必要だった彼は、まるでクデルカのように前に突っ込んでいった・・・・残念ながら飛び出し付近の風が追っていたために失敗に終わったけど、このチャレンジはかっこよかった。好きだなー、こういう勝負師マインドを持ったジャンパーは。

これだけ荒れ続けても、ジャンプ週間の総合結果はオーストリアの表彰台独占となった。地の利も含めて、大きな差が他のチームとの間にあったと認めざるを得ない。シュリーレンツァウアーはメンタル的に難しい試合が続いたが、安定した飛躍をつづけて勝ちきった。精神的な成長を感じる。もちろん、チームのメンタル面でのサポートも大きいのだろう。今季はこのまま突っ走る可能性が大きい。

最終的に2位にはなったが、今年のモルゲンシュターンはイマイチ力感がない。減量による体力低下を心配していたのだが・・・・ビショフでの飛躍を見て、もしかしたら・・・今年の彼はビケルスンのフライング世界選手権だけを見すえて、フリーガーにモードチェンジしようとしているのではないか?と思ったのである。次のフライングで見極めよう。

ビショフでの大爆発に期待した伊東だったが・・・天には勝てません。今回のパフォーマンスは彼の実力を考えれば驚きではない。ただ、自身の調子・チームの調子がうまく噛み合って、ピークがジャンプ週間に来ることはそうあることではないのだから、もうちょっとまともな試合をさせてあげたかったな、という残念感がある。まぁ、この調子を続けられれば運が回ってくることもあるでしょう。日本チームにお願いしたいのは、調子が落ちない限り、彼と竹内はできる限りWCに参戦させてあげて欲しいと言うこと。ほんと、お願いします。

最後にひと言、葛西のWC400戦到達は本当に凄い記録だと思う。年20戦出ても20年かかるのだから・・・・ヨーロッパの選手なら全戦出場は難しくないが、日本からではそうは行かない。しかもチェコンやマリシュやアマンのようにチーム内に競争がほとんどないわけではなく、メンバーに選ばれるためのハードルはずっと高かった。この記録はその中でどれだけ安定して参戦してきたかを示すものであり、だからこそヨーロッパの人たちも賞賛するのだろう。これからも末永く。まぁ、伊東や竹内の活躍を賞賛しながらも悔しさを押し殺しているのがありありとわかるブログなどのコメントを見る限り、大きな怪我さえなければ続くでしょう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 04, 2012

ホームアドバンテージもほどほどにしてくれよーと叫びたい ジャンプ週間第3戦 インスブルック

「あー、ダイキイトウ、ノーチャンスだこれは」、は解説のジークムントが伊東がスタートしてすぐに発した言葉だった。実況のティーレは「そう言うのはさすがに早すぎるんじゃない?」とすかさず茶々を入れる。この時まだ、伊東は飛び出していない。最近、この2人の実況はこんな風に、一人がコメントしてそれにもう一人が突っ込むというスタイルになっている。しかし、ジークムントは正しかった。飛び出し付近で吹いていた秒速3メートルの追い風は、パーフェクトに飛び出した伊東を叩き落した。彼だから90mまで行ったが、他のジャンパーなら危険だったかもしれない。

とにかく、今日の試合はかなりの部分、ベルクイーゼルの風神が決めたようなものだった。この台は0.5mでも追えばほとんどノーチャンスなのだ・・・・スカンジナビアに次々に押し寄せる猛烈な低気圧の影響は、盆地で風が少ないインスブルックでも大きかった。そして、風神は地元の子をふんわりと守り、その敵である伊東とストッコを落とした・・・・・。ま、子供の頃からの夢を実現したコフラーの感極まった表情を見たら、それでよかったのかなとも思うけど。コフラーの逆転勝利によりシュリーレンツァウアーのグランドスラムの夢は潰えたが、残り1戦で17点の差は、逃げ切るのには充分だろう。次のビショフスホーフェンはジャンパーのコフラーよりもフリーガータイプのシュリーレンツァウアーに有利だし。

もちろん、竹内の表彰台は嬉しい。2回目ちょっと踏み外しても世界と戦えたということは、自信に思っていい。とうとう突き抜けたね。伊東とはタイプが違うから、2人がいい意味で補完しあっていけるといいな。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 01, 2012

オーストリア帝国に立ち向かう日本 ジャンプ週間第2戦 ガルミッシュ

「勝てる」
そう、心から感じた。

今日の伊東の2本のジャンプは、そのパフォーマンスにおいてシュリーレンツァウアーやコフラーに比肩できる、いや、凌駕しているものだった。すばらしいサッツのキレ、そしてスムースな体勢移行。いいときのマリシュやアマンに匹敵するジャンプだったと思う。条件が合い、きちんとランディングできていたら勝っていた。あとは神様のさじ加減だけだ。それを呼び込むには、このジャンプを続けるしかない。コンディションを整え、自分のジャンプに集中すれば、結果はついてくる。

竹内の2本目は気持ちのいいジャンプだった。いい風を捕らえて、何かこう、突き抜けた感じ。この感覚って、たぶん、ジャンパーにとってとても大切なものだと思う。

日本のジャンパーにとって、ここは間違いなくアウェイだ。しかも次の2戦は目下の敵2人の地元。そこで彼らに一矢報いることができたなら、それはもう偉業だと思う。インスブルックは日本チームにとっては落ち着けるところだし、ビショフスホーフェンは伊東がブレイクした場所。期待して応援したい。

オーベルストドルフで転倒したヒルデは胸椎骨折の重傷だった。しかし・・・彼はコルセットをつけ、痛々しい擦り傷でいっぱいの顔でメディアに顔を出し、笑顔でしっかりとインタビューに答えていた。その姿勢は素晴らしいと思った。残念ながら彼が飛ぶ姿は今季は見られないだろうけど、また戻ってきた時は応援したい。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2012年

あけましておめでとうございます。
2011年はいろいろあった・・・・そして、世界が大きく変わる分水嶺・・・人の物質文明が膨張から退縮へと遷移する年だったと後年、評される年だったのではないかと感じている。変化にしたがっていろいろと軋轢も生まれるだろうけど、この変化自体は悪いことではない。どちらにせよ、このまま行けるわけはないのだし。

最近、電気自動車のCMに腹が立つ。まるで電気が排出ゼロのような言い方をするから。本当のエネルギー効率をちゃんと示しなさい。その自動車を生産し、維持するコストも含めて。電池に使われるレアアースを掘り出し、精錬し、加工し、運ぶのにどれだけエネルギーが使われている?電気を電線で送るときにどれだけロスする?100年以上の歴史がある内燃機関の効率を超えるのは容易じゃないのだよ・・・・。それに、本当は車を減らすことが大事なのに。

「まやかし」を見破る目が求められている。「まやかし」は言葉や数字だけの話ではなく、今の世の中にあふれている。食べ物がその際たるもの・・・そして、芸術や科学と言われているものたちもそう。自分の五感で感じたものを大事にして、本物を見極め、行動したい。しかし、人々のその五感がいろんなことで鈍ってしまっている、それが現代の問題だと思う。

個人的には去年はしんどい年だったかな・・・・表面的には大いなる停滞。でも・・・・飛ぶためには縮みこむ必要があり、内面的には少しは進んだ感じがある。不惑には程遠いけど、このままでいいんじゃないかとも思っている。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

December 30, 2011

嵐の余韻の中で ジャンプ週間第一戦 オーベルストドルフ

夜中にゴウゴウとうなる風の音で目が覚めた。稲光、そしてすごい雷鳴。あぁ、またなんで週末に、それも今日からジャンプ週間なのに・・・。幸いにも嵐は朝には去り、日中はそれなりに穏やかだったが、時折吹く突風が嵐の余韻を感じさせる。これは今日は荒れるぞ、と思いながら家路を急いだ。

えてして、オーベルストドルフは風の回廊、Windkorridorの中にあった。開始時にはボタン雪も舞い、風を待つこともできない。追い風が吹けばノーチャンスという状況の中で、葛西とダムヤンが向かい風をつかまえて125mを超えた。ゲートが2段下がった。おいおい、ちょっと待ったほうがいいんじゃないか?

悪い予感は的中する。向かい風は続かず、ボタン雪でスピードも出ない。そんな中、伊東が一瞬の風を捕まえてヒルサイズに達した。ジャンプも素晴らしかった。体の切れが戻っていた。しかし、その後また追い風が強くなる。100mぐらいに落ちていくジャンパーたち。マルティン・シュミット、フライターク、そしてシュリーレンツァウアー・・・・これはさすがにまずいんじゃないか。1本目のジャンプでジャンプ週間が壊れてしまっている。でも・・・伊東は明らかに勝つチャンスだし・・・もう数人で1回目も終わりだしこのまま行こうよ、という悪魔のささやき。だがジュリーは1回目のやり直しを決断した。正しい判断だろう。

やり直しも風の状態はあまり変わらなかったが、運良くひどい風が有力どころに当たることはなく、まぁこれでいいのかなという結果に収まった。伊東も130mを飛んで、幻になったジャンプが風によるフロックではないことを証明してみせた。

2回目は全体としてはずっと安定していたが、やはり時おりクルッと風向きが変わる。ヒルデが下のほうで急な向かい風を受け不安定な着地となり、新雪でゆるいランディングバーンに脚をとられて転倒した。かなり痛そうな、危ない転倒だったので心配だ・・・・。最終結果はまぁ、実力を反映した妥当なものとなったんだけど、なんで伊東のときは安定した追い風だったのに、シュリーレンツァウアーとコフラーはあんなにいい風をもらえるのかな。まぁ、コフラーの場合は風が良すぎて無理矢理降りる形となって危なかったわけだけど。とにかく、ヒルデさえ大丈夫なら・・・ひどい条件の中の最大限結果オーライと言えるだろう。そう祈りたい。難しい判断の連続だったジュリーの皆さん、お疲れ様。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

December 18, 2011

混戦模様でクリスマス休暇に突入 エンゲルベルク

今週は猛烈な低気圧により、中欧では木曜夜から金曜にかけて大荒れとなった。950hpaって台風だよ。せっかくのクリスマス前の週末だというのにWeihnachtsmarktにも人まばらで、露店の人たちもあきらめ顔だったな。山間部では猛吹雪となってウインタースポーツは各地で中止となった。幸いなことに土曜には風雪共にかなりおさまり、エンゲルベルクの試合はつつがなく行われた。とはいえ、土曜は着地の際に新雪でつんのめるほどの雪が降っていたし、突風もあった。それでも公平感のある良い試合になったのは、エンゲルベルクが風に強い、いい立地にある良いプロフィールの台だということだろう。ウインドファクターが小さいこともそれを示している。こういう台が日本にもあればいいのだけど。日曜の最後はとてもいい条件でのフルーク・ショウが見られて良かった。

荒天の土曜でも数千人の観客が入っていた。恒例のアマン祭りだからねぇ。だが、近年、地元では必ずといっていいほど勝ってきたアマンだったが、今年は最後にいい風をもらってようやく面目を保っただけに終わった。今年の彼は練習不足の感が強い。スキーも走っているし技術的にも問題は感じられないが、動きにキレが感じられない。意図的な緩ませなのか、あるいはモチベーションの低下なのか・・・・この感じだと、ジャンプ週間での変わり身は期待できそうにない。

一方、ノルウェーのバーダルの好調は今度こそ本物みたいだ。長身で骨量のある彼にとって、今季のBMIレギュレーション変更の恩恵がこちらの想像以上にあるのかもしれない。あるいは、コヨンコフスキーと違いパワー重視派だと言われているシュトッケルと手があっているか。技術的に確立しているジャンパーだから、このまま上位に居続けると思う。

突き抜けそうで突き抜けない、もどかしいのがシュリーレンツァウアーだ。物理的には全部勝ってもおかしくない状況にあるのに、不安定で勝ちきれない。土曜のラストジャンプでは新雪に脚をとられて転倒し、バーダルに勝ちをプレゼントしてしまった。でもこれは空中で不安定だったのに無理をしたから結果的にそうなったのであって、新雪のせいではない。幸い大事には至らなかったが、そういう時に垣間見える精神的な脆さが彼の弱みであり、また、反面、魅力でもある。おそらく、まだ技術的な問題を抱えていて、そのもどかしさが精神に影響しているという状況じゃないかな。噛み合ってきたら手が付けられなくなりそうなんだけどな。

日曜の最後はランディングをミスったら5つぐらい順位が落ちるような、すごく僅差の戦いだった。このまま、混戦状態でジャンプ週間に突入するのか、あるいは・・・・?例年より少し長めのクリスマス休暇中の過し方でガラッと勢力図が変わりそうな予感がある。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

December 11, 2011

フライターク、ドイツ復活の狼煙 ハラコフLH

日曜の朝、ようやく冬らしい、クリスマスらしい冷え込みとなった。朝の散歩のあと、かじかむ手をこすりながら温かいパンを抱えて家路を急ぐ時、冬の幸せを一番感じるのは何故だろう。

今週はハラコフのラージヒル大会。去年はとんでもない吹雪でキャンセルとなった大会だ。今年は冷気が入る時の不安定な風がジャンパーたちを翻弄した。雪不足による調整不足でジャンパーたちは手探り状態のようで、そんな状態でフラットでトリッキーなハラコフLHを飛べば、バラバラのジャンプになるということらしい。絶好調だったコフラーはこの台が苦手なようで、悪戦苦闘の上に少し慣れた頃には終わり、みたいな感じだったな。

あと、ここのラージの台はフライングの台と違いウインドファクターとの相性がすこぶる悪い。飛び出し付近で追い風を受けて高さが取れないと、とたんにK点に到達するのが困難になるからだ。そうなると下のほうでいくら風をもらっても意味がない。いくら風を受けたか、ではなく、どこで風を受けたかが重要なので、平均化された風速によって決まるファクターではかなりの不公平感がでてしまう。

金曜の個人戦、伊東が素晴らしいジャンプを2本揃え、少しの幸運もあり2位となった。彼の現状を考えれば最高の結果だろう。最後のシュリーレンツァウアーがエアポケットに嵌って伸びずに終わったとき、ようやく彼にも運が回ったかと思ったのだが・・・・(苦笑)。1点差なら、勝たしてあげてくれよなぁ・・・。ま、彼は実力でこれから何度も勝つだろうから、いいか。あと、カムバックしたツァウナー、いきなりであのジャンプができるとは・・・なんという素質だろう。

土曜日のチーム戦はノルウェーがオーストリアを破って金星を挙げた。ここの台がフラットでフライング的要素を持っていることと、ノルウェーの飛ぶ順が早くて後のほうに飛ぶ他のチームより風がずっと良かったこともある。だが・・・好成績が必要だったというモチベーションの高さも大きいと思う。コヨンコフスキーの後を受けてコーチになったシュトッケルは、ここまでのチームの絶不調でかなりのプレッシャーを受けていた。彼も、これでとりあえず一息つけるだろう。一方、2回目に進めなかったフィンランドは真っ暗闇の中でもがいている。ニエメラヘッドコーチは針のむしろに座っている気分だろう。日本チームは8位に終わったが、これが現実というか・・・・ごまかしの効かない追い風の厳しい条件に負けたと言わざるを得ないのかな・・・。

日曜はさらに強い追い風が吹き荒れる非常に厳しい戦いとなった。その中で、モルゲンシュターンのものすごいプレッシャーを受けながら、最後に最長不倒を飛んで勝ちきったフライタークは素晴らしかった。また、フロイントも3位に入った。ドイツもようやく戦える状態になってきたということだろう。ジャンプ週間が楽しみになってきたぞ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

«コフラー連勝、初の女子ワールドカップ 雪のないリレハンメル