January 15, 2017

ヴィスワ

今週は木曜から金曜にかけ非常に強い低気圧が通過し、北ヨーロッパは大嵐だった。その余韻が残る中でどうなるかと思ったが、風がくるくる回った割には試合は結構大丈夫だった。ただ、風がちょっとでも向かい風になると飛びすぎになるので、ゲートがどんどん下がって最後は3になった。86キロ台の飛び出しで、ほんのちょっとの向かい風でHSに迫るトップジャンパーたちも凄い。この台はそれほど落下型だという印象は無かったが、それでもかなり厳しかった。大倉山は大丈夫だろうか。試合にならないような低速設定にならなければいいが。

今の神がかったストッホに、地の利。ちょっとつけ入る隙が無かった。

シュレリーのカムバック、そして今日の1回目のジャンプには驚いた。休みの間に体のリセットができ、軽い体を手に入れたのかもしれない。この日に向けてマテリアルもいろいろ最適化できていただろう。このままトップレベルにとどまっていられるかどうかは分からないけど・・・。

フォアファングも戻ってきたね。これでタンデも楽になる。タンデはブーツ更新の影響が最初は感じられたが、日曜はほぼ、もとのパフォーマンスに戻っていた。

ドメンのジャンプもかなり戻ってきている。次ぐらいには爆発するかも。ペーターはお休み。彼の代わりに入ってきたスロヴェニアの若手たちのジャンプに目を見張る。二人とも2-3季ワールドカップを転戦したらトップレベルに定着できそうな逸材だ。コンチの上位もスロヴェニアの若手でいっぱい。いいなぁ。

ポーランドのコットはポテンシャル的にはいつ勝ってもおかしくないレベルにある。なのに、なんでプレッシャーがかかるとソローリジャンプになっちゃんだろうなぁ。2年前のハイベックの感じ。一回勝ったら、何回も勝つような気がする。

伊東大貴、風の女神に見放されてたなぁ・・・。

スヴェン・ハンナバルトの解説に慣れてきた。彼は本当に正直で、応援しているジャンパーが悪いジャンプやノーチャンスの条件の時ははっきり落胆するので困る。一回の放送でschade!と20回は言う。だが、細やかに技術解説もするし、トップジャンパーだけに許される感覚的な発言も多くて面白い。意味のない応援発言をしないので(応援発言しているときは、心から応援しているときだけ)、私は好感が持てる。

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January 06, 2017

ストッホ、歴史に名を刻む ビショフスホーフェン

今年も、ジャンプ週間にはドラマがあった。不必要なドラマがいくつも。

タンデの2回目のジャンプ、サッツは最高だった。その1秒後、彼の右スキーのブーツについた金具が壊れ・・・・保険の紐が支えて転倒は避けられたが、勝負はあきらめるしかなかった。金具が壊れる可能性は常にある。でも、それがこの瞬間、ジャンプ週間の勝負が決まるファイナルジャンプで起こるなんて!そこに必然性を見つけようとすれば、乾坤一擲の彼のサッツが、あの金具が今まで経験したことのないようなパワー、衝撃をスキーとブーツに与えたということなのかもしれない。

楽天家で知られるタンデも、さすがに落胆を隠せなかった。数分後の表彰式(それでも彼はジャンプ週間総合3位に入った)で笑顔を見せた、彼の強さと周りへの気遣いを称賛する。

オーストリア・チームを襲った、ウィルス性胃腸炎・・・・今日のクラフトはまったくパワーがなかった。パワーがあることを前提とした、繊細なフライト・システムはまったく機能しなかった。もっともパワーのない日が今日に当たってしまったのは、不運としか言いようがない。同じことがインスブルックを諦めるしかなかったハイベックにも。あの最後のジャンプを見れば、彼にもクオリティ的にはチャンスがあったはずなのである。彼のガルミッシュのジャンプが2本ともダメだったのは、あの時すでにパワーが失われていたということなのだろう。自己管理の問題と断じてしまうには、あまりにもタイミング的に不運であった。

しかし、だからといって、ストッホの成し遂げた4大タイトル制覇(オリンピック、世界選手権、ワールドカップ総合、ジャンプ週間の4つを全て優勝すること)が色あせることはない。彼はジャンプの歴史における、巨人の一人となった。マリシュから受けたバトンをしっかりと握っている。彼も、膝は腫れ、インスブルックでランディングバーンに打ち付けた肩は優勝カップを片手で提げられない程に痛めていた。予選を飛ぶことが不可能なほどコンディション的には追い込まれた状況だったそうである。それでも、集中力と技術で勝ち切った。やるときはやる、それがスター、である。

プレウツ兄弟は結局最後まで弾けなかった。兄ペーターのちょっとした問題は、よく知った台でじっくり飛んで調整しないと解消しないだろう。このあたりで小休止したほうがいいというのがハニー・マルティンの共通した意見だった。ドメンは結局のところ4つの違う台にジャンプを合わせることができなかった。しかし、とてつもなくいい経験をしたことは間違いがない。彼は、まだまだこれからなのだから。

今日のビショフスホーフェンはキンキンに冷えていた。風は収まったが、風向・風力ともに不安定だった。ただ、それほど強い風があったわけではない。しかし、このくらいの風でも、ビショフのような理想的とはいえないプロフィールを持つ台では試合が成り立たないぐらいに影響を受けてしまう。伊東のヒルレコードを塗り替えて予選トップだったヴェリンガーの1回目のジャンプはほぼ100%成功したジャンプだったが、2回目に進めなかった。ウィンドファクターが効かなすぎる。あまりにも競技が繊細になってしまっている。

みんな、スーツをとっかえひっかえしているように見える。いろいろな、縫い方や通気性の違うスーツが開発されている模様・・・・クラフトがより通気性のあるスーツを試しているということで、ちょっとびっくり。もう、スーツの浮力よりも、空気抵抗の方が重要ってことなんだろうか??日本選手も徐々にだがマテリアル的にトップに近づいている。今日は葛西・伊東ともいいジャンプだった。もう少し風のアシストがあればトップ10には余裕で入れるクオリティだったと思う。後半戦、期待できそうである。

シュレリーが元気な姿を見せていた。次のポーランド・シリーズから復帰とのこと。楽しみ。

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January 04, 2017

インスブルック

今日はここらへんでも荒れ模様の天気。昼頃には前線は通過したが、残り風が凄かった。

というわけで、今日はどうしようもないほどのアンフェアな戦いとなってしまった。ドイツではこういう試合をLotteriespielというそうである。さしずめ、福引き試合、というところ。試合は時間がかかりすぎて暗くなってしまい、1回目で終了。ジャンプ週間総合への影響を最小限にとどめるという意味合いもあっただろう。

福引の大当たりはヨハンソン。葛西はその前後賞をいただいた感じだった。ジャンプも良かった。3位のクリモフはラッキーだっただけじゃなく、スピードのあるいいジャンプだった。最近のジャンプのクオリティから、いつかは表彰台に乗るだろうと思っていた。彼はトップジャンパーになれる素質がある。

タンデはまっとうな条件できちんと飛び、ジャンプ週間総合トップに。ストッホは条件自体は悪くなかったが、明らかな失敗ジャンプ。試技での転倒の影響が隠せなかったと思う。怪我していなければいいんだけど。一方、クラフトはジャンプは悪くなかったが、上で追い風を受けたのかスキーが上がってこず、高さを失って伸びず。苦い試合となった。相手が相手だけに、16.6点はかなり大きな差だ。

ハイベック、ウィルス性の風邪で無念のドクターストップ。風邪はオーストリアチーム内で蔓延しているそうで、実はルームメイトのクラフトもかなりやばい状態らしい・・・。

ドイツのフロイントも風邪で離脱。調子も下降線なため、ジャンプ週間はパスして後半戦に備えることになった。

葛西は今日の試合がなんとジャンプ週間100戦目ということで表彰されていた。25年、4回すべて出てようやく達する数だ。その試合で10位に入るのも、すごい。

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January 01, 2017

ガルミッシュ

今日も快晴微風、理想的な試合だった。

1回目、追い風の中、飛び出し速度90キロ台の渋いゲート設定(誰もHSを超えず)で21人が130m越え。ものすごいレベルだと思う。トップジャンパーでも少し失敗すれば20位以下に落ちるということ。日本選手が2回目に進めなかったが、この状況で2回目に進むのは非常に難しいことだということを報道してほしいと思う。

だが、日本選手たちの状況がいいわけではない。特に竹内は悩んでいる。伊東はちょっとしたバランス、葛西はいつもの滑りの問題のようなので、どっかでフッと戻りそう。陵侑は右に回っちゃっているので、一度じっくり作り直す必要がありそうだ。あのジャンプで予選を通過できるということは、すごいポテンシャルがあるということなんだが。

スーツに入れられた、伸びない真田紐のような裏打ち。スーツの伸縮性を利用した「ズル」を抑制するための新しいルールだが、この裏打ちが選手によっては非常に不快らしい。滑りやサッツに引っかかりを生じさせるそうである。今年はチーム間にスーツの差があるように感じられるが、このあたりに理由がありそうである。

タンデ・クラフト・ストッホの争いになってきた。アイゼンビヒラー、頑張っているけど・・・。かすかな気負いがジャンプを狂わせている。ポテンシャル的にはそん色ないが、経験不足は否めない。ハイベックはちょっと離れすぎたかな・・・。今日のジャンプは2回とも良くなかった。


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2017

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

ここ数年、年末/新年にひとことだけ、個人的なことを書くようになった。
一年前に書いたことを読み返すと、その年が自分にとってどういう年だったかがわかるから・・・。昨年は一年前に宣言していた、”寛容な心で、希望をもって、喜びを感じながらのんびりと過ごそう”が達成できていたとは到底言えない。ネガティブスパイラルに何度も吸い込まれそうになりながら、なんとか踏みとどまる・・・の繰り返しだった。いや、もう吸い込まれたのかも、とも思う。

とはいえ、実質にことさら問題があるわけではないのである。基本的に家族は健康で、寝食に大きく困らず、仕事も自分の能力以上に評価されている。本当に恵まれている。なのに・・・心の中はネガティブスパイラル。投げやり。余裕がなく、目の前のことをこなすのが精いっぱい。どうして??

世界の状況は未来に希望を持つことを難しくしていることは事実だが、歴史的に見ても、今がそんなに悪い時代とは思えない。悪くなっていく時代に共通する、いくつかの特徴が見えているだけに過ぎない。

自分には現状に満足する術が必要だ。そのカギは、未来や過去に強い意識を置かないこと、にありそう。年を取るにつれ、どんどん意識の時間的広がりが大きくなっている。しかも、「そうならなかった未来」、「そうであるべきだった過去」いわゆるパラレルワールドの方にも広がっていってる。

おぼろげながらに未来の方に意識は置くが、それ以上は現在から離れずに暮らしていくこと。それが大切なのだろうと思う。今年はそう思って過ごしていこう。

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December 30, 2016

オーベルストドルフ

ジャンプ週間の第一戦が終わった。とりあえず箇条書きに。

完璧な試合だった。氷点下・快晴微風・素晴らしい台・超満員。これ以上ありうる?

なんという高い競技レベル、しかも拮抗している。ちょっとした失敗でコロコロ順位が変わりそう。

タンデの1回目、なんで伸びなかったのか、わからない。アイゼンビヒラーやハイベックの2回目も、あれが失敗?というジャンプ。確かにほんの少しスピードをロスっているのかもしれないけど・・・。もはや素人目では判別不能の領域での戦いになってきている。

ツェーネ、兄弟の争いに勝つ。彼のジャンプは長兄・末弟とは違い、普通に効率がいい。ペーターはだいぶ戻ってきた。ドメンは経験不足が出てしまった。常識的にはもうノーチャンスだが、彼に常識が通用するかどうか・・・。

なんでこんなところにファンネメル?しかも彼は2回目にやらかしてしまった。

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December 18, 2016

新しい、素晴らしいエンゲルベルク

今年は週末とクリスマスがばっちり重なっていて、しかも大晦日と元日も週末である。振替休日などという気の利いた制度があるのは、そうでもしないと休まない国民を持つ日本だけ。ということで4日も休みを損したドイツの一般市民はブーブー言っている。この二つの休日と週末を有給休暇で繋げて大型連休にしてしまうのが一般的だが、今年はその技も使えない。

一方、この日程はジャンプ関係者にとってみれば非常にありがたいだろう。エンゲルベルク大会とジャンプ週間の間が10日以上あり、普通にゆっくりクリスマスを過ごせるから・・・。日本チームも帰国即渡欧という感じではなく、国内でじっくり調整ができそうだ。

エンゲルベルクは巨額の費用をかけて改修され、MANA TOP SPEEDセラミック/氷のトラックが設置された。もともとナチュラルに素晴らしいランディングバーンはそのままのようである。ヒルサイズが140mに拡大されたということは、少し後ろに飛び出し位置がずれているということ。昨今の飛行前半のフラット化に対応するためのプロフィールの変更だろう。そのせいで多少坂が急になっているようで、飛び出し速度も上がっているのでタイミングは合わせずらそうな感じである。

土曜の大会は凄い追い風だったが、風速はかなり一定で、しかもここは非常にウインドファクターの効きがいい台なので不公平感は少なかった。何人かのジャンパーは4m以上もある上の追い風でスキーを叩かれていたが・・・。こういう条件で、しかもフラット化した台ではパワーがものをいう。最高の飛び出し速度とパワーを持つハイベックの勝利は自然の帰結だったと言えるだろう。びっくりしたのはコフラーの2回目のジャンプだ(日曜の2回目も)。彼の爆発的なサッツが帰ってきたことがうれしい。条件とか浮力などまったく関係がないジャンプ・・・・彼のジャンプは往年の原田のいい時を思い出させる。今回、実はひそかにポーランドのクバツキを応援していた。彼は全ジャンパーの中で一番高いところを飛ぶので、こういう時こそ表彰台に上るチャンスだった。しかし、1回目4位で迎えた2回目は硬いジャンプで追い風に叩かれて失速してしまった。がっくり。
そんな条件下でもドメン・プレウツが2位に食い込んだことに驚愕せざるを得なかった。伊東が5位に入ったのにも失礼ながら驚いた。感じていた日本チームの「マテリアル的ビハインド」が払しょくされたようだ。新しいスーツが投入されたのかな?そして、この結果は彼が今やフィジカル上位のアスリート系ジャンパーになっていることを如実に物語っている。竹内・葛西もそれぞれにステップアップしていて、日本チームとしてもジャンプ週間に向けてとりあえず体制が整ってきたといえるだろう。

日曜は追い風がずいぶん弱くなり、一転してスピード勝負となった。今のドメンにこの条件で勝つのは難しい。1回目2位だったタンデの2回目は飛びすぎて立てなかった。残念。1回目と同じくゲートを下げて勝負していたら、もしかしたら勝っていたかもしれないが・・・。今日のストッホは2回とも素晴らしいジャンプだった。世界最高の技術を持つ彼が2回完璧に飛んで、それでドメンに10点以上差を開けられている・・・どういうことなんだ・・・。ドメンのパフォーマンスは理解不能の領域である。弟の爆発の一方で兄ペーター・プレウツの不振はかなり深刻なようだ。飛び出しスピードが出ない上に、解説のスヴェンによればサッツ時に上体が立って少し上に出てしまっているとのこと。おそらくelan撤退によるスキー変更への対応が長引いて、滑りの重心が定まっていないのだろう。

それなりに風の影響がありながらも、土日ともにいい試合だった。今回の改修でエンゲルベルクはさらに素晴らしい台になったと思った。

それにしても、今期は競技レベルがものすごく高い。今大会は地元のスター、アマンにいいところがなかったが、素人目には彼のジャンプ自体(ランディングはさておき)になんの問題も感じられない。彼自身も失敗したような素振りを見せていない。しかも新造台での戦いだった今回、彼には特別な地の利があったはず。仮にアマンの進歩が止まっていると仮定しても、今の上位20人ぐらいは数季前のアマンレベルに達しているということになる。同じようなことが葛西にも・・・。彼の今日の2回目はとても良いジャンプで条件も良かったが、それで(2回目のポイントで)17位・・・さすがに少し心配になってきた。そう思わせておいてそれを良い意味で裏切ってくれるのがレジェンド葛西だと信じよう。

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December 11, 2016

序盤戦を振り返って

今週末はドイツでもかなり荒れ模様の天気で、案の定リレハンメルもかなりの風だった。あそこまで試合の途中で風の条件が変わってしまうとウィンドコンペンセーションも無力だ。昨シーズンから指摘しているように、最近はそよ風程度の風で10m飛距離が変わってしまうぐらい、風の影響が大きくなっている。全体としてウィンドファクターが小さすぎるようにも感じるが、それよりも風速の「平均値」でポイントが決まること、そしてゲートを上げたときのゲートファクターが不公平感を生み出しているようにも思う。まぁ、ウィンドファクターがあるから、この程度の不公平感で済んでいるとも言えるのだが。

今季はのっけから競技レベルが異常なぐらい高い。高いところでひしめいている感じで、小さな差が大きな順位差として現れている。ピーター・プレウツが飛び出し速度が出ないだけでシングルに入れず、葛西がちょっとタイミングが合わずに抜けただけでファイナルに進めない。去年の10位が今年の30位ぐらいの感じ・・・・。日本チームはなんらかのマテリアル的ビハインドを抱えているように感じる。

そんな中で頭一つ以上、パフォーマンス的に抜けた存在がドメン・プレウツとなる。間違いなく彼は選ばれしものであり、その上でスキージャンパーに訪れる、1-2年しかない最初のピークに入った。ナチュラルに軽い状態を保て、しかも柔らかい、人生で体が一番鳥に近い瞬間である。まさにアホネンが、船木が、シュレリーが華々しく出てきたあの瞬間と同質のものだ。今年がオリンピックの年でないことが彼にとっての不運とも言える。

ポーランド勢の躍進も目を見張るものがある。ホルンガッヒャーによりオーストリアのサッツ技術が注入されたのだろう。コットやジラのサッツから迷いが消えた。皆、飛び出した瞬間の場所が高くなった。その差はたぶん、数十センチぐらいのものだろう。ストッホはそのわずかな高さの差を10mの飛距離に変換できる空中技術を持っている。昨シーズンの彼は怪我の影響もあったのかもしれないが、いくらなんでも低すぎる飛行曲線だった。今年は初めが高いから、最後スルッと伸ばせてしまう。ドメン次第だが、現状ではストッホが総合王者に一番近いところにいるように思える。

数人のジャンパーは本当にほれぼれするようなジャンプをしている。ドイツのガイガーとか、ポーランドのフラとか。100%最適化された感じがする。彼らのような、それでもトップが見えないジャンパーたちに幸運を、と願う気持ちがある。彼らの後でドメンのジャンプを見ると、神様は不公平だと感じずにはいられないのだ。

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November 26, 2016

ドメン、初勝利 開幕戦・クーサモ/ルカ

スキージャンプのシーズンが、今年はクーサモ・ルカで始まった。
今季はブログにコメントを毎回アップすることはできないと思う。備忘録的に不定期で書いていくというぐらいの気持ちでいようと思う。

例年、ここは風が強くて困るが、今回は奇跡的に穏やかだった。
ただ・・・そうであっても、この台の性質がつかめなかった。妙に風にセンシティブな場所があるらしく、ウィンドファクターの値とジャンパーの動きがリンクしない。へんなエアポケットに落とし穴のように落ちてK点までたどり着けないジャンパーがいたと思ったら、その次のジャンパーは下で向かい風をもらってすごく伸びるという感じ。飛び出しが超低速で少し大倉山にも似ているように思う。選手は試行錯誤しており、ジャンプの飛び方も完成度も毎回違うので、さらにわからない。おそらく選手自身もよくわからないまま飛んでいたのではないだろうか。

金曜日はプレウツ兄弟のワンツーかと思ったら、兄貴が転倒して弟にワールドカップ初勝利が転がり込んだ。ペーターに怪我がなくてよかったよ。土曜は風のいたずらが少し過ぎたが、結果はフロイントの完勝。彼にとっても驚きの勝利だったそうだ。春に股関節の手術をしたことで、ジャンプを飛べるようになったのはついこの間ということだった。全体の勢力図は去年とあまり変わらない印象。ただ、ノルウェーはタンデ頼みの状況がしばらく続きそう。ガングネスがまた膝をやってしまって不出場の上、フォアファングとハウアーは素人目にも酷いジャンプをしていた。

日本チームもボチボチ、良かったと思う。今年は伊東大貴の年になりそうな気配。金・土とも、2回目のジャンプはかなりの完成度だったし、体のバランスもよさそう。久しぶりに夏にきちんと準備できたという感じがした。土曜に竹内が失格になったのは残念だった。いいジャンプだったのになぁ。今季もスーツのチェックは厳しくするぞという検査部からのサインはいいのだけど、その網に引っかかった選手はたまらない。

ところで、今年からユーロスポーツのドイツ放送チームが変わったんだが・・・うーむ。ティーレとジークムントのコンビに慣れていたせいもあるが、どうも合わない。特に解説のハニー(スヴェン・ハンナバルト)の声の暗さがしんどい。こなれてくるといいのだけど

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November 20, 2016

スマホ

時は過ぎ、もう冬になりつつある。
スキージャンプのワールドカップも、もうすぐ始まってしまう。
これだけ長いことブログを放置したことは初めてかも。
書くべきことがなかったわけじゃないが、何かを能動的に、外向きに行う気持ちや余裕というものがまるきり欠けていた。スキージャンプも始まれば見るんだろうけど、今季は昨季までのように発信することはできない気がする。

それは音楽やオーディオにおいても同じ。決まりきったディスクをちょこっとかけて、音がちゃんとしていることを確認して、安心して終わり。ちょっとダメでも、また良い時もあるだろうと、楽観的というよりは投げやりな気持ちでアンプのスイッチを切ってしまう。

そうこうしているうちに、スマホを持ってしまった。とうとう。はじめはiPad使っているんだからiPhoneにするぞと意気込んでいたのだが、本当にiPhoneでないとだめ?TIDALをオフラインメインで使うんだったら128Gにしておかないと後悔するかも?7ではヘッドフォン端子が無くなる?なんていうことをあれこれ考えているうちに、Appleの方向性に疑問を感じ始め、3倍の値段差に尻込みし、そして結局格安スマホにした。で、、持ってみて、その200ユーロしかしない手のひらサイズの機械のコンピューティング能力に愕然とした。この計算力が、3日間無充電で持つなんて・・・マスプロダクションの恐ろしさを感じずにはいられない。少なくとも、今までスマホを持っていなかった人間にとっては、この安いAndroidで必要十分だ。Appleの信念が、意固地と妥協の間で揺れ動くわけだ。

そして、もう一つの驚きがそのスマホの携帯オーディオプレーヤーとしての音だ。始めはスカスカの音でなんじゃこりゃと思った。が、TIDALで少し我慢して鳴らしていったら、「あれっ」と思うような音が出るようになった。ただアンプ部が貧弱なのは明らかで、AKG K601では音にならない。ならば・・・と感度の高い、インピーダンスの低い、速い低音がしっかり出るカナル型イヤホン・・・こういうスマホで使うことを想定している価格帯だが、だからといって安かろう悪かろうでは無いもの・・・を探した。すると、外出先で聞く分には全く問題がない、いや、時々音楽に入りすぎて危ないぐらいの音が出るようになって「しまった」。おぃおぃ、このスマホ、たぶんヘッドホンアンプ部には10ユーロもかかっていないはず。それに30ユーロぐらいのイヤホン・・・それでちゃんと聴ける音が出るなんて。

もちろん、この音は全くオーディオ的ではない。すごく静かなところで聞くと、空間はない・一番上の方は丸っこくて抜けない・一番下はすっぱり切れている、ローレベルは消えちゃってることがわかってしまう。が・・・街の中ではそれらは全く必要のない要素だ。ただ、ちゃんと音のスピードが揃っていて、音域バランスが整っていて、ファンダメンタル領域がしっかり出て、それでいて中高音が刺さらなければいい。「ただ」なんて言ったけど、なかなかそうはならないものだ。その上で、ほのかに「チャーミング」で「アナログ」な音がする。たとえて言うなら良いFM放送のような音。いくつかの点において、メインのシステムに勝つ場面があるのが困った・・・録音が悪い・古いがあまり関係ないのも良い。

これって、偶然だろうか?いや、違う。たぶん、マスプロのおかげだ。極限まで共通化されシンプル化された枯れた回路を使い、そのうえでデジタル的に音を追い込む「人的コスト」がかけられているのだ。何十万ユニット出るからこそかけられる開発コストだ。このスマホを100個だけ作るとしたら、いったい一ついくらになるんだろうか。高級オーディオの世界は、その100個だけ作るということをしているから、いまや天井知らずの価格状況になっているのだろう。そして、そういうものにはその価格を納得させるための、必要のない付加価値、見た目、能書き・・・がついてくる。そういうものを買うことが馬鹿らしく思えてくるのだ、このスマホで音楽を聴いていると・・・。


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